イタリアの金属労働者、団結して新しい全国協約を締結
2021-02-11
<JCM記事要約>
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1年以上に及ぶ交渉を経て、イタリアの金属労組は2月5日に全国労働協約の更新に成功した。この協約は約160万人の労働者を対象としている。
イタリアのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織FIOM−CGIL、FIM-CISLおよびUIL-UILMは、全国労働協約の交渉で重要な結果を達成した。2021年1月から2024年6月までの協定期間中、平均給与が4回に分けて総額112ユーロ(135米ドル)増額される。
「この新協約で、112ユーロの昇給と多くの労働者への保護・保証により、前例のない危機を乗り切りたい」とロッコ・パロンベラUIL-UILM書記長は言う。
この協約には昇給に加えて、2020年6月からインフレ率に基づいて最低賃金が12ユーロ(14米ドル)引き上げられることも盛り込まれている。その他、フレキシブル給付が年間200ユーロ(242米ドル)増額され、35歳未満の若年労働者について2022年から使用者の補助年金基金負担が2.2%増額される。
協約の主要な業績は、1973年から実施されている職務分類システムの改革である。
フランチェスカ・レ・ダビッドFIOM-CGIL書記長は言う。
「この協約は、労働組合関係、情報参加権、訓練を受ける権利、安全衛生問題、ジェンダーに基づく暴力との闘いに関する法律を強化している」
組合は協定の中で何とか労使関係も強化、その結果、雇用権の保護が改善する。労働者は、情報、討議、参加、訓練の権利改善も享受する。
新協約は労働者の個人的権利をより手厚く保護し、ジェンダーに基づく暴力やスマートワーキング(勤務時間外に接続を切る労働者の権利など)に関する文言が大幅に改善している。
加えて、会社が公的調達契約を結ぶ際に雇用を維持する義務に関する条項が導入される。
ロベルト・ベナグリアFIM-CISL書記長は言う。
「交渉が極めて難航した協約だった。パンデミックと経済・社会危機に今や政治危機も加わり、ここ数十年で指折りの厳しい時期かもしれない」
協約は今後数週間のうちにイタリアの労働者の投票に付される。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。
「加盟組織3団体、FIM/CISL、FIOM/CGILならびにUILMが、非常に厳しい時期に重要な業績を達成したことを祝福する。経済的に明るい内容であるのみならず、組合の団結が今回の勝利を可能にした点でも、すべての人々を鼓舞することは間違いない」