ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァでアルセロール・ミッタル工場労働者が決起
2021-11-19
【JCM記事要約】
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2021年11月19日:ゼニツァのアルセロール・ミッタル工場労働者の新しい労働協約が、数カ月に及ぶ長く困難な交渉の末、ついに締結された。この協約は、組合がストを指示するわずか24時間前に締結された。紛争はスト発表の2日前に山場を迎え、経営陣は世論を労働者に反発させようとし、ストの波及効果でゼニツァ市の暖房を保証できなくなると述べた。
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織SMFBIHとゼニツァのアルセロール・ミッタル工場の傘下金属労組は、7カ月に及ぶ骨の折れる交渉を経て新労働協約に署名した。
インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は労働者との連帯を誓い、ゼニツァの同社経営陣に共同書簡を送付、誠実な交渉を求めるとともに組合の要求とスト権を支持した。
この労働協約は2023年5月まで有効で、夜勤手当、休日手当、工場から3km以内に住む労働者の交通費、13カ月目の給料の増額により、労働者は収入が平均17%増える。
ゼニツァのアルセロール・ミッタル工場のZuhdija Kapetanovic金属労組会長は次のように言及。
「ここに至るまでに交渉を重ね、ストを組織するという実に厳しい時期を経てきた。労働組合によるストの実施を厳しく制限する法律がある。ほんのわずかな手続き上の誤りがあっただけで、差止命令を受けたり、労働者が解雇されたりするだけでなく、使用者が数百万ドルの損害賠償を請求することもある。使用者はこれを知り尽くしており、あらゆる方法で私たちの活動を難しくしようとした。しかし、その企みは失敗した。同時に、私たちは労働者の団結を維持するために積極的に取り組んだ。力を合わせて恐怖心とあらゆる圧力を克服した。要求の実現に成功し、2023年5月までゼニツァのアルセロール・ミッタルで社会的平和を保証する新しい労働協約を達成した。労働者は働き続けることができて喜んでいる!」
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は次のように言及。
「労働者たちはロックダウン中にさえ、決して働くことをやめなかった。コロナウイルスに感染した8人の労働者が悲惨な死を遂げたときでさえ、命がけで職務を果たした。この『危機』にもかかわらず、ゼニツァのアルセロール・ミッタルにとって2020年は前年より好調な1年だった。労働者は自分たちが生み出した利益の公正な分け前を受け取ってしかるべきだ」
リュック・トライアングル・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合書記長は次のように言及。
「ゼニツァのアルセロール・ミッタル労働者は、最も危険な労働条件で職務を遂行し、数億ボスニア・ヘルツェゴビナ兌換マルク相当の生産に責任を負っている。多くの労働者は、とにかく家族の生活を確保できるようにするために、空いた時間に1つ、場合によっては2つの副業を掛け持ちしなければならない」
同労組の労働者は、適正な賃金の要求にあたって断固たる態度で臨む決意を固め、脅威にさらされてもあきらめなかった。インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、団体交渉の成功に関して加盟組織SMFBIHを祝福する。この成功は、団結した組織労働者がはるかに多くの成果を達成できることを改めて示している。
写真提供:©peterscherrer