南アジアの組合、第190号条約批准キャンペーンを強化へ
2021-10-07
【JCM記事要約】
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2021年10月7日:南アジアの労働組合指導者約80人がウェビナーに出席し、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントをめぐり討議するとともに、共同キャンペーンの計画を立てた。
研究者のジェーン・ピリンジャーが、ジェンダーに基づく暴力に関する研究の所見を発表した。女性中心の労働力、不安定な雇用契約で働く若者と移民の多さ、低い組合組織率、不十分な法律の実施が、衣料部門のジェンダーに基づく暴力の主たる危険因子である。
ICT電子・電機部門も、この問題に対する意識の低さや、最小限の支援しか受けていないことに加えて、衣料部門と同じリスクを抱えている。
ジェーン・ピリンジャーは最初の結論として、社会的対話と、女性指導者が組合にもたらすプラスの効果が、この問題を明るみに出すうえで重要な役割を果たすと述べた。人を奮い立たせる何人かの女性が道を切り開いてはいるが、組合はこの問題の重大性を認識し、組合活動と団体交渉に組み込む必要がある。また、ジェンダーに基づく暴力に関する職場方針を導入し、監視する必要もある。
ケニア金属合同労組書記長でインダストリオール・グローバルユニオン執行委員のローズ・オマモがウェビナーに招かれ、この条約を批准したナミビア、モーリシャスおよびソマリアで労働組合が主導的な役割を果たしたと述べた。
「私はいつも第190号条約のことを考えており、交渉プロセスに加わった。この条約を批准・実施し、特に女性・若年労働者が保護され、安全で安心な職場を確保できるよう保証することは、自分の責任だと感じている」
ローズ・オマモは、すべての組合がすべての会合や行事で、「セクシャル・ハラスメントは職場でも組合でもあってはならない」と誓約することを奨励した。
特に彼女は、殺害されたエネルギー労働者のために正義を要求する南アフリカNUMSAのキャンペーンや、時代遅れの政策が刷新されたザンビアとジンバブエのジェンダー監査、セクシャル・ハラスメント調査ツールの公式化、すべてのジェンダーに基づく暴力事件と問題を調べるジンバブエとケニアの若い男女グループにおけるジェンダー擁護者の確立などに触れた。
組合指導者は、条約の批准だけではなく、職場と組合で暴力やハラスメントに取り組むためにも、共同行動が必要であることについて合意した。
「南アジアでは女性に対する暴力やハラスメントが多発しているため、組合が国家レベルと地域レベルでともにこの問題を取り上げ、11月25日に始まる『女性に対する暴力に反対する16日間の活動』をめぐるキャンペーン活動を拡大してほしい」とアプールヴァ・カイワール・インダストリオール地域事務所所長は述べた。
討議では、いくつかの重要な問題が強調された。これは男性の問題であり、組合はそれに取り組んで仕事の世界に影響を与える必要がある。組合指導者は、非常用・契約労働者を含む全労働者に接触するために、意識向上キャンペーンを加速させることに合意した。男性優位の部門も含めて、組合への女性参画拡大に向けて努力すべきである。
「これは女性の問題ではなく男性の問題だ。男性が加害者なのだから。そして、これは地域の問題ではなく、世界中で起こっている。鉱業、衣料およびICT電機・電子部門の訓練にツールキットを使う予定だ。全員に対し、インダストリオールが計画するキャンペーン・訓練活動に積極的に参加するとともに、現地レベル・全国レベルで役目を果たすよう求める」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は述べた。