北アイルランドでキャタピラー労働者がスト
2022-06-09
【JCM記事要約】
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北アイルランドのキャタピラー工場の労働者が、適正な賃金をめぐって9週間にわたりストを実施している。この米国系機械エンジニアリング大手は莫大な利益を計上しているが、まさにこの富の基礎を築いている労働者は、現在の生活費危機のさなかに暖房と食べ物のどちらかを選ばなければならない状況にある。
現在、イギリスでは生活費上昇率が11.1%に達しており、さらに上がりそうである。キャタピラーは2021年に2.6%、今年は6.4%の昇給を提示したが、インフレ率を下回っており、組合員に圧倒的多数で拒否された。同社は基本的な賃上げを強制的な超過労働の導入に結びつけることも画策している。
インダストリオール加盟組織のユナイト・ザ・ユニオンは、北アイルランドでキャタピラー労働者を代表している。上級組合代表のポーラ・ハーストは言う。
「キャタピラーは賃金を引き下げて労働時間を増やしたがっている。この強制的超過労働モデルを背景に、2020/2021年に労働者700人(時間給制の熟練労働者400人を含む)が解雇された。ユナイトは、基本的な賃上げを強制的な超過労働の導入に結びつけようとするいかなる試みも拒否している。生活費が上昇しており、さらに上昇しそうなことは明白なので、労働者は公正な賃上げを勝ち取るためにストを実施している」
ユナイトは、キャタピラーが組合つぶし戦術を展開し、英国の現場で未熟な代替労働者(事務労働者)を雇って報奨金を支払っていることを理由に、監督当局に苦情を申し立てた。
ユナイトと労使関係局(ACAS)の要請にもかかわらず、同社経営陣は紛争を解決するために同労組と話し合うことを拒否している。
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング担当部長は言う。
「以前に他の国々でもこういうことがあった――キャタピラーは今回も労働者を尊重していない。いつも同じだ。経営陣は労働者の意見を聞かずに決定する」
「キャタピラー経営陣に対し、交渉の場に戻り、賃金・労働条件に関して真の交渉に入るよう強く促す。誠実な団体交渉は一方的な発表ではなく、互いに敬意をもって話し合い、会社だけでなく労働者とその家族のためにもなる妥協点を見つけることを意味する」