ベラルーシは労働者の権利と人権の侵害をやめよ
2021-01-22
<JCM記事要約>
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ベラルーシの組合活動家と労働者は、民主主義と自由を求めて平和的な抗議行動を起こしたために、厳しい判決を言い渡されている。
ベラルーシ最高裁判所は1月20日、ベラルーシカリ闘争委員会の控訴を棄却し、昨年のストを違法と判断した。
多くの労働者と独立組合の組合員が、2020年8月の大統領選挙の結果に抗議したあと不相応な報復を受けている。
1月19日、インダストリオールに加盟するベラルーシ通信電子産業労組(REP)の青年ネットワーク・コーディネーターを務めるダリア・ポリャコバが、「内務機関の職員に対する暴力または暴力の脅威」で2年間の自由の制限(自宅監禁)を宣告された。ダリアは、同僚が拘束されるのを阻止しようとしたときに、警官の上着の袖を破った。ダリアは未亡人で、子どもが2人いる。
ベラルーシ独立労働組合(BITU)組合員のウラジミール・ベルドニコビッチとアンドレイ・プリルツキーも、警察に対する暴力で告訴された。ウラジミールは、10月の抗議行動後に逃亡した末、4年の刑を宣告された。アンドレイ・プリルツキーは、8月に高齢男性が暴行を加えられていたときに割って入り、逆に暴行・拘留され、15日の刑を宣告された。プリルツキーは現在ロシアで拘留されており、ベラルーシへの引き渡しを待っている。
BITU組合員のイゴール・ポバロフは、8月17日に抗議行動に参加し、ベラルーシ冶金工場の他の労働者とともに道路を封鎖した件で刑事訴追されている。罪状は、社会秩序を甚だしく侵害する行動の組織、準備または積極的参加である。
そしてベラルーシでは、似たような事件がそのほかにも数多く発生している。
「異を唱えて抵抗すれば、誰でも訴えられる恐れがある。行政訴訟ではなく刑事訴訟を起こせる情報があれば、当局はそれを利用する」と自身も体制の犠牲者であるエリザベータ・メリャクBITU国際書記は言う。
1月18日、REP顧問弁護士で人権保護活動家のレオニード・スダレンコが「社会秩序を甚だしく侵害する行動の組織および準備」を理由にゴメルで拘留された。REPの考えでは、スダレンコは弾圧の犠牲者による罰金の支払いを支援したため、暴動資金供給の罪に問われている。
レオニード・スダレンコをはじめとする労働組合活動家の逮捕は、独立労働組合の活動家や、恐れずに市民の立場を表明し、権利を侵害された人たちを進んで支援する人々に対する体制側の弾圧の継続である、と同労組は考えている。
ケマル・ウズカン・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は言う。
「ベラルーシカリのストに関する最高裁判所の評決は、危険な先例であり、ベラルーシ当局が労働者や国民との真の対話に備えていないことを明白に示している」
「インダストリオールは、ベラルーシにおける弾圧を改めて強く非難し、すべての組合員と活動家の起訴の取り下げと政治犯全員の釈放を要求する。私たちは、基本的な人権および労働者の権利を求めて闘うベラルーシの加盟組織と労働者への支援を約束する」