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第146号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年6月2日)

エネルギー部門の公正な移行イニシアティブ開始

2022-04-07

【JCM記事要約】

  • 4月7日、インダストリオールと国際労働組合総連合(ITUC)とLOノルウェーはエネルギー部門の公正な移行イニシアティブを開始するための会合を開き、32か国の組合から121人が参加し情報共有を行った。今回のイニシアティブの取り組みでは、新エネルギー分野における組織化の重要性を訴え、石油・ガス会社と労働組合のディーセントな雇用と公正な移行に関するグローバル協定の締結へ向け貢献することとなる。
  • インダストリオール・アトレ書記長は、今回のパートナーシップの目的の1つは、国連の後援で多国籍企業との公正な移行協定を策定することであり、グローバル協定は世界のエネルギー労働者にとって強力な手段になる可能性がある、とイニシアティブへの期待を述べた。

 

2022年4月7日:国際労働組合総連合(ITUC)とLOノルウェー、インダストリオール・グローバルユニオンは4月7日、エネルギー部門の公正な移行イニシアティブを開始するために初会合を開いた。
                                                      

32カ国の組合から121人が参加し、エネルギー部門の公正な移行イニシアティブの開始にあたって情報を交換した。組合はこのイニシアティブへの強い支持を表明し、各国における公正な移行の進展と組合による関与の欠如をめぐる懸念に取り組むことがタイムリーかつ重要であるとの考えを示した。

「強力な労働運動が必要だ。私たちが公正な移行を管理できなければ、労働者は立ち往生したままになってしまう。移行しなければ地球が安定した将来のために自力で修復できなくなる期限がある」

「他方、化石燃料以外のエネルギー源に良質な雇用があり、それらを組織化する必要がある。気候行動への投資が雇用をもたらすことは分かっているが、それらを良質な雇用にする必要がある。そして、それは組織化を意味する」とシャラン・バロウITUC書記長は述べた。

エネルギー部門は国家・地域経済で重要な役割を果たしている。国内・国際エネルギー企業は、これまで数百万人の組織化された直接雇用を提供してきた。エネルギー部門の収益は州・地域・国家予算にとって重要である。

ぺギー・ヘッセン・フォルスビクLOノルウェー会長が、ノルウェーでは、石油産業は過去50年にわたって最重要産業の1つだと説明した。国家収入の22%を占め、22万人以上の労働者を雇用している。

移行は困難を伴うが、不可能ではない。

「労働組合はパリ協定を支持しており、私たちは雇用が意外に早くシフトするかもしれないことを理解している。この部門の労働者のために公正な移行を確保することは重要な任務だ」とフォルスビクは続けた。

政治紛争や不安の高まり、戦略的競争、安全保障上の脅威を受けて、多くの国々がエネルギーシステムを再評価し、化石燃料の輸入から、あらゆる形態のクリーンエネルギー拡大の加速に移行している。エネルギー安全保障は気候問題と相まって、クリーンエネルギーならびに安全な国内のサプライチェーンの開発努力を加速させている。

大国はクリーンエネルギー転換技術への投資計画を立てているが、これらのテクノロジーへの移行が良質な雇用を維持・創出する保証はない、と組合は主張した。

参加者は、企業が一方的にエネルギー転換に投資していること、労働者がこのプロセスから締め出されていること、企業がパリ協定に定めるコミットメントの達成に十分な投資をしていないことも明らかにした。

労働組合は、現在までのエネルギー企業による取り組みに満足していない。既存の団体交渉、気候目標設定、責任ある企業イニシアティブは、この部門で十分な結果を達成していない。

今日のイニシアティブ開始には2つの取り組みが含まれている。最初の取り組みでは、雇用の実態を知るためにテクノロジーや各国の事例を調べる。組合と専門家が、水素やCCS、海上風力その他の再生可能エネルギー、代替燃料、エネルギーサービスといったテクノロジーについて、雇用や技能、市場、投資、排出に関する情報を共有する。

第2の取り組みにより、ITUCとLOノルウェー、インダストリオールは、石油・ガスをはじめとするエネルギー部門の公正な移行に焦点を当てた国連主導の新しい政労使プロセスの可能性を探る予定である。この取り組みは、石油・ガス会社と労働組合のディーセントな雇用と公正な移行に関するグローバル協定を締結し、実施するうえで役立つだろう。成功すれば、グローバル・ユニオンは対象を広げて他のエネルギー企業や工業会社も含める計画を立てている。

「今日開始されたパートナーシップの目的の1つは、国連の後援で多国籍企業との公正な移行協定を策定することだ。この協定は世界のエネルギー労働者にとって強力な手段になる可能性がある。労働組合は議論に参加する必要があり、社会はこの討議における労働組合の必要性を認めなければならない。このイニシアティブがどこまで成果を上げることができるか、とても楽しみだ」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は述べた。

                   

 

 

 

 

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