労働組合、ILO第190号条約の批准を要求
2021-02-05
<JCM記事要約>
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2021年に入ってから、3カ国が仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する第190号条約の批准の承認を票決した。
ラテンアメリカの組合は、第190号条約の批准に向けて努力を続けている。1月17日、エクアドルが投票を行い、第190号条約の批准を承認した。
自由労働組合総同盟(CEOSL)によると、CEOSL加盟組織の家事労働者・関連労働者全国労組が全国平等協議会、国連ウィメン・エクアドルおよびシモン・ボリバル・アンデス大学とともに実施したキャンペーンが、基本的な役割を果たした。
1月26日にはチリが投票を実施し、ILO第190号条約の批准と第206号勧告の採択に向けて措置を講じるよう要請する協定案を承認した。これは国際労働組合総連合とフリードリヒ・エーベルト財団(FESチリ)が参加したCUTのキャンペーン#TrabajoSinViolenciaに続く大きな前進である。
さらに多くの国々が第190号条約を批准しようとしている。シリル・ラマポーザ南アフリカ共和国大統領は1月11日、条約の批准を誓約した。仕事の世界における暴力は、南アフリカの女性労働者の大部分に影響を及ぼしている。2018年の研究によると、女性の30%が職場で迷惑な性的誘惑の被害に遭ったと推定される。インダストリオール加盟組織は第190号条約の批准を求めて運動しており、この件は大統領と議会が取り上げている。
データを見ると、パンデミック下で家庭内暴力が激増しており、世界中で家庭内暴力の増加が報告されている。パンデミック発生とそれに伴う外出禁止の社会的影響で社会的交流が減少し、強制的な共同生活に固有の緊張と家庭内暴力のリスクが高まっているのだろう。
労働組合は、女性がCOVID-19感染予防機器と引き換えに性的な交際を求められた事例を何件か報告している。過去の例によると、景気後退期や雇用減少時には、女性が虐待や代償的セクシャル・ハラスメントに遭うリスクが高まる。
「現在のパンデミックとその経済的影響で、女性に対する暴力との闘いの緊急性がさらに高まっている。労働組合は、各国で第190号条約の批准を目指して引き続き努力しなければならない。条約が批准されている国では、労働組合と組合キャンペーンが効果を上げた」とアルメレ・セビー・インダストリオール・ジェンダーコーディネーターは言う。