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第173号インダストリオール・ウェブサイトニュース

メンタルヘルス - 安全衛生の重要な一部

2024-04-19

2024年4月19日:仕事とメンタルヘルスは密接に結びついている。多くの人が大半の時間を職場で過ごしているため、職場のメンタル・ヘルスに取り組むことは重要であり、ここで労働組合は重要な役割を担っている。


世界保健機関(WHO)は、メンタルヘルスを「一人ひとりが自己の可能性を実現し、生 活における通常のストレスに対処し、生産的かつ実りある仕事ができ、地域社会に貢献でき る幸福な状態」と定義している。

心理社会的リスクとも呼ばれる職場におけるメンタルヘルスへのリスクには、スキルの十分に活用されていない、または仕事に対するスキルが不足している、過度の仕事量や仕事のペース、人員不足、長時間、非社会的または融通の利かない労働時間、安全でない、または劣悪な物理的労働条件、暴力、ハラスメント、いじめなどが含まれる。

心理社会的リスクは、新技術の開発とそれに伴う仕事のリズムの加速に伴い、ホワイトカラー労働者を含め、職場においてますます蔓延している。EUの労働者の88%が職場でのストレス問題を経験している。ユーロカドル(欧州専門職監督職協議会)によれば、労働損失日数の60%は、仕事に関連したストレスや心理社会的リスクに起因している。

ホワイトカラー担当部長のアルメル・セビーは言う:

「メンタルヘルスは、身体的な健康と比較すると、いまだに誤解されがちで、十分な資源がなく、優先順位が低い。心理社会的リスクや雇用者の義務に関する法律は十分でないことが多い。さらに、メンタルヘルス不調者はしばしば汚名を着せられ、差別され、排除されている。蔓延する偏見が障壁となっている。雇用主によってはメンタルヘルス不調者の雇用に消極的であり、労働者によってはキャリアへの悪影響を恐れて、開示したり助けを求めたりすることをためらう場合もある。」

職場における労働者のメンタルヘルスを保護することは使用者の注意義務の一部であるが、労働組合は職場におけるメンタルヘルス問題の軽減に重要な役割を果たすことができる。労働組合はこれらのリスクを理解し、その対処法を熟知することが重要である。労働組合は使用者と協力してリスクを評価し、心理社会的リスクを軽減するために職場環境を再編成し、職場の精神障害に関する管理者研修を提唱することができる。

WHOと国際労働機関(ILO)は、労働組合が活用できるガイドラインを作成した。これには、精神的・身体的健康や生活の質の悪化を防ぐために、労働条件を直接対象と した計画的な行動、メンタルヘルスに対する心理社会的リスクの評価と修正、緩和、除去が 含まれる。

ILOの基本条約である労働安全衛生(OHS)条約と労働安全衛生促進枠組み条約は、労働者の心身両面の健康を保護し、労働災害や職業病を防止することを目的としている。これらの条約を合わせると、OSH管理に対するシステ ム・アプローチの確立が可能になり、この分野における主要な責任、義務、 権利が定義されるとともに、安全で健康的な職場環境づくりにおける政府、 使用者、労働者の相互補完的な役割が強調される。

英国のユナイト・ザ・ユニオンやカナダのUSWなどの労働組合は、職場委員や安全衛生担当者、組合員が職場におけるメンタルヘルス問題や差別に取り組み、良好なメンタルヘルスのためにキャンペーンや交渉を行うのを支援するために、独自のガイドラインを策定している。

シンガポールの組合は、職場におけるメンタル・ヘルス問題の高まりに対応して設立さ れた「職場における精神的福祉に関する三者構成諮問委員会」に参加している。労働省(MOM)、全国労働組合会議(NTUC)、シンガポール全国使用者連盟(SNEF)で構成されるこの諮問委員会は、従業員の精神的健康を支援するために使用者が採用できる対策に関する実践的な指針を示し、使用者、従業員、自営業者が利用できるリソースを提供している。

その対策には、一般的な幸福の状態や仕事のストレス要因を把握するための調査の実施、上級管理職に政策や支援の実施を促すための職場のメンタルヘルス・推進者の任命、従業員のメンタルヘルスを向上させるための活動やプログラム、リソースの作成、苦痛を感じている人を専門家に紹介するシステムの確立、従業員のメンタルヘルス支援を中心とした人事・職場政策の見直し、メンタルヘルス状態から回復した従業員を支援するための職場復帰政策の確立などが含まれる。

「シンガポールでも私の組合でも、メンタルヘルスを職場の安全衛生問題として分類している。私たちは労働者や組合代表とワークショップを実施し、労働者が自分のメンタルヘルスに気を配る方法を支援するオンラインおよびオフラインのリソースを提供している。メンタル・ウェルネス・ワークショップでは、ストレスに対処する方法について労働者を教育している。」

と、全国労働組合会議(NTUC)のパトリック・テイ・テック・グアン(インダストリオール・ホワイトカラー部門共同議長)は言う。

フランスのCFE-CGC金属労組は、在宅勤務がメンタルヘルスにどのような影響を及ぼすかについて、従業員の精神的・肉体的健康を損なう可能性のある過負荷を特定するために仕事量を測定している。そして、それを調整し、将来の過負荷を防止する方法を知る必要がある。

CFE-CGC金属労組のコリーヌ・シェウィン(ホワイトカラー部門共同議長)は言う:「組合の代表は、さまざまな部署を回って労働者に話を聞き、精神的な健康状態を調べている。私たちは従業員の睡眠時間を調べ、職場環境を調べ、それから人事部門と話をして、管理職に支援が必要であることを伝えなければならない。また、企業の労働協約には労働者のメンタルヘルスを保護する条項があり、仕事の質や労働条件をチェックしている。」

アルメル・セビーは言う:「職場のメンタルヘルスに関しては、労働組合がリスク管理に参加し、行動の優先順位を決め、行動計画を策定し、これらの計画を監視・評価することが重要である。労働組合はまた、職場におけるメンタルヘルスと幸福について理解を深め、偏見をなくすためにメンタルヘルスの状態に対する考え方を変え、助けを求める行動を奨励し、職場におけるハラスメントと闘うメカニズムを実施し、被害者を保護し、メンタルヘルスの状態にある人々を支援すべきである。」

 

【原文記事URL】

https://www.industriall-union.org/mental-health-an-important-part-of-health-and-safety

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