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第186号インダストリオール・ウェブサイトニュース

拘束力のある協定が進展の鍵

2025-02-20

今月パリで開催された衣料・履物部門のデュー・ディリジェンスに関する2025年OECDフォーラムで、インダストリオール代表団は、任意の約束が労働者を失望させているとの受け止め方が広がっていることを強調した。法的拘束力のある協定が進むべき道である。フォーラムに参加した労働組合、ブランド代表、その他のステークホルダーは、説明責任の差し迫った必要性、義務的デュー・ディリジェンス、責任あるビジネス慣行を確保するうえでの集団行動の役割について議論した。


パネルの1つで、南アフリカのインダストリオール加盟組織SACTWUのエティエンヌ・ブロックが、特に倫理的なビジネス基準がヨーロッパほど深く根づいていない地域において、貿易協定が国内市場で責任あるビジネス慣行を促進する可能性があることを強調した。国際基準の遵守は任意ではなく義務でなければならない。

議論の中心は、遵守を確保してより良い労働条件を促進するうえでの法的拘束力のある協定の効果だった。発言者たちは、バングラデシュ協定のような協定の成功例を挙げた。これは拘束力のある枠組みが労働条件と労働者の安全の具体的な改善をもたらし得ることを証明している。しかし、そのような枠組みの範囲外の多くの協定は依然として弱いままであり、強制力の確保が継続的な課題であることを浮き彫りにしている。

フォーラムでは、投資家の間で、財務リスクを軽減する手段としての拘束力のある協定への関心が高まっていることも強調された。投資家にとって、労働権に関する規則に従わない企業は評判と財務の面で重大なリスクとなる。このフォーラムで、インダストリオールと労働権投資家ネットワーク(LRIN)は、「投資家の指針と期待:サプライチェーンのデュー・ディリジェンスと拘束力のある協定」を発表した。この文書は、企業がグローバル・サプライチェーンで労働者の権利を尊重することへの投資家の期待を説明。特に、労働組合・労働者代表と企業の間の拘束力のある協定が、どのように基本的労働権を支持し、企業と投資家にとっての関連リスクを軽減できるかを取り上げている。

組合の関与も議論の焦点となった。この部門の組合組織率はわずか39%で、労働協約の対象となっているのは労働者の約30%(世界平均よりは高いがまだ不十分)であり、組合代表を拡大する必要性は依然として大きい。

バングラデシュ、カンボジアおよびトルコのインダストリオール加盟組織が、政府と使用者の抵抗や、一部の国々における労働者支持のあからさまな犯罪化など、組合が直面する課題を説明した。これらの困難にもかかわらず、カンボジアで初めてブランド後援の労働協約が締結されたことが、重要な勝利として強調された。これはブランドの関与が有意義な進展に必要不可欠であることを示している。

カンボジアの組合CCADWUのアシット・コン会長が、サプライヤーレベルの協定だけに頼るのではなく、ブランドが交渉に直接関与する必要があることを力説した。

「私たちはサプライヤーと労働者だけでなく、ブランドにも関与する必要がある。当組合CCADWUは、カンボジア協定の下で初の労働協約に署名した。カンボジアから調達している他のブランドに、可能な限り早くあとに続くよう求める」

フォーラムで議論された重要かつ複雑な問題は、責任ある撤退だった。ブランドは人権侵害に対して明確な態度を打ち出さなければならないが、工場や地域からの突然の撤退は労働者を不安定な状況に置く可能性がある

「労働者に取り組みを求める。これらの問題に関して企業とブランドに関与したい。撤退は、労働者の損害を最小限に抑える責任ある撤退戦略を通して、慎重に管理しなければならない。このアプローチは、弱い立場にある労働者が生計の手段を奪われないようにするために、長期計画とステークホルダー・エンゲージメント、ブランドの説明責任を必要とする」とクリスティーナ・ハジャゴス=クローゼン・インダストリオール繊維・衣料担当部長は述べた。

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/binding-agreements-are-key-to-progress

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