全世界の原子力労働者が福島災害を記念
2021-04-01
【JCM記事要約】
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2021年4月1日:2011年3月11日、マグニチュード9.0の東日本大震災と東北を襲った津波で、2万5000人の死者・行方不明者が出た。原子力・エネルギー部門の組合指導者が3月30日にオンライン会合を開き、福島災害10周年を記念した。
インダストリオール原子力部門副共同議長を務めるウクライナAtomprofspilkaのバレリー・マトフ会長が開会の挨拶に立ち、次のように述べた。
「原子力労働者の優先課題や環境問題について議論し、間違いから学び、そのような悲劇を予防して原子力発電所の労働者と周辺住人を保護するために技術を利用することが非常に重要だ」
第一原子炉で放射能漏れが検出されたとき、16万人もの住民が避難した。15メートルの津波が発電所を襲ったとき、冷却装置は機能しなくなった。
過去10年間、日本の原子力労働者は最前線で復旧作業を行い、原子炉から燃料残留物を除去し、汚染水を浄化し、汚染された地面のセメント接合を監視した。
全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)と日本労働組合総連合会(連合)はボランティアを派遣し、地域の復旧作業に参加させてきた。
東京電力ホールディングス(東電)は防災措置を強化した。津波を食い止めるために高さ22メートルの堤防を建設し、バックアップ電源として離れた場所に発電機を設置し、地震や竜巻、水素爆発、テロ攻撃を緩和するために各種の施設を導入している。
坂田幸治電力総連会長は言う。
「国際社会からの励みになるメッセージと寄付に感謝している。福島の原子力労働者は廃炉作業にあたり、特に保管能力を超えた処理水の処分に関連して、大きな課題に直面している。この点で支援が必要だ」
福島災害によって、すべての国々の原子力戦略が様変わりした。スペイン、フランス、トルコ、ベルギー、英国およびウクライナの労働組合員75人が、安全対策の改善を称賛し、ヨーロッパの原子力発電所事業者が原子炉事故を防止するための努力を強化していることを報告した。ウクライナの事業者は、すべての原子炉のストレステストを実施している。
ヨーロッパの原子力労働者は、原子力発電所の廃炉をめぐって政府および一般大衆に関与している。ヨーロッパ諸国が再生可能エネルギーに向かう中で、原子力労働者は雇用喪失の影響を和らげるために公正な移行を要求した。
インダストリオール・エネルギー担当部長のダイアナ・ジュンケラ・キュリエルは次のように述べた
「再生可能エネルギーに多額の投資が行われてはいるが、エネルギー安全保障を確保できるエネルギーミックスが必要だ。原子力の廃止を決定した国は、原子力労働者の未来を提供するために、適切なエネルギー公正移行計画を導入しなければならない」
各国政府は、原子力発電所を遠隔地に建設することを考慮する必要がある。政府は、原子力発電所を閉鎖、廃炉、解体するには工業化に投資しなければならず、それは市場と政府自体によって示される。
「インダストリオールは、エネルギー・鉱業・機械部門の公正な移行に関する具体的な勧告に取り組んでいる。労働者に今日していることをやめるよう求めるには、明日何をするかを話さなければならない」とケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。