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第173号インダストリオール・ウェブサイトニュース

レソトの組合、アディエント・オートモーティブを組合つぶしで労働裁判所に提訴

2024-04-19

2024年4月19日:レソト独立民主労組(IDUL)は、組合つぶしと労働組合の団体交渉権侵害を理由に、車両シートメーカーのアディエント・オートモーティブを紛争防止・解決理事会(DDRP)(レソトの労働裁判所)に提訴している。


アディエント・オートモーティブは、南アフリカでBMW、フォード、メルセデス・ベンツ、日産およびフォルクスワーゲンの工場に自動車シートを供給している。マセルのアディエント・オートモーティブで雇用されている労働者1000人のうち、800人がインダストリオール加盟組織IDULの組合員である。

IDULによると、紛争の発端は、アディエント・オートモーティブが2015年に組合と締結した承認協定を無視し始めたことである。法律に従って、組合が使用者と承認協定を結ぶには、工場で労働者の過半数を組織化しなければならない。承認協定は組合に、組合員を代表して雇用条件を取り決め、使用者と団体交渉を行う権利を与える。

しかし同労組によると、アディエント・オートモーティブは労働法を無視して協定に違反し、労働法の規定どおりに組合費を控除して組合に送金することをやめた。さらに、会社側の行動は労働者をいら立たせることを意図している、と同労組は主張する。不当労働行為の継続を阻止するために、IDULは異義を唱えてアディエント・オートモーティブをDDRPに訴えた。

メイ・ラサカネIDUL書記長は言う。

「現地経営陣との会合で懸念を提起したところ、協定を無視するという決定は上級経営陣が拠点を置く米国で下されたと言われた。それはレソトの労働法に従っていないので、私たちはこの決定に異議を申し立てている。」

インダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所のポール・フランス・ヌデソミン所長は言う。

「特に結社の自由に関して、多国籍企業は国内労働法と国際労働基準を尊重しなければならない。労働組合の団結権・団体交渉権を支持しなければならず、アディエント・オートモーティブに対し、レソトの労働者の権利を尊重し、組合つぶしをはじめとする反組合活動をやめるよう求める。」

アディエント・オートモーティブはアディエント・エンジニアリングの子会社で、ニューヨーク証券取引所に上場。30カ国の製造工場で7万人以上の労働者を雇用している。アディエント・エンジニアリングは親会社であるジョンソン・コントロールズのスピンオフで、2016年に株式を発行してこの新会社を創設、フレーム、シート機構、発泡体、ヘッドレスト、アームレスト、トリムカバー、その他の車両シートアクセサリーを製造している。

 

【原文記事URL】

https://www.industriall-union.org/lesotho-union-takes-adient-automotive-to-labour-tribunal-for-union-busting

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