キャタピラー・グローバル組合ネットワーク、グローバルな連帯を強化
2021-11-08
【JCM記事要約】
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2021年11月8日:多国籍企業の労働者の間で強力なネットワークを構築し、交流や支援の場を提供することは、労働者の力の構築に必要不可欠である。キャタピラー・グローバル組合ネットワークがオンライン会合を開き、グリーンテクノロジーとデジタル化に向けた団体交渉と産業開発を議論した。
11月3日、オーストラリア、日本、ヨーロッパ、ブラジル、アメリカから約50人の労働組合代表が集まり、キャタピラー・グローバル組合ネットワークの一環として会合を開いた。この米国系巨大企業には、世界中の事業で組合や労働者、そして対話をすることにも反対する行動を取ってきた過去がある。同時に、グローバル組合ネットワークもますます成熟しており、米国本社経営陣の決定の影響を受ける国々で同僚に連帯を表明することによって、同社の態度に対抗する態勢を整えている。
「キャタピラーはアメリカ、ドイツおよび全世界で従業員に対して無礼な扱いをしている。しかし、私たちは抵抗する。キャタピラー・ネットワークは労働者の代弁機関となり、労働者の意見が聞き入れられるようにする。連帯が効果を上げ、同社は対話を避け続ければ結局は高い代償を払うことになるだろう」とマティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング担当部長は述べた。
参加者はさまざまな国の団体交渉と労働条件について討議し、経営陣の態度が国によって異なることが特に関心の的になった。例えば日本の経営陣は、ドイツの経営陣より礼儀正しく振る舞う。また、ボーナスのような各種の特別報酬制度についても比較して議論が行われた。そして参加者は、交渉の要求内容や結果を共有することについても合意した。
キャタピラーは、他の多くの同業他社と同様に大きな需要があり、生産も順調である。
しかし、経営陣は短期利益予想で動かされることが多く、理解に苦しむ決定を下す。キャタピラーは、船舶エンジンや発電装置の市場が有望であるというのに、これらの設備を設計・生産するドイツ北部の4つの生産現場の閉鎖を決定した。そして米国経営陣は、組合との情報交換や協議もないまま7分間のオンライン会合で、サプライヤーと下請会社の数千人に加えてキャタピラーで950人の雇用を大幅削減するという決定を発表した。
インダストリオール加盟組織IGメタルは、雇用を求めて闘うためにキャンペーンを開始し、政治家やサプライヤー企業、顧客を討議に引き込み、デモを行っている。そして、ネットワークはドイツの労働者に連帯を表明した。引き続き彼らの闘いを支援していく。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長はこう述べた。
「キャタピラーは最悪の種類の企業欲を示し続けている。毎年、何百人もの雇用が脅かされる事件がある。昨年は北アイルランド、今年はドイツだ。ドイツIGメタルの同志は尊厳と雇用と未来を求めて闘っている。グローバル組合ネットワークは今後とも連帯を表明する。ドイツの闘いは、すべての労働者の闘いでもある。闘いは続く!」