広報ニュース

第141号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年2月4日)

成長するガーナの自動車部門で組織化が加速

2021-12-23

【JCM記事要約】

  • 近年ガーナでは新しい自動車組立工場が稼働し多くの雇用を創出しており、産業・商業労組(ICU)は組織化に力を入れ、企業に団体交渉や社会的対話への関与と安全衛生基準の遵守を求めている。
  • インダストリオール・サハラ以南地域事務所・ポール所長は、成長が見込まれるガーナの自動車部門では組織化の強化が必要であり、多くの労働者を動員することで労働条件の改善がより実現しやすくなる、とした。

 

2021年12月23日:ガーナで新しい自動車組立工場がいくつか稼働しており、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の産業・商業労組(ICU)は、この部門で労働者の勧誘と組織化に力を入れている。
                                                      

今年、トヨタとフォルクスワーゲンの工場が開設され、後者は年間最大2万台を生産すると予想される。

同労組は、部品販売会社を含む自動車会社で1,982人の労働者を組織化している。そのうち女性はわずか154人で、同労組は自動車産業に対し、採用方針にジェンダー平等を導入するよう求めている。

ICUは、この部門の労働者が生活賃金を支払われるようにすると述べており、企業に団体交渉や社会的対話への関与と、より良い安全衛生基準(COVID-19プロトコルを含む)の遵守を求めている。さらに同労組は企業に対し、ガーナ人労働者の技能を向上させる自動化への投資を求めている。同労組はケニア、ナミビア、南アフリカの組合が加わっているVWネットワークと、VW欧州従業員代表委員会にも加入している。ネットワークの目的の1つは、VW労働者のディーセント・ワーク促進である。

モーガン・アヤウィンICU書記長は次のように言及した。

「重要なことに、VWガーナには労働協約があり、所得が最低賃金を上回っている。組合員は、社会保障など労働法に定めるすべての法定給付を受給できる。さらにICUは、特に無料または補助金付きの医療など、労働者のために追加給付を取り決めることもできた」

全国三者構成委員会によると、2021年のガーナの最低賃金は1日12.53セディ、月額で301セディ(49米ドル)である。しかしアンカー研究所の推定では、大人2人、子ども2人の家族の生活賃金は約250米ドルである。

自動車部門の成長は、主要自動車メーカーの誘致が目的の産業開発プログラムをはじめとする政府の政策によって支えられている。この政策は、自動車組立・部品製造部門で高度熟練雇用を創出することも目指している。

アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の締結も、国内で組み立てた自動車の近隣諸国への低関税輸出など、ガーナの自動車産業に利益をもたらすとみなされている。サハラ以南アフリカの自動車産業とガーナを含むいくつかのアフリカ諸国政府は、AfCFTAの下で自動車製造ハブ設立の可能性を探っている。

さらにガーナ自動車開発政策(GADP)は、セミノックダウン(SKD)キットと完全ロックダウン(CKD)キットの輸入に、それぞれ5年、10年の免税期間を与えている。工場を建設するための材料や機器の輸入も、関税その他の手数料を免除されている。

「ガーナの自動車部門の成長は、この国で大いに必要とされる雇用を創出しており、ICUはこの成長部門で組織化努力を強化すべきだ。より多くの組合員を勧誘して職場で過半数を達成すれば、同労組はこの部門で適正な労働条件を要求して労働者の権利を促進しやすくなる」とインダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所所長のポール・フランス・ヌデソミンは言及した。

ICUは組合員14万人を擁し、自動車、金属、製紙、印刷、繊維・被服・製靴・皮革などの部門とインフォーマル部門で組織化している。

« 前のニュース  次のニュース »