インダストリオール・リフト/エスカレーター会議
2013-10-09
スイス・ジュネーブ発
リフト/エスカレーター製造労働者が条件改善に向けて団結した。
11カ国のリフト/エスカレーター部門労働者20万人を代表する労働組合30団体が10月7~8日にジュネーブで初会合を開き、この部門における労働組合ネットワークの強化を決定した。組合は労働条件改善と保護強化を要求している。
同部門の最大手企業から参加した代表たちは、今後より熱心にネットワークを構築し、労働者の労働・生活条件に対する圧力に対抗することで合意した。
参加者は、これは歴史的な会議であり、使用者に強力なシグナルを送る活動だと考えている。すべての大企業から労働者代表が集まり、使用者の圧力に対抗してネットワーク構築プロセスを開始する。
この文脈において参加者は、さまざまな企業や国における最新の展開についても議論した。数日前にフランスで発表された解雇、スペインとコロンビア、オランダの状況について、ネットワークの決議が採択された。
議論の結果、4大陸の労働組合員は次の5項目から成る決議を採択した。
●労働強化と職場における圧力の高まりに対する保護の改善を要求する。
●この部門におけるあらゆる形態の不安定雇用を抑制し、同一労働同一条件、労働条件低下を伴う下請の禁止、偽装自営の強要禁止の原則を適用する。
●使用者に対し、労働災害や安全策の不足に対する保護の改善と、個々の従業員への責任転嫁の禁止を求める。
●世界共通の修理・保守基準を適用する。
●職業上の保護を改善するとともに、この産業で働くすべての人々に適切な訓練を提供し、従業員・利用者両方の安全向上を目指す。
オーストリア最大の労働組合Pro-Geの会長でもあるインダストリオール・エンジニアリング部会のライナー・ウィンマー部会長が、次のように要約した。「企業がメンテナンス間隔の延長やプロセスの簡略化によってコスト削減の利益を得るためだけに、『自社』のエンジニアや労働者の健康や生命を危険にさらすようなことがあってはならない。同時に私たちは『ビッグ4』のみならず競合他社に対しても、特に賃金・労働条件の悪化を招く場合は、過度のアウトソーシングや下請を控えるよう要求する」
代表たちは貴重な経験と事例も共有した。例えば、アメリカから参加したこの部門の同僚の報告によると、米国では、修理技術者をはじめすべての労働者が同じ労働条件を享受している。というのも、勤務先が有名ブランドか中小企業かにかかわらず、誰もが同じ労働協約に基づいて働いているからだ。
いくつかの欧州従業員代表委員会からも、情報・協議方針の改善や参加国間の経験・情報交換について明るい徴候が報告された。
しかし、なすべきことがまだ山積している――世界中の全従業員にとって安全かつ公正な労働・生活条件が、この部門の労働者全員のために達成すべき最終目標だ。これを達成するために、参加者全員がインダストリオール・グローバルユニオンとともにネットワーク構築努力を続行することを約束した。