イランの自動車労働者、賃金不払いに抗議してスト
2021-02-11
<JCM記事要約>
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タブリーズのイラン・ホドロ・カンパニー自動車工場の労働者は、賃金不払いに抗議して山猫ストを実施している。
イラン・ホドロ・カンパニーはイランの主要な自動車メーカーで、乗用車のライセンス生産や、トラック、小型バス、バスの製造に従事している。
同社ではいくつか問題が発生している。ここしばらく腐敗が告発されており、昨年9月、10月には賃金と労働者の社会保障負担を支払わなかったことが報告された。
その結果、一部の労働者は定年に達していながら働き続けなければならない。というのも社会保障制度が、不足分の拠出金が支払われるまで年金支給を拒否しているからである。
イラン・ホドロはイランに6つの生産現場があり、タブリーズ工場の年産能力は12万台である。この多国籍自動車会社はアゼルバイジャン、ベラルーシ、セネガル、シリア、ベネズエラにも工場があり、支払いに関する問題をCOVID-19パンデミックのせいにしている。タブリーズの労働者は1月30日に山猫ストを開始した。その結果、数人の労働者が解雇されたという。
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のイラン金属・機械労組(UMMI)の報告によれば、パンデミックの経済的影響がアメリカによる進行中の制裁の影響に輪をかけ、イラン全国で工場が壊滅状態にある。主要自動車工場とサプライヤーが影響を受け、多くの企業が賃金や社会保障負担を支払っていない。そのため、労働者は給付を受給したり医療を受けたりすることができない。
ホドロ自動車労働者の行動は、あり得ない生活・労働条件に抗議して立ち上がった最新の事例にすぎない。サウスパース油田・ガス田では昨年8月から抗議が続いており、適正な条件と、人材斡旋会社を経由しない直接雇用を求める労働者による紛争が増えている。
年金支給額が少なすぎて退職者が定年退職後に貧困に陥っているため、全国で年金受給者による抗議も発生している。貧困線は現在、平均年金額の4倍である。UMMIの退職組合員は積極的に抗議を組織している。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長はこう述べた。
「イラン政府は市民に対する責任を果たしていない。そのために企業による労働者の虐待を許し、社会保障制度が世界的パンデミックで最も必要とされる時期にひどい資金不足に陥っている」
「イランの労働者は我が身を守るために立ち上がっている。それは正しい行動であり、責任を果たしていない抑圧的な政権や企業に抵抗する勇気を示している。イランは独立労働組合を承認し、この国の労働者と年金受給者が公正を勝ち取れるようにする必要がある」
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