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第175号インダストリオール・ウェブサイトニュース

インダストリオール女性委員会、包摂性を呼びかけ

2024-05-23

2024年5月23日:5月21日にジュネーブで開催されたインダストリオール女性委員会では、男女平等の達成、AIが女性労働者に与える影響、若い女性のインダストリオールへの参加と代表の強化が議題となった。


冒頭の挨拶で、アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は、GBVH(ジェンダーに基づく暴力とハラスメント)・女性差別・性差別に関するIndustriALLの方針の実施、訓練、理解の重要性を強調した。

「女性は民主主義と社会発展のための闘いにおいて重要な役割を担っている。本日の皆さんの議論は、私たちの組織の方向性に影響を与えるものであろう。世界的な発展がもたらすマイナスの影響を軽減するだけでなく、私たちの運動にプラスの影響を与えるようにすることも重要だ。今日の私の役割は、皆さんの意見に耳を傾け、皆さんの提言を執行委員会に反映させることだ。」

とアトレ・ホイエは語った。

インダストリオール書記次長のクリスティーナ・オリビエは、インダストリオール初の女性会長、ILO第190号条約の批准国、育児休暇の延長、新たな賃金平等法の制定など、女性にとっての成果を強調した。

「このような大きな進展にもかかわらずジェンダー平等は依然として課題であり、女性労働者は未だ差別や不平等な力関係に直面しており、根強く残るジェンダー格差に対処するためにさらに多くのことを行う必要がある。」

とクリスティーナ・オリビエは語った。

前途は多難であるとの認識が大勢を占める中、オーストラリアとブラジルの女性リーダーたちが、男女間の賃金格差に取り組む労働組合キャンペーンの成功事例を紹介した。

オーストラリアでは、家族に対する有給育児休暇(PPL)の延長に関する新しい法律が制定され、育児休暇が20週間から26週間に増加することになった。

ブラジルでは、男女同一賃金を保証する新しい法律が制定され、職場の多様性と包摂プログラムを促進・実施するための措置が定められている。また、従業員100人以上の企業に対し、賃金・報酬基準に関する透明性のある半期毎の報告書の提出を義務付けている。

AIに関する議論では、AIに従事する女性は世界的に少なく、また、これらのシステムを開発する労働力に女性が含まれていないことが多いことが明らかになった。女性委員会はジェンダー変革的アプローチが必要であると結論づけた。男女共同参画タスクフォースとともに、女性委員会は女性の参画を確実にする政策とガイドラインを策定する。

「すべての政策はジェンダー変革的でなければならない。AIに関して言えば、インダストリオールと加盟組合は議論に参加し、女性にさらなる不利益をもたらす乱用を禁止する規制や政策に取り組む必要がある。労働組合はAIの開発に影響を及ぼし、男女平等格差やその他の差別を縮小するためにこの技術が利用されるようにすべきである。」

と、インダストリオール・ジェンダー担当部長のアルメル・セビーは言う。

男女間の賃金格差に対処する方法として、団体交渉がある。インダストリオール・ヨーロッパのマイケ・ニゲルマンは、「平等のための交渉」と呼ばれるプロジェクトの詳細を紹介した。彼女は、労働組合がジェンダー格差を是正するために協約にジェンダー条項を盛り込む方法、すべての協約に少なくとも1つの平等目標を盛り込むようにする方法、セクシャル・ハラスメントに関して対策を講じない使用者に高額の罰金を科す方法、GBVH被害者に有給休暇を与える方法などの事例を紹介した。

更年期障害は、女性がその症状のために労働力から排除される危険があるため、仕事の世界に大きな影響を与える。アリソン・スペンサーは、ユナイト・ジ・ユニオンがどのように労働者への更年期問題に関する教育に焦点を当てたか、また、窓を開けたり、シフトに柔軟性を持た せたり、女性の休憩時間を増やしたりするなど、ちょっとした調整で女性の参加を確保できること、通気性の良い防護服(PPE)のように、既存の安全衛生法 がこうした調整を後押しできることを紹介した。

組合が必要とされ成長し続けるためには、若い女性労働者をこの種のプラットフォームに参加させることが不可欠であ る。タンザニア工業商業労組(TUICO)の青年代表マリア・バンジュ、フィリピンのALU-TUCPのラヤ・ボルハル・フェレール、ガーナ鉱山労組のアグネス・アマ・アガマスは、若い女性労働者として、またそれぞれの組合のリーダーとしての経験を語り、困難ではあるが、インダストリオールの強力な女性メンターの支援により、組合で成長し、組織に参加し、変化を実感していると述べた。

「今回の女性委員会は実り多いものだった。私たち女性に影響する問題について議論し、戦略を練ることは重要だ。更年期障害、AI、団体交渉などのトピックを提起するためには、このような場が必要だ。男女平等と女性の権利のための闘いは決して終わらない。闘いは続けなければならない。」

とイルバナ・スマイロビッチ・インダストリ オール女性委員会共同議長は述べた。

 

【原文記事URL】

https://www.industriall-union.org/industriall-womens-committee-meeting-calls-for-inclusivity

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