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第123号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2021年3月18日)

サハラ以南アフリカでディーセントな雇用を要求

2021-03-03

<JCM記事要約>

  • インダストリオール・グローバルユニオンフリードリヒ・エーベルト財団が委託しして調査報告書『サハラ以南アフリカの自動車部門:投資、持続可能性、ディーセントな雇用』を発表した。
  • 報告書によると、ほとんどのアフリカ諸国の産業政策戦略に自動車部門が盛り込まれているが、この地域では、貧弱なインフラ、中古車の大量輸入といった構造問題に直面している。さらにパンデミックのせいで、ほとんどの投資計画の実施が先送りされた。
  • 自動車産業への持続的な投資により、ディーセントな雇用の創出や不平等の解決へ導くためには、適切な戦略が求められる。インダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所のポール所長は、直面している共通課題に取り組むため、同地域で連帯していくことができる、とした。

 

2021年3月3日:報告によると、サハラ以南アフリカの組合は、自動車産業への持続可能な投資により、ディーセントな雇用を創出するとともに、失業と不平等を減らし、貧困の根絶に貢献することを求めている。
                                                     

インダストリオール・グローバルユニオンとフリードリヒ・エーベルト財団が委託した調査報告書『サハラ以南アフリカの自動車部門:投資、持続可能性、ディーセントな雇用』によると、この地域で自動車労働者を組織化しているインダストリオール加盟組織は、大手自動車会社が発表した新規投資案を人々と社会の新たな機会に変えるには、適切な戦略が必要であることを十分に認識している。

<報告書>
サハラ以南アフリカの自動車産業:
投資、持続可能性、ディーセントな雇用(英語版)

<パンフレット>
ディーセントな雇用を要求! 
サハラ以南アフリカ自動車産業への持続可能な投資(日本語版)

報告書によると、ほとんどのアフリカ諸国の産業政策戦略に自動車部門が盛り込まれている。これは特にガーナ、エチオピア、ケニア、ナミビア、ナイジェリア、ルワンダ、南アフリカに当てはまる。自動車製造に関する伝統的な産業政策の目的は、税額控除のようなインセンティブや経済特区の設立によって海外直接投資を引きつけることである。この文脈において、いくつかの国は、VW、日産、BMW、トヨタなど主要多国籍自動車会社と協定を結んでいる。

通常のパターンを超えて真の地域ブランド・製品に投資しようとしている国や企業もある。エチオピアとルワンダは電気自動車の生産を模索している。この報告書は、投資の効果は「地域開発の誘発と、地元の利益を共有し、現地の経済活動との関係を作り、質の高い雇用機会を創出する経済成長の確保」に依存する、と強調している。

しかし、この地域は相変わらず、貧弱なインフラ、中古車の大量輸入、技能不足、金融不安、信頼できないエネルギー供給をはじめとする構造問題に直面している。さらに、COVID-19パンデミックのせいで、ほとんどの投資計画の実施が先送りされた。

報告書でインタビューに答えた組合は、永続的でディーセントな雇用を増やして現在の傾向を反転させるために、自動車産業の不安定性に取り組みたいと述べている。例えばナイジェリアでは、自動車部門労働者の70%以上が、契約に基づく不安定労働者として雇用されている。これは他のほとんどの国々にも当てはまる。組合は自動車会社に生活賃金の支払いも求めている。

報告書では、産業政策に関与するための重要なプラットフォームとして、社会的対話と政労使対話が挙げられている。これは、技能や労働条件、労働安全衛生、その他の多くの重要な項目に関する重点的共同政策の機会を生み出す。さらに、団体交渉の範囲を全レベルで拡大する必要がある。

インダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所のポール・フランス・ヌデソミン所長は言う。

「これは組合が政策への関与を通して自動車部門の雇用創出に影響を及ぼせる方法を示しているので、重要な報告書だ。組合は、自分たちが直面している共通課題に取り組み、ネットワークに参加して賃金・労働条件を改善するために、この地域で連帯して協力することもできる」

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