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第186号インダストリオール・ウェブサイトニュース

勝利が重要だ:2024年の私たちの勝利が未来への希望となる

2025-02-28

不確実な時代には、私たちが直面する課題に押しつぶされそうになりがちだ。労働権への攻撃、企業の強欲、政治的不安定、経済的苦境が、前途を乗り越えられないものに映る。しかし、運動として私たち自身が忘れてはならないことが一つある。それは、私たちは勝利するということだ。


◆インダストリオール・グローバルユニオン書記長、アトレ・ホイエ

不確実な時代には、私たちが直面する課題に押しつぶされそうになりがちだ。労働権への攻撃、企業の強欲、政治的不安定、経済的苦境が、前途を乗り越えられないものに映る。しかし、運動として私たち自身が忘れてはならないことが一つある。それは「私たちは勝利する」ということだ

そして、我々が勝てば、人々の生活が変わる。

2024年を振り返ったとき、世界中の私たちの加盟組織は闘い、重要な勝利を収めた。これらの勝利は、私たちにただ与えられたものではなく、決して諦めない労働者のたゆまぬ決意によって勝ち取られたものだ。これらの勝利のひとつひとつが、団結した行動が有効であること、連帯こそが私たちの最大の強みであること、そしてどんなに困難な状況にあっても労働者は勝利できるし、実際に勝利していることの証拠である。

◆2024年を形作った勝利

今年最大の、そして待ち望まれた勝利のひとつは、11月にインドネシア労働組合が過酷で不当なオムニバス法に抵抗して戦い、勝利したことだ。この法律は長年にわたり労働者の権利を侵食し、保護を弱めてきたが、インドネシアの加盟組織の努力のおかげで、憲法裁判所は労働者の主張を認め、政府に新たな法律の制定を命じた。これはインドネシアの労働者だけでなく、私たち全員にとって重要な勝利である。なぜなら、搾取に抵抗することは、後に続く人々のための先例となるからだ。

オムニバス法とは?

正式名称を「雇用創出法」というインドネシアの「オムニバス法」は、規制緩和により投資を誘致することを目的として2020年に導入された。しかし、この法律は労働者の権利を大幅に弱体化させ、企業による労働者の雇用・解雇、退職金の削減、アウトソーシングの利用を容易にした。また、環境保護も後退させた。労働組合は強く反対し、法的な異議申し立てや大規模な抗議活動につながった。2024年、インドネシアの憲法裁判所は労働組合の主張を認め、政府に法律の改正を命じた。

メキシコでは、加盟組織であるロス・ミネロスが、団結すれば成果が得られることを改めて証明した。7月、2か月間にわたる粘り強いストライキ行動の末、アルセロール・ミッタルの労働者はより良い労働条件と賃金を確保した。これは苦闘の末の勝利だったが、企業に労働者を尊重させる手段としてのストライキの力を示した。

一方、ナイジェリアでは組合が長らく遅れていた労働者の賃上げを勝ち取り、最低賃金を3万ナイラ(19ドル)から7万ナイラ(43ドル)に引き上げた。インフレが急上昇しているこの国では、この勝利により労働者が生活を維持し、経済的不公正に立ち向かうことができる。

賃金だけでなく、尊厳の問題でもあった。トルコでは、金属労働者の加盟組織が記録的なインフレにもかかわらず画期的な合意を勝ち取った。チュニジアでは、繊維労働者が20%の賃上げを確保し、グローバル・サウス(発展途上国)の組合が大きな圧力にもかかわらず前進を続けていることを示した。

自動車部門では、米国での歴史的な出来事を目の当たりにした。テネシー州チャタヌーガのフォルクスワーゲン労働者は、UAWに加入することを圧倒的多数で承認した。これは、労働組合に歴史的に敵対的なこの地域において記念すべき勝利であり、団結権を取り戻しつつあるアメリカの労働者に流れが変わりつつあることを証明するものである。

また、イタリアではエネル社の労働者が雇用の安定に対する脅威を退け、何千もの雇用を守るための重要な合意を勝ち取った。そしてスリランカでは労働組合が急速に変化する経済において労働者の権利を再確認する待望の合意を確保した。

◆勝利の力

これらの勝利が重要であるのは、根本的なことを思い出させてくれるからだ。すなわち、闘いは常に価値があるということだ。

闘争の最中には、悪いことばかりに目が行き、危機や後退、そして私たちの権利に対する企業の攻撃にばかり注目しがちである。しかし、どんなに小さくても、どんなに大きくても、勝利は前進の一歩である。勝利とは、賃金や労働条件の改善を確保することだけを意味するのではない。変化は可能であることを証明することでもある。そして、世界中の労働者たちに、自分たちは一人ではないということを示すことでもある。

2024年には誇るべき多くの勝利を収めたが、闘いはまだ終わっていない。自動化、企業の責任逃れ、反組合的立法など私たちが直面する課題は増大しているが、私たちの力も増大している。前を向いて、これらの勝利を、共に達成できることの証として持ち続けよう。

加盟組織、ピケットラインで断固として立ち向かった労働者、交渉のテーブルでたゆまぬ交渉を続けた人々、本当にありがとう。 皆さんの闘いは世界中の労働者に勇気を与え、皆さんの勝利はより公正な世界の実現への道筋をつける。

2025年11月にシドニーで開催される大会で、皆さんにお会いし、これからの素晴らしい勝利を祝うことを楽しみにしている。

勝ち続けよう。

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/winning-matters-our-union-wins-in-2024-give-us-hope-for-the-future

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