労働者のための公正な移行に関する社会的対話を要求
2022-08-05
【JCM記事要約】
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2022年8月5日:公正な移行に何を期待するかについて労働組合間の合意が生まれようとしており、これは7月29日の公正な移行とエネルギー部門イニシアティブ会合でのオーストラリア、インドネシア、イラク、日本、ニュージーランド、ナイジェリア、南アフリカ、スペインの国別事例研究によって確認されている。
国際労働組合総連合(ITUC)、LOノルウェーおよびインダストリオール・グローバルユニオンの企画によるこのイニシアティブは、各国の事例に関するワークショップを開催し、全世界の組合が石油ガス・バリューチェーンの公正な移行に関する情報を交換する場である。
オーストラリアでは現在、新しい労働党政権が、公正な移行を担当する国家機関の設置を求める組合の要求に同意する可能性がある。エネルギー転換における天然ガスの長期的な役割は、まだ形成段階にある。
前オーストラリア労働組合協議会会長であるシャラン・バロウITUC書記長が述べた。
「新政権に関して楽観視する理由がある。オーストラリアの組合は、このプロセスに加わるようにするためにかなり貢献しており、投資と労働者のための公正な移行に力を入れるよう政府に要求している」
今年のG20主催国であるインドネシアは、2060年までに石炭火力発電を段階的に廃止するためのネットゼロ・ロードマップを策定している。しかし組合は、これらの目標をどうやって達成するか、これらの目標は120万人の採炭労働者にとって何を意味するかについて、明確な計画がないことを懸念している。組合は、この計画を練り上げて石油・天然ガス産業の未来に関する議論を盛り込むために、政労使の社会的対話を求めている。
イラクでは、国内の政情不安が原因で移行計画と投資が停止しており、政府は依然として組合協力に反発している。イラクの電力部門労組の国際書記を務めるハシュメヤ・アルサーダウィは次のように述べた。
「イラクでは再生可能エネルギーが非常に大きな可能性を秘めているが、国中で火力発電が行われている。気候変動と地球温暖化は普遍的な問題であり、イラク政府に世界的な圧力をかける必要がある」
日本の組合が、気候変動に取り組むための国の野心的なロードマップについて報告した。組合と政府が緊密に協力している。電力供給の不足と天然ガス価格の高騰を受けて、政府と組合は太陽エネルギーと原子力の役割を調べている。供給の安全保障を維持するために、日本政府は天然ガスの供給者を探している。
ニュージーランドは、労働者と地域社会のための包括的な公正移行計画に基づき、石油・ガスの海洋掘削の段階的廃止を発表した最初の国である。さらに、2050年までにネットゼロ排出を達成する計画に関して、組合の支持を得ている。しかし、E tuは楽観的である。
「適正な枠組みがあり、多くの明るい進展がある。私たちはまだ学習しているところだ。移行プロセスは完璧ではない……政権交代があった場合、このプロセスにとってそれが何を意味し得るかを私たちは懸念している」とE tuの研究者アイリーナ・フレイレクマンは述べた。
「エネルギー部門の公正な移行は、いかなる労働者も犠牲にしてはならず、人間的側面が重要だ」とアユーバ・ワバITUC会長兼ナイジェリア労働会議議長が述べ、社会的対話、社会的保護、適正で持続可能な雇用、投資および革新が、労働者が世界のどこにいようと真の公正な移行を経験できるようにする鍵だと主張した。ナイジェリアでは、労働組合が国連気候プロセスに対する国の関与の達成をめぐる政労使の社会的対話プロセスに参加しているが、特に議論に加わるために組合に集団で何ができるかについて、もっと多くのことをする必要がある。
ナイジェリアの石油労組NUPENGのアフォラビ・オラワレ書記長が述べた。「ディーセントな雇用なき無条件の移行は支持しない」
多くの再生可能エネルギー雇用を伴うエネルギー転換計画があるにもかかわらず、政府はまだ石油・ガス探査に多額の投資を行っている、と同書記長は説明した。石油・ガス輸出はナイジェリアの国家収入の65%を占めている。石油雇用は直接雇用の5%に満たないが、利用可能なものでは最も質の高い雇用である。
南アフリカでは、COSATUと加盟組織が、石炭エネルギー・バリューチェーン、農業および輸送で、労働者のための公正な移行青写真を策定している。この青写真は、労働者が経済の大転換の議題を推進できるようにするために、組合に政策手段や団体交渉手段などを提供する。政府による最近の発表を受けて、南アフリカの将来のエネルギーミックスについて討議しているところである。再生可能エネルギーが増え、天然ガスの役割が大きくなる可能性がある。
スペインのエネルギー部門の公正な移行戦略は、経済全体のためのより大きな脱炭素化努力の一部である。社会的対話はこのプロセスの大きな部分であり、組合が密接に関与している。組合総連合のCCOOとUGTは、このプロセスの複雑ではあるが前向きなスタートを報告した。まず石炭の段階的な廃止と再生可能エネルギーの迅速な増強に着手し、昨年は範囲を拡大して新規石油・ガス掘削の禁止も導入した。
各国の事例に関する次のワークショップは2022年8月31日に開かれる。