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第189号インダストリオール・ウェブサイトニュース

人道支援はミャンマーの人々に届けられるべきであり、軍事政権にではない

2025-04-03

軍事攻撃と、震災救援の武装化を停止せよ!我々グローバルユニオン評議会(CGU)のメンバーは、このたびの壊滅的な地震に見舞われたミャンマーの人々に連帯する。ミャンマー軍事政権による攻撃の継続、人道的危機への搾取、そして最も被害の大きかった地域で直後に続いた無差別爆撃や組織的な人権侵害による救命支援の意図的な妨害に、我々は憤りを禁じ得ない。軍事政権が武装反政府グループに対する作戦の一時停止を発表したことを認識するものの、それはまったく十分ではない。


マグニチュード 7.7 の地震発生後、軍は救助や人道支援を優先させるのではなく、チャウン・ウー(サガイン)、ピュー(バゴー)、ナウン・チョー(シャン)など、市民の居住地に対する空爆をエスカレートさせた。このような恐ろしい行為は、災害対応という名目のもと、人命と尊厳を露骨に軽視していることを示している。

ミャンマーの歴史は、軍事政権が災害を悪用し、人道支援を政治的・軍事的に手段として利用してきたことを痛々しく物語っている。2008 年のサイクロン・ナルギス、2023 年のサイクロン・モカ、2024 年の台風・ヤギなど、その例は枚挙にいとまがない。被災者への支援は、政権の利益のために繰り返し流用、制限、操作され、その結果、被災者の苦しみは長引き、死者数は増加した。

軍による国際法の軽視と国際的な義務の完全な無視は、軍がミャンマー国民に対して自らの立場を押し通すために国際社会を悪用しないよう、国連機関を含む国際社会に警戒を促し続けている。軍はミャンマー国民すべてに支援と人道介入が行き渡り、ミャンマー国民が平和と民主主義の中で生活と生計を再建できるよう、その立場を退かなければならない。

そのため、我々は緊急に以下を要求する。

  • 人道的支援はすべて、国民統一政府(NUG)、少数民族組織、ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)、信頼のおける現地の市民社会、および地域社会グループを通じてのみ提供されるよう要求する。これらの組織はすでに、公平かつ人命を救う支援提供に対する明確なコミットメントと能力を示している。
  • 軍事政権による無差別な空爆や民間人および民間インフラへの攻撃を非難し、軍事政権が発表した短期的な停戦を越えた、持続的かつ長期的な停戦を要求する。
  • 国連、ASEAN、および人道支援機関を含む国際社会に対し、国境を越えた、現地主導のメカニズムを活用し、軍事政権の干渉や妨害を受けずに、被災地域に迅速に支援が届くよう求める。
  • ロシア、中国、インドに対し、軍事政権への武器、装備、軍事資源の供給をただちに停止するよう求める。これらの兵器が民間人に対する空爆に使用されているため、国際法に照らして戦争犯罪に該当する可能性がある。これらの国々による人道支援が、ミャンマーの軍事政権によって、反体制派、抵抗勢力、あるいは少数民族を標的にするために悪用されてはならない。
  • 軍事政権との取引によって直接または間接的に利益を得ている多国籍企業に対し、ミャンマー軍に関連するすべての事業をただちに停止するよう求める。

ミャンマーの労働者、地域社会、少数民族の人々は、爆撃や妨害ではなく、緊急に支援と保護を必要としている。ミャンマー国民、少数民族、市民社会が逆境に直面しながらも示している並々ならぬ抵抗は、不可欠な人道支援を届ける上での彼らのリーダーシップを証明している。NUG が地震救援を促進するために一方的に停戦を即座に宣言したことは、軍事作戦の中止を呼びかけるにあたっての軍事政権の継続的な暴力と対応の遅れとは鮮明な対照をなしている。

国際社会による人道支援活動の正当性と信頼性は、人道支援が原則に則り、断固として、説明責任をもって実施されるか否かにかかっている。国際社会は、ミャンマーの軍事独裁政権を強化するような人道支援を許した過去の過ちを繰り返してはならない。

世界中の労働者を代表する労働組合組織として、我々はミャンマーの人々との揺るぎない連帯を再確認し、この人道危機を終結させるための即時かつ持続的な国際的圧力を求める。

この地震は、軍事政権による残忍な殺人、強制労働、強制移住、弾圧の暴挙をすでに耐え忍んできた地域社会を直撃した。だが、この惨状にもかかわらず、ミャンマーの人々は不屈の精神、決意、団結力を示し続けている。彼らの決意は、世界中の労働運動に大きな力を与えている。国際社会は、明確に、断固として、遅滞なく、正義と人間の尊厳の側に立って、ミャンマーの人々と共に立ち上がる必要がある。

国際建設林業労働組合連盟(BWI)
国際労働組合総連合(ITUC)
教育インターナショナル(EI)
国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)
国際家事労働者連盟(IDWF)
国際公務労連(PSI)
インダストリオール・グローバルユニオン
OECD 労働組合諮問委員会(TUAC)
国際ジャーナリスト連盟(IFJ)
UNI グローバルユニオン
国際運輸労連(ITF)        

写真 2025年3月28日、ミャンマー、マンダレー: 市の中心部で地震が発生し、建物が倒壊した。レスキュー隊が負傷者を救助している。クレジット:Somkanae sawatdinak

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/humanitarian-aid-must-reach-myanmars-people-not-the-military-junta

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