韓国組合指導者の釈放求めるアムネスティ・インターナショナルのキャンペーンに支援を
2014-03-18
韓国の組合指導者であり人権擁護活動家のキム・ジョンウ氏は、2014年4月4日の上告審でさらに厳しい実刑を科せられる怖れがある。キム氏は解雇された労働者とその家族を支援して抗議したことを理由に、2013年6月から投獄されており、労働組合員に対する継続的な弾圧の一環として、ソウル最高裁判所で、より重い判決を言い渡される怖れが高まっている。
キム・ジョンウ氏は、インダストリオール・グローバルユニオンに加盟する韓国金属労組の双竜自動車支部の元指導者である。キム氏は昨年6月、2009年6月に双竜自動車に解雇された労働者の復職を求め、キャンペーン中に自殺したりストレス関連の不調で亡くなったりした労働者・家族24人を追悼して抗議したあと逮捕された。2014年4月に刑期を終える予定であるが、検察側による上訴を受けて、最高裁でより重い刑を科せられる怖れがある。
ユルキ・ライナ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は、この状況は容認できないと次のように述べた。 「インダストリオールは韓国の労働組合に対する制約の強化を強く非難する。キム・ジョンウ氏は、双竜自動車で解雇された労働者の権利を擁護していた際に逮捕された。直ちに釈放しなければならない」
アムネスティのキャンペーンを支援し、組合指導者キム・ジョンウの即時釈放を要求しよう!
【資料】韓国大統領へのインダストリオールの書簡
ジュネーブ、2014年3月18日
韓国大統領 朴槿恵様
韓国ソウル青瓦台
送付先:president@president.go.kr、foreign@president.go.kr、mission.korea-rep@ties.itu.int
韓国大統領に対するキム・ジョンウ釈放および労働組合との対話開始の要求
拝啓
約140カ国の鉱業、エネルギー産業および製造業で5,000万人以上の労働者を組織化するインダストリオール・グローバルユニオンを代表して、結社の自由に対する権利を行使したというだけで拘留されたキム・ジョンウ氏の即時無条件釈放を要求するために、この書簡をお送りします。
2013年2月20日から要求しているにもかかわらず(添付の書簡を参照)、韓国の状況は悪化しています。したがって、貴政権は韓国のインダストリオール加盟組織、ナショナルセンターならびに私たち(国際労働組合総連合(ITUC)と国際公務労連(PSI)を含む)と民主的かつ有意義な対話を開始し、国際労働機関の中核的労働基準と広く採択された国連人権条約を完全に遵守して、労働者の合法的な人権・労働組合権を保障することが絶対に必要です。
韓国で は、労働組合幹部や活動家が、他国なら合法とされる争議行為への関与を理由に投獄されています。国際労働機関が国内法、特に刑法の業務妨害規定を直ちに結 社の自由の原則と調和させるよう繰り返し明確に指示しているにもかかわらず、貴国政府は行いを改めていません。逮捕や投獄に加えて、明らかに破産を狙った 組合・個人に対するスト損害賠償訴訟がたびたび起こされています。
韓国金属労組双竜自動車支部の元指導者キム・ジョンウ氏は2013年6月10日、首都ソウルで地方自治体職員が座り込みテントと慰霊祭壇を解体するのを防ごうとした際に逮捕されました。この抗議は、2009年6月に双竜自動車に解雇された労働者の復職を要求し、キャンペーン中に自殺したりストレス関連の不調で亡くなったりした労働者・家族24人を追悼する行動でした。抗議行動をに必要な届けをすべて提出していたにもかかわらず、警察は2013年5月30日にデモ禁止通知を送りました。労働組合は禁止措置に対して差し止め請求をし、この訴えは2013年6月に政府関係者が現場を解体した時点で進行中でした。ソウル行政裁判所は2012年7月と2013年12月に下した過去2回の判決で、同じ現場における組合の抗議権を支持しています。
キム・ジョンウ氏は「特別公務執行妨害」で禁固10カ月の判決を言い渡されました。4月に刑期を終える予定ですが、検察側による上訴を受けて、最高裁でより重い刑を科せられるおそれがあります。
私たちはアムネスティ・インターナショナルとともに国際労働組合総連合(ITUC)に合流し、韓国政府に対し、キム・ジョンウならびに国際的に保護された団結権の行使を理由に同様に拘留されている人たちを釈放するよう要請します。
敬具
インダストリオール・グローバルユニオン
書記長 ユルキ・ライナ