ジョン・ディアの歴史的ストが2週目に突入
2021-10-19
【JCM記事要約】
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2021年10月19日:米国アイオワ、イリノイおよびカンザス各州の14のジョン・ディア工場で1万人の労働者が、35年ぶりにストに入っている。
このストは、労働者が10月10日に6年契約案を拒絶したあと、10月13日水曜日の深夜に始まった。ジョン・ディアは、ほとんどの労働者に時給1ドル相当のインフレ率に満たない賃上げ案を提示し、この世界最大の農機具会社が記録的利益を上げている時期に新規採用者の年金を廃止した。経営層は、この展開から利益を得た。ジョン・ディアCEOのジョン・C・メイは2020年に1560万ドルの収入を手にした。
組合員は、労働者がパンデミック下で会社のために数十億ドルの利益を上げたのに、ジョン・ディアの提示は侮辱だったと言う。ストライキ中の労働者が着ている人気のTシャツには、こう書いてあった。
「2020年に必要不可欠と認定、2021年にそれを証明せよ。在宅勤務では作れない」
インダストリオール執行委員を務めるレイ・カリーUAW会長は述べた。
「ジョン・ディアのUAW組合員は、会社が労働者を必要不可欠とみなしたあと、パンデミックを通して働き、アメリカに食料を供給し、アメリカを建設し、アメリカの経済を動かす設備を生産してきた。これらの必要不可欠なUAW労働者は、ピケラインで団結した力強い組合の発言力を通して、この場所と全国の勤労者世帯のために全国で変化を生むことができることを、私たち全員に示している」
会社はホワイトカラー労働者をスト破りとして利用することによって生産を維持しようとしており、時々悲惨な結果を招いている。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長はカリー会長に書簡を送り、次のように述べた。
「インダストリオール・グローバルユニオンは、イリノイ、アイオワ、カンザスの14施設の1万人を超えるUAWジョン・ディア組合員を一致して支持します。ジョン・ディアの労働者が『人並みに暮らし、尊厳を持って退職後の生活を送り、公正な就業規則を確立する』という貴組合の要求を支持します」
「私たちはジョン・ディアに対し、UAW組合員の正当な要求を十分に考慮するとともに、パンデミック全体を通して必要不可欠な農業・建設・エネルギー設備を生産している労働者の重要な貢献と専心を認め、特に賃上げと退職金増額に関する公正な労働協約の取り決めに合意するよう求めます」
「さらにインダストリオールは、同社経営陣と加盟組織UAWとの社会的対話と交渉を弱体化させるために、スト破りを利用しようとする同社の行動を厳しく非難します」
アナリストは今回のストを、パンデミック下で大きな犠牲を払った最前線の必要不可欠な生産労働者による反乱の一部と見ている。ジョン・ディアのストは、米国の多種多様な部門を激しく吹き荒れている(メディアが「Striketober」と呼ぶ)前例のない争議行為の波の一部である。
組合活動家は、1981年にロナルド・レーガンが航空交通管制官によるストを打ち破ってから衰退している米国労働運動にとって、このストが転機となることを期待している。1980年代には、新規採用者の条件を引き下げる二重契約が導入された。労働闘争は、多くの人々が仕事の心配をした2008年の金融危機後、過去最低の水準に落ち込んだ。
しかし、パンデミック下で犠牲を払った労働者が、新しい契約を求める兆候が高まっている。
画像:ヨナ・ファーマン