バングラデシュ船舶解撤部門の進展と課題
2025-04-15
2025年6月26日の香港条約発効が近づく中で、インダストリオールと加盟組織は、条約に準拠した船舶解撤産業への移行が労働者を置き去りにしないようにすることを強く要求している。4月上旬にバングラデシュのチッタゴンで2回の訓練セッション、解撤場視察および円卓討議が実施され、労働者と組合指導者、使用者、専門家が参加、この部門が直面している課題と機会に取り組んだ。
ミッションの主要部分は5時間の解撤場視察で、組合代表と安全専門家が解体中の船を調査した。この視察で、世界に通用する安全手順と詳細な廃棄物管理プロセスが明らかになった。これは安全で持続可能な解撤場のあり方の一例だった。
しかし、この解撤場は例外として際立っている。
「政府による大きな圧力なしに、民間部門がこのレベルの安全性と細部への注意を主導している」とウォルトン・パントランド・インダストリオール造船・船舶解撤担当部長は述べた。
「これは他の産業では一般的に見られることではない」
インダストリオールは4日間にチッタゴンで2回の労働安全衛生訓練セッションを開催した。このプログラムはオランダのFNVメタルと協力して実施され、インダストリオール加盟組織のBMFとBMCGTWFから32人が参加し、「トレーナー訓練」方式で技術知識と教える技術を組み合わせた。
技術モジュールには、個人用保護具(PPE)の利用、火災予防、リフト運転業務、設備点検、クレーンや伸張ケーブルの利用など、必要不可欠な安全関連の主題が盛り込まれていた。労働者は、海底管の色分けのような国際基準についても教わった。2つ目のモジュールでは、参加者が自ら訓練を行えるようにし、成人学習方法や訓練セッション構築方法、コミュニケーション技術を取り上げた。
「これはグローバルな組合連帯の実例だ――オランダの加盟組織FNVメタルの安全衛生専門家が、インドとバングラデシュ、パキスタンの船舶解撤関連加盟組織の訓練を実施している」とパントランドは述べた。
続いて開かれた円卓討議には、組合と使用者、政府代表が参加した。議論の焦点は、現場レベルにおける強力な組合の必要性だった。使用者のコンセンサスが得られておらず、効果的な監督を確保するうえで政府が役割を果たしていない。1つの急進展は、船舶解撤部門の労災補償制度(EIS)模索に合意したことだった。当事者全員が費用と実施に関する議論を続けることに合意した。
「障害や死亡の場合に不可欠な社会保障を提供できるEISを誰もが受け入れていた」とパントランドは述べた。
「これはより公正な産業への一歩だ」
現在バングラデシュでは香港条約準拠の解撤場が7つしかなく、閉鎖の危険がある解撤場が100を超えており、前途多難である。機械化、船腹量の減少、セーフティーネットの欠如により、すでに労働力が変化している。しかし、これらの訓練と現地トレーナーの出現は、この産業の移行が全レベルでディーセントな雇用、より優れた保護および労働者の声を含むようにする運動が広がっている兆候である。
「香港条約は孤立して成功することはできず、国境を越えた共同責任が必要だ。訓練への投資、組合の権限強化、明確な安全ベンチマークの設定によって、バングラデシュだけでなく南アジア全域で船舶解撤の基準を上げることができる」とアシュトシュ・バッタチャリア・インダストリオール南アジア地域事務所所長は述べた。
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/progress-and-challenges-in-bangladeshs-shipbreaking-sector
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