インダストリオール、ITFおよびTUAC、世界経済復興のために輸出信用に関する行動を要請
2021-03-04
<JCM記事要約>
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2021年3月4日:2020年の航空旅客需要は前年比65%減となり、商用航空宇宙製品への需要も激減した。その結果、関連部門では数十万人の労働者がレイオフされた。雇用水準の回復には輸出信用機関による支援が不可欠である。
インダストリオール・グローバルユニオン、国際運輸労連(ITF)および労働組合諮問委員会(TUAC)はOECD諸国に対し、以下の強化・調整によって雇用を保護し、世界経済を再生させるよう求めている。
- 航空宇宙・商用航空部門関連の融資問題への輸出信用機関(ECA)による支援
- 労働基準やデューデリジェンス・イニシアティブなど、人権関連のECA「コモンアプローチ」の強化
- 労働組合やその他のNGOの包摂と基本的意思決定の透明性
「理論上は、航空は2025年に以前の水準に戻ると予想される。だが、この業界が生き残るには、今、事業活動を続ける必要がある。輸出信用は注文を促進し、さらには納品を増やすので、航空宇宙産業に刺激を与える打開策だ」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記次長は述べた。
「加えて、輸出信用に関するOECD政策は、ディーセントな雇用と労働条件の促進を確保する」
ロブ・ジョンストンITF書記次長によると、ECAは労働基準と持続可能性問題を検討したうえで融資を許可することが極めて重要である。というのも、これは平等な競争条件を確保する唯一の方法だからである。
「ITFもインダストリオールも、数百万人の雇用が依存している輸出信用機関の重要性を理解している。しかし、これらの機関は、企業行動を世界の労働慣行の改善につなげるためにも非常に重要だ」とジョンストンは述べた。
ECAは保有航空機の更新も促進する可能性がある。これは特に将来の航空におけるCO2排出削減という気候問題の観点から、この産業にとって必要になるだろう。
この行動要請は、グローバル・ユニオンが輸出信用をめぐり数カ月にわたって協力した結果、2020年10月にOECD輸出信用機関への正式な提出を行ったことを受けたものである。
国家間の競争激化により、各ECAは雇用支援政策を縮小している。労働組合は、コモンアプローチ枠組みに加わっていない非OECD加盟国との競争に特に不安を感じている。これは、OECD加盟国が世界経済再生に向けた政策の調整に、より懸命に取り組む必要があることを強調している。
特にパンデミックが続く中で、人権デューデリジェンスを強化し、労働組合やその他のNGOを関与させる必要もある。労働者は、企業や産業、サプライチェーンで悪影響を及ぼす環境違反や人権侵害を確認、監視、通報および是正する、最も効果的な手段となることができる。