トルコでスウェーデン系システムエアが組合つぶし
2021-01-28
<JCM記事要約>
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トルコの組合ビルレシク・メタル・イスは、平和的に紛争を解決しようとしたが失敗したため、労使関係問題をめぐってスウェーデン系多国籍企業システムエアをOECDに提訴した。
トルコのシステムエア製造子会社システムエアHSKで、インダストリオール加盟組織ビルレシク・メタル・イスが労働者の過半数を組織化したあと、トルコ労働省は昨年10月、同労組を交渉代表として承認した。
ところが現地経営陣は、同労組と交渉するどころか、労働省の決定を不服として上訴した。これはトルコの使用者が用いる一般的な組合つぶし戦術である。この上訴と直接関連して、現地経営陣はCOVID-19対策を口実に、組合員に無給休暇の取得を強制した。現在、21人の組合員が無給休暇を取得している。
システムエアは、自社の戦略的サプライヤー全社が行動規範に従っていると主張している。だが、労働者が工場周辺で平和的行動を起こすと、現地経営陣は、解雇された労働者によるデモを支援したという理由で2人の労働者を解雇した。
ビルレシク・メタル・イスによると、脅迫と組合つぶしが続いている。システムエアHSKは依然、組合を脱退しなければ無給休暇を取得させると組織労働者を脅す一方で、積極的に従業員を新規採用している。
スウェーデンの組合ユニオネンとIFメタルは、スウェーデンの同社で支部組合がうまく組織化しており、経営陣と良好な協力関係を築いている。
「トルコの経営陣が組合とトルコの法律を受け入れていないことは遺憾であり、驚きだ」とユニオネンのカリン・ストロームとIFメタルのマッツ・スベンソンは言う。
「スウェーデンの経営陣との対話で、唯一の打開策はビルレシクを労働者の代表と認め、支部組合と真の対話を始めることだと伝えようとしたが、無駄に終わった。この不必要な紛争が早く終結し、代わりに建設的対話が始まることを願っている」
何度も対話を試みたが現地経営陣によって拒否されたあと、ビルレシク・メタル・イスはスウェーデンのOECDナショナル・コンタクト・ポイントに苦情を申し立てた。
「私たちが認定過半数組合として承認されたあともなお、システムエアHSKは組合との交渉を拒否している」とビルレシク・メタル・イスのウズカン・アタル書記長は言う。
「それどころか、使用者は無給休暇の話を出して脅し、組合員に組合脱退を強要している。そして親会社は、スウェーデンの姉妹組織が問題を提起したあとでさえも、労働者の基本的権利の侵害に目をつぶることを選んだ。私たちは公正を得るまで闘い続ける」
インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパは、連帯声明でシステムエアの行動を非難し、「まったく受け入れがたい行為であり、同社自身の方針とトルコ労働法、基本的国際基準に明白に違反している」と指摘した。
声明はシステムエアに対し、強制的に無給休暇を取得させられている組合員を復職させ、直ちに組合つぶしをやめ、ビルレシク・メタル・イスと建設的協力に入ることも要求している。
システムエアは換気装置を生産しており、全世界の事業会社79社で6000人以上を雇用している。トルコ子会社のシステムエアHSKはシステムエアの100%子会社である。