バッテリーサプライチェーンの組織化
2021-07-12
【JCM記事要約】
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2021年7月12日:労働者の権利の侵害と低い組合組織率に加えて、今後10年間にバッテリー需要の増加が予想されることを踏まえ、インダストリオールと加盟組織は、サプライチェーンの労働者のための戦略策定に着手している。
インダストリオール加盟組織は6月28〜29日にワークショップに参加し、バッテリーサプライチェーン戦略を策定するための今後の措置をめぐり討議した。
「鉱山に始まり、化学産業での精製を経てバッテリーの包装、最終用途に至るバッテリーサプライチェーンで、私たちの影響力を利用する必要がある」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記次長は述べた。
「できる限り最善の方法で影響力を用いる必要があり、加盟組織の積極的な関与が必要だ」
電気自動車への需要が急増しているため、このプロジェクトは自動車産業に焦点を当てる。組合組織率は多くの自動車メーカーでは高いが、サプライチェーンでは低下し、最終製品部門ではさらに低い。インダストリオールのグローバル・ネットワークは活動の中核を成し、サプライチェーンでさまざまな部門別ネットワークの協力を強化する。
法律が重要な役割を果たしており、いくつかのヨーロッパ諸国で新しいデューデリジェンス法が導入されている。この法律は、政府と一般大衆にとっての透明性を高め、労働者が抗議する余地を与えている。OECDのデューデリジェンス指針・原則は、サプライチェーンで影響を及ぼすために重要である。ベルギーからの参加者が会合で、自分たちの組合は組合員のデューデリジェンス訓練を開始しており、デューデリジェンスの成果から十分に利益を得られるようにしていると話した。
バッテリーサプライチェーンは地下でのバッテリー原料採掘に始まり、地上に出ると女性労働者数が増える。労働組合は、ジェンダーに基づく暴力をはじめとするジェンダー問題がデューデリジェンス・プロセスで明白に調査され、企業によって取り組まれるようにするうえで果たすべき重要な役割を担っている。
この2日間の会合は、バッテリーサプライチェーンに関するFES出資プロジェクトの開始に備えるための重要な一歩であった。これはインダストリオールが労働組合活動を強化するために企業、NGO、他のステークホルダーと協力するパイロット・プロジェクトである。バッテリーサプライチェーンは最も急速に成長しているサプライチェーンで、需要が供給よりも大きく伸びている。プロジェクトの目的は、このサプライチェーンの仕組みを理解し、組織化を促進し、サプライチェーンの労働条件を改善することである。
「バッテリーを推進しようとする政治的意志は強く、バッテリーサプライチェーンの価値は莫大だ。この価値を分配するために、世界中の人々に現状を伝えるためのサプライチェーン政策が必要だ。このプロジェクトを成功させるには、加盟組織を関与させ、サプライチェーンの精査やサプライチェーンにおける私たちの影響力の行使を支援してもらう必要がある」とアトレ・ホイエは述べた。
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