インドの鉄鋼労働者が賃金めぐりスト
2021-07-01
【JCM記事要約】
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2021年7月1日:公共部門工場のインド鉄鋼公社(SAIL)とラシュトリヤ・イスパット・ニガム社(RINL)で、15万人を超える労働者が6月30日、賃金をめぐる行き詰まりを打開するための交渉の決裂を受けてストに入った。
労働組合が6日以上も誠実に取り組んだにもかかわらず、賃金やその他の問題に関する交渉が決裂したため、公共部門の鉄鋼労働者がストに入った。賃金改訂は2017年12月から保留となっている。
労働協約は通常、全国鉄鋼合同委員会(NJCS)が5年ごとに改訂する。NJCSはSAIL経営陣とインドの中央労働組合連盟5団体で構成され、インダストリオール加盟組織のSMEFI(HMS)とINMF(INTUC)も加わっている。しかし今回、経営側は交渉プロセスを遅らせ、ごくわずかな賃金改訂しか提示しなかった。
組合側の共同要求は以下のとおり。
- 常用・契約両労働者のまともな賃金改訂
- 年金制度への使用者拠出の増額
- 労働者がCOVIDで死亡した場合のCOVID補償金と適切な家族の特別雇用
- ビライおよびボカロ鉄鋼工場における労働者の停職の取り消し
- SAILとRINLの民営化中止
インド鉄鋼・金属・機械労連(SMEFI)書記長でインダストリオール執行委員のサンジャイ・バダブカールは言う。
「私は過去15年間NJCSの中心メンバーとして活動してきたが、SAIL経営陣がこのような受身的行動を取り、長年先延ばしにされてきた賃金改訂をめぐる労働者の真の要求に取り組まなかったことはめったにない。労働者はパンデミック下で働き続けており、同社は多額の利益を計上している。だが経営側は、不安定労働者を含む鉄鋼労働者の権利と利益を軽視し、徐々に減らしている」
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。
「私たちは鉄鋼労働者と連帯しており、政府と経営側の両方に対し、労働者の要求に対する態度を変えるよう促している。COVIDで数百人の鉄鋼労働者が亡くなり、家族を失った人も大勢いることを深く憂慮している。SAILおよびRINL経営陣は、直ちに組合との建設的な社会的対話を確立し、長く先延ばしにされてきた真の要求に具体的に対応すべきだ」
SAILは世界有数の公共部門製鉄会社であり、5つの一貫鉄鋼工場(ルールケーラー、ドゥルガプル、ビライ、ボカロ、バーンプール)、3つの特殊工場(セイラム、ドゥルガプル、バドラバティ)、1つの合金鉄工場(チャンドラプル)、約20の炭鉱・鉄鉱石鉱山を所有している。RINLはビシャカパトナムに主要鉄鋼工場がある。