インダストリオール、インド政府に安全上の危機への取り組みを要求
2021-07-08
【JCM記事要約】
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2021年7月8日:インダストリオール・グローバルユニオンとインドの加盟組織は7月7日にオンライン記者会見を開き、COVID-19が原因で労働災害と労働者の死亡事故が増えていることを強調、労働安全衛生を改善するための緊急対策を取るよう政府に求めた。
2020年5月から2021年6月までに全国の化学・鉱業部門で、およそ116件の労働災害が発生し、235人の労働者が死亡したと考えられる。2020年5月のCOVID-19ロックダウン後に産業活動が再開してから、インドでは一連の労働災害が発生している。
これらの統計値は、主流メディアの報道とインダストリオール加盟組織が報告した事故をまとめたものである。実際の事故・死亡件数ははるかに多いかもしれない。
COVID-19でも大勢の労働者が死亡しており、職場で感染した者もいる。採炭、鉄鋼およびセメント会社をはじめとする製造業部門では、COVID-19により、32の工業施設で1857人の労働者が亡くなった。
記者会見での発言者たちは、大量の未熟練労働者の利用、貧弱な安全性検査システム、安全手順と安全意識の不十分さ、不適切なリスク評価と対応、緊急対応手順の軽視と破綻が事故の影響を悪化させている、と強調した。
「インドの産業における殺人は減ることなく続いている。インドは労働者の権利低下の実験室になっており、これは労働安全衛生上の危機に表れている。労働者の命を危険にさらすようなことは絶対に許さない。COVID-19パンデミックで、安全衛生は労働者の基本的権利の一部になった」
「政府・使用者が労働者および労働組合と全面的に提携し、安全衛生政策を策定・実施するよう求める」とケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は述べた。
「労働災害が増え続けており、私たちは過去の経験から学んでいない。インド政府は専門家委員会を設置し、労働災害を分析して根本的な原因と犯されたミスを確認すべきだ」
「安全対策を改善し、何としても労働者の命を守らなければならない。政府と使用者は労働者の健康を守る責任を負い、安全上の危機に直ちに対処すべきだ。先ごろ可決された2019年労働安全衛生・労働条件法は、労働組合の懸念に十分取り組んでいない。この法律は適用対象を制限しており、不安定労働者など非常に大きな労働者グループを除外している。組合と協力して政策を考案し、労働者の安全衛生を確保するために現行法を強化しなければならない」とINTUC会長のサンジバ・レディー博士は述べた。
インダストリオール執行委員のサンジャイ・バダブカールSMEFI書記長はこう述べた。
「COVID-19で大勢の労働者が亡くなっていることに加えて、頻繁な死亡事故が製造業部門の労働者にとって深刻な懸念となっている。中央政府と州政府は直ちに安全性検査システムを強化し、適切な調査を行い、事故調査報告を公表し、公の協議を実施し、安全対策の改善に労働組合を関与させ、職場で労働者の命を守るべきだ」
この記者会見はインドのメディアで広く報道された。