鉄鋼労働者が戦時下の連帯を表明
2022-04-12
【JCM記事要約】
|
2022年4月12日:ドイツとベルギーの鉄鋼労働者は、クリボイログのアルセロール・ミッタル工場をロシアの攻撃から守っているウクライナの鉄鋼労働者に、援助輸送隊を送っている。
ウクライナ東部クリボイログのアルセロール・ミッタル工場は世界有数の鉄鋼工場で、鉄鉱石の採掘・加工と鉄鋼生産を含む統合プロセスで2万4000人の労働者を雇用している。この工場は、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のウクライナ金属・鉱山労組が組織化している。
2月24日のロシアによるウクライナ侵攻直後に、ロシアの部隊はクリボイログ10キロ圏内まで進軍した。同社経営陣(その多くが外国人)はポーランドに避難し、現地の管理者と組合・労働者に事業の保護を任せた。
電力供給が途絶えれば鉱山労働者が地下に閉じ込められる恐れがあるため、採掘作業が真っ先に中止された。さらに3月3日、労働者たちは溶鉱炉を慎重に閉鎖し(安全に行うには7〜10日を要する複雑なプロセス)、対戦車防御を構築し、シェルターを建設した。
日ごろから空襲警報が鳴り響き、現場近くに爆弾が落ちているにもかかわらず、労働組合活動家はその場に残り、軍隊や領土防衛軍、病院、労働者への救援活動を調整したり、女性や子どもの避難を手助けしたりした。1600人近い労働者が領土防衛軍に召集され、緊急に保護具を見つけなければならなかった。
工場の組合指導者ナタリア・マリニュクは他国の鉄鋼労働者に情熱的に呼びかけ、政治的支援と人道的援助を求めて次のように述べた。
「ウクライナ国民は、この恐ろしい日々に皆様方がウクライナの側に立ってくれたことを心から感謝している。多くの方々が平和のためのデモに加わり、プーチンがウクライナとその国民に仕掛けた戦争の終結を要求した。皆様方の行動のおかげで、躊躇している国々の政府はロシアに対して措置を講じ、制裁を科さざるを得なくなっている」
彼女は必要とされる不可欠な人道援助物資を列挙した。
独ブレーメンのアルセロール・ミッタル工場の労働者は、所属組合のIGメタルを通して真っ先に反応し、薬や防寒服、寝袋、消火器、発電機の輸送隊をポーランドとの国境に送り、そこでウクライナの人々が物資を受け取った。
ブレーメン工場は4月上旬に2回目の物資を発送した。ベルギーのヘントにあるアルセロール・ミッタル工場のACV Puls労組の組合員も出荷を計画している。
3月末には、ロシア軍は工場から約70キロの場所まで撃退されていた。危険な状況は続いているものの、同労組は、市の経済基盤を維持するために生産を再開すべきだと強く主張した。4月2日、第6溶鉱炉の再開作業が始まった。4月9日に溶鉱炉への送風が行われ、現在では銑鉄を生産して鉄鋼を製造することができる。同労組は、経営側が亡命から戻って工場を運営するよう要求した。黒海の港を利用できないので、工場は現在、鉄鋼輸送の難題に直面している。近くで戦闘が続いているため、労働者はまだ不安を感じており、市を去った人々はまだ職場復帰していない。
IGメタルに感謝するクリボイログの組合員
マリニュクは、支援物資を送ってくれた鉄鋼労働者に感謝し、次のように述べた。
「国際連帯援助は、戦時下で当組合にとって極めて重要だ。元気づけて士気を高めてくれるからであり、自国と自由、ヨーロッパの価値観のための闘いにおいて自分たちが孤独ではないと感じさせてくれるからであり、外国の労働組合の素晴らしい同僚たちのおかげで、現在クリボイログとウクライナを守っている従業員に必要なものを届ける機会が得られるからでもある」
ウクライナの組合に支援を
- インダストリオールは、ウクライナの労働組合を支援するために資金を集めている。寄付はここで。
- 直接クリボイログとの組合連帯を手配したいと考える鉄鋼労働者は、現地組合指導者のナタリア・マリニュクを通して調整することができる。