ブラジルの組合、フォードで5000人の雇用を保護するために闘争
2021-01-19
<JCM記事要約>
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フォードはブラジル3工場閉鎖の意向を表明、その結果、労働者5000人が失業する。インダストリオールはフォードに対し、この決定を再考して組合と代替案を協議するよう求めている。
フォードは102年間にわたってブラジルで車を製造・販売してきたが、タウバテ(サンパウロ州)、カマサリ(バイア州)、オリゾンテ(セアラ州)の3工場を閉鎖する意向を表明した。
この決定によってフォード従業員5000人が職を失い、ブラジルのサプライチェーン全体で約7万人の雇用にも影響が及ぶ。
2019年にサンベルナルド工場を閉鎖したフォードによる今回の発表は、組合や地方当局との協議もなく、世界的パンデミックがブラジルに打撃を与えている最中に行われた。この決定は、労働者と家族、地域社会に壊滅的な打撃を与える。
ヴァルター・サンチェス書記長はインダストリオール・グローバルユニオンの書簡で、フォード会長兼CEOのジェームズ・D・ファーリー・ジュニアに、決定を再考して組合と代替的な解決策を協議するよう求めた。
サンチェス書記長は、今回の決定が2012年4月にインダストリオールと締結されたグローバル枠組み協定(GFA)の甚だしい違反であることを指摘した。時宜を得た情報・協議は労使代表間の有効なコミュニケーションの必須条件である、とGFAは定めている。
ブラジルの組合総連合は共同声明を発表し、今週フォードのディーラー前で抗議を行うよう呼びかけた。フォード労組は、すでにキャンペーンや当局との会談を計画しており、決してあきらめないと述べている。
金属労働者の全国総連合CNM/CUT傘下の金属労組タウバテSindmetauのクラウディオ・バチスタ会長は述べた。
「労働者は簡単にドアから出ていくつもりはない。雇用を求めて闘い続ける」
Fitmetal/CTBに加盟しているカマサリ金属労組のフリオ・ボンフィム会長が言う。
「フォードは交渉なしでドアを閉めようとしている。これはひどい状況であり、同社が数千人の労働者を完全に無視していることを示している。当組合は引き続き断固として踏ん張り、闘い続ける」
CNTM/FSに加盟するセアラ州オリゾンテのマラカナウ金属労組(SindimetalMac)のホセ・ミルトン・ペレイラは、同労組は状況を監視しており、雇用を守って労働者が権利を剥奪されないよう努めると語った。
ヴァルター・サンチェス書記長は、インダストリオール傘下の全国総連合CNTM/FSとCNM/CUTへの書簡でこう述べた。
「雇用を保護して生産工場の稼働を維持するために闘っているブラジルのフォード労働者への全面支援を表明する。インダストリオールは、フォードが組合や当局と事前に協議せず、一方的にブラジル事業を閉鎖したことを全面的に非難する。経営側の受け入れがたい態度は甚だしいGFA違反だ」