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第173号インダストリオール・ウェブサイトニュース

西バルカンでエネルギー移行とインダストリー4.0を調査

2024-04-10

2024年4月10日:インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、フリードリヒ・エーベルト財団(FES)の支援により、4月4-5日にセルビアのベオグラードでワークショップを開催した。この会合には、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、北マケドニア、セルビアなど、西バルカン諸国の産業部門から加盟組織25団体が集まった。


焦点は、地域のエネルギー移行に伴う課題と機会を調べることだった。このワークショップは、知識集約型経済への移行という、課題と機会に満ちた旅を取り巻くニュアンスを徹底的に検証するためのプラットフォームとなった。

議論から浮かび上がった最大のテーマの1つは、複雑な経済改革を乗り切るうえで重要な要素である、熟練労働者の差し迫った必要性だった。加盟組織は移行しつつある経済の状況を取り上げ、研究開発投資、熟練労働者の育成、脱炭素化努力を推進するインセンティブ確立の必要性を強調した。

組合はグリーン移行とインダストリー4.0登場との関連で、特に自動車部門と幅広いイノベーション・エコシステムの中で、ステークホルダーが協力することの重要性を強調した。そのような共同行動は、エネルギー価格の高騰とグローバル・カウンターパートとの厳しい競争の真っ只中で競争力を高めるのに役立つ、と組合は主張した。

地域のもう1つの共通課題は、政治的な制約が原因で、公正な移行に関する意思決定機関に労働組合が十分参加していないことである。社会的対話を促進するために地域組合協力を強化する必要がある。

イジドーラ・ベラハが経済学研究所を代表して、地域力学と、西バルカン諸国の産業バリューチェーンにおける変革の可能性を知る手がかりを与えた。ベラハは地域協力の極めて重要な役割を強調して、この経路が地域の企業にグローバル・バリューチェーンの階段を上る能力を与え、それによって国際舞台での競争力を高めることを説明した。

「西バルカン諸国の課題と投資ニーズは、EU拡大プロセスとの関連でも重要だ。この転換プロセスが公正な移行の原則によって統治され、非常に重要な労働者・労働組合の権利を促進するようにしなければならない。脱炭素化ニーズを踏まえて、利益主導の戦略決定から、労働組合が積極的に参加する持続可能な生産・消費パターンに移行しなければならない。この移行は労働者抜きでは実現できないため、社会的対話を強化し、労働者を協議に参加させなければならない。私たち抜きに私たちのことを決めるな!」とジュディス・カートン=ダーリング・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合書記長。

このワークショップは対話の場となっただけでなく、複雑なエネルギー移行を切り抜けることを目指す、すぐに実施可能な戦略を考案する機会にもなった。インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合、ならびに両団体の加盟組織は、協力と知識共有、集団行動の促進により、先頭に立って好ましい変化を推進し、西バルカン地域の持続可能な未来に向かって進んでいる。

「このワークショップは、差し迫った課題に真っ向から取り組み、持続可能であるだけでなく、すべての人にとって公平、包括的かつ公正でもある未来に向かって針路を取る、インダストリオールとそのパートナーのコミットメントを明確に示している」と松﨑寛インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は述べた。

 

【原文記事URL】

https://www.industriall-union.org/exploring-energy-transition-and-industry-40-in-the-western-balkans

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