ILO、ハイコム・マレーシアによる結社の自由の侵害を裁定
2022-08-23
【JCM記事要約】
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2022年8月23日:ILO結社の自由委員会(CFA)は、マレーシアのハイコム(フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ、三菱のサプライヤー)による組合指導者5人の解雇は結社の自由の侵害であったと結論を下した。
ハイコムは2016年2月、勤務時間後に会社の敷地外で組合のブリーフィングに出席したことを理由に、32人のNUTEAIW組合員を解雇した。労使関係局での調停会合後、27人の労働組合員が復職した。しかし、同社は残り5人の支部組合指導者の復職は拒否した。
インダストリオール・グローバルユニオンと全国輸送機器・関連産業労組(NUTEAIW)は、国内のあらゆる法的手段を尽くしたあと、2021年5月にILOに苦情を申し立て、マレーシア政府はハイコムの反組合行動の是正を怠ったと強調した。
ILO CFAの最終報告書第399号によると、使用者の行為は脅迫に相当する。ILOはマレーシア政府に、労働者には平和的な会合を開催する権利があり、使用者は組合活動に干渉してはならないと念を押している。ILOは同国政府に対し、組合指導者の復職などの解決策を探るために調停を促進するよう勧めている。
NUTEAIWはILOの決定を歓迎している。
「5人の労働組合員の復職を手助けするために、政府およびハイコムとの会合に出席する用意がある。自動車ブランド各社は国際労働基準を守ると約束しているのだから、この紛争に介入すべきだ。ILOの裁定は、これらの労働組合員が勤務時間後に権利を行使していたことを明らかにしている。ハイコムには、労働者のプライベートな時間や活動を管理する権利はない」とN・ゴパール・クリシュナムNUTEAIW書記長は言う。
「インダストリオールはハイコムに対し、ILO裁定を受け入れて5人の組合指導者を復職させるよう求めている。紛争がさらにエスカレートすれば、ハイコムとブランド各社の信用が国際的に失墜する恐れがある」とケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。