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第144号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年4月8日)

デュー・ディリジェンス法案の強化を

2022-03-25

【JCM記事要約】

  • 3月24日に、インダストリオール・ヨーロッパ労働組合の企業政策委員会と欧州議会が、企業の持続可能なデュー・ディリジェンスに関する欧州委員会指令案の見直しについて議論を行った。2月に欧州委員会により出されていた指令案は、大企業だけが対象となっているなどの問題があった。
  • インダストリオール・ケマル書記次長は、デュー・ディリジェンスに関する異なった制度や枠組みを組み合わせ、首尾一貫した全体的環境を生み出す必要があり、ビジネスと人権に関する国連条約を強く要求するEUの確固たるコミットメントも重要である、と主張した。

 

2022年3月25日:企業の持続可能なデュー・ディリジェンスに関する欧州委員会指令案は、一歩前進ではあるが期待に沿うものではない。
                                                      

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合の企業政策委員会は3月24日、この指令案の見直しに関して欧州議会の報告者と議論した。

2021年、欧州議会において、企業デュー・ディリジェンスと企業の説明責任に関する欧州議会議員の報告書が圧倒的多数で採択された。この報告書は、ヨーロッパにおける責任ある企業行動の実現について、委員会に広範囲にわたる勧告を行った。勧告には特に、多国籍企業と下請企業による人権・環境基準侵害の防止、監視、報告および是正に関する義務的な規則や、抑止的な制裁と効果的な民事責任メカニズムが盛り込まれていた。

2月に欧州委員会が提示した指令案は大きな前進を意味するが、当初の期待には届いていない。拘束力のある規則の対象となるのは大企業だけで、強制メカニズムは不十分であり、労働組合と労働者代表がデュー・ディリジェンス政策の立案・実施に十分に関与しない。

「もっと多くの企業が指令の対象となり、人権侵害や環境災害の犠牲者が司法制度をよりよく利用できるようにしてほしい」とララ・ウォルタースは述べた。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、多国籍企業の統治方法のパラダイム転換を提言している。すなわち、株主の利益保護だけを目的とする短期の財政的観点から、万人に利益を与える長期の持続可能な戦略的企業管理を支持する観点への移行である。

ジュディス・カートン=ダーリング・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合書記次長は述べた。

「発想を転換し、経営幹部や投資家、株主に最終的に短期的利益よりも人と地球を優先させる必要がある、というララ・ウォルタースの意見を支持する。この新しい考え方は、世界中の企業ならびに上流・下流の下請企業の事業に適用しなければならない」

労働組合は、ヨーロッパで活動する企業が持続可能で公正な社会的責任のある方法で管理され、労働者と労働組合代表が完全に関与するようにする法律を要求し続ける」

戦争のために企業が全世界で代替サプライヤーやビジネスパートナーを探さざるを得なくなっている状況下で、例えばエネルギー部門において、社会権、環境権および人権の最低基準がこれまでになく重要になっている。

デュー・ディリジェンスは欧州だけの問題ではない。ケマル・ウズカン・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は、労働組合がすべての大陸で労働者の基本的権利の遵守と執行を求めて闘っていることを思い出させた。さまざまな種類の手段があり、労働者の基本的権利の侵害から保護され、救済を求め、損害賠償を請求できる見込みには非常にむらがある。

「デュー・デリィジェンスに関して、いくつかの異なる制度や法的枠組みがある。それらを組み合わせ、すべての部門、すべての国々で、すべての労働者のために労働条件を改善する、首尾一貫した全体的環境を生み出す必要がある」

「デュー・ディリジェンスに関する強力な拘束力のあるEU規則だけでなく、まだ採択されていないビジネスと人権に関する国連条約を強く要求するEUの確固たるコミットメントも必要だ」

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