フィリピンの組合、生活賃金を求めて闘争
2022-05-30
【JCM記事要約】
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2022年5月30日:燃料価格が上昇し、実質賃金が低下する中で、フィリピンの組合は生活賃金を求めて闘っており、地域三者賃金生産性委員会(RTWPBs)に嘆願書を提出した。
合同労組(ALU-TUCP)は17のRTWPBのうち12の委員会に嘆願書を提出し、現在日額724フィリピン・ペソ(13.9米ドル)〜1007フィリピン・ペソ(19.3米ドル)の最低賃金の増額を要求した。
エバ・アルコスALU全国副会長は、嘆願書を提出するために全国を回った。
「新しい最低賃金が貧困水準に満たないのは悔しい。その原因は、反組合的な環境、狭い労働協約の対象範囲、COVID-19、物価上昇だ」
「新しい最低賃金率は労働者の必需品予算を増やすが、絶対に十分な額ではない。最低賃金率をベンチマークとして利用し、企業に給料の調整と賃金の歪みの回避を強く要求する必要がある」
フィリピン金属労働者同盟(MWAP)は、日額最低賃金率を全国基準として750フィリピン・ペソ(14.3米ドル)に引き上げるよう要求するために、賃金フォーラムと抗議行動を組織している。
メアリー・アン・カスティーリョMWAP会長が述べた。
「政府は2018年以降、まったく賃上げを承認していない。私たちのわずかな賃金では、物価上昇に対処することができない。新しい最低賃金は、インフレと賃金低下が私たちの生活に与える壊滅的な影響を一時的に和らげるにすぎない」
RTWPBsは5月中旬以降、各地域の新しい最低賃金を発表している。グレーターマニラエリアでは、非農業労働者の日額賃金が537フィリピン・ペソ(10.3米ドル)から570フィリピン・ペソ(10.9米ドル)へと6.1%増えた。その他の地域では、非農業労働者の日額賃金が350フィリピン・ペソ(6.7米ドル)から450フィリピン・ペソ(8.6米ドル)に増額された。
しかし、これらの金額はまだ生活賃金にはほど遠い。フィリピン国家経済開発庁(NEDA)のスポークスパーソンは2018年、5人家族が暮らしていくには4万2000フィリピン・ペソ(月804米ドル、1日26.8米ドル)の世帯収入が必要だと述べた。
岩井伸哉インダストリオール東南アジア地域事務所所長は次のように述べた。
「最低賃金の決定に労働組合を関与させなければならない。最低賃金の決定だけでなく、労働者の生活に関連するすべての問題で社会的対話を確立すべきだ」
写真:E. Tuyay/ILO