ジョン・ディア・グローバル組合ネットワーク、社会的対話の未来めぐり討議
2021-11-08
【JCM記事要約】
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2021年11月8日:ヨーロッパ、ブラジル、米国のジョン・ディア事業の労働組合代表30人が11月2日にオンライン会合を開き、全世界の同社の経済状態と団体交渉状況について議論し、同社との将来の社会的対話に関する共同戦略を策定した。参加者は、アメリカ全般、特に同社の労働協約紛争とストライキに関する最新ニュースに熱心に耳を傾けた。
アメリカではジョン・ディア工場の労働者1万人が、10月中旬からストを実施している。この35年ぶりのストが始まったのは、ジョン・ディアが大部分の労働者に時給1米ドル相当のインフレ率に満たない賃上げ案を提示し、この世界最大の農機具会社が記録的利益を上げている時期に新規採用者の年金を廃止したときである。
アメリカの加盟組織UAWのチャック・ブラウニング副会長がオープニングスピーチで、スト中の労働者へのインダストリオール、ブラジルおよび欧州従業員代表委員会(EWC)からの連帯と支援の重要性を強調した。
「ジョン・ディアのUAW組合員は、会社が労働者を必要不可欠とみなしたあと、パンデミックを通して働き、アメリカに食料を供給し、アメリカを建設し、アメリカの経済を動かす設備を生産してきた。ジョン・ディアは企業として順調であり、労働者は米国だけでなく他の国々でも自分たちの取り分を求めている」
「このネットワークは、多国籍企業におけるネットワーク構築が意味するもの――さまざまな国の労働者間の交流や支援、連帯を示している。ストが続いている場所で行われるはずの仕事を奪うことによって、同志を不意討ちにしてはならない」とマティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング担当部長は述べた。
「ジョン・ディアのような成功した企業は、敬意をもって労働者を扱わなければならない。私たちは変化する世界に生きている――使用者は自分たちが熟練労働者に依存していることを理解する必要がある。デジタル化と機械エンジニアリングの『グリーン化』は、労働者の関与なしには達成できない課題だ」
ネットワークは、世界中の団体交渉やEWC内部の新しい組織機構についても議論。今後は経済情勢や団体交渉についても情報を交換することによって、すべてのメンバーに絶えず事態の展開を知らせることに合意した。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長はこう述べた。
「ディア・アンド・カンパニーは、効率的な連帯機構として完全に機能している。ネットワーク参加者は、正当な闘いで同志を支援する素晴らしい実例を示した。同社は組織労働者の声を聞かなければならない。労働者・労働組合の基本的権利を尊重し、労働者と組合の集団としての声を承認することは、有意義な対話の基礎だ」