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第24号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2014年4月~5月)

フィリピンで休日労働を拒否した組合役員全員が解雇

2014-05-07

 フィリピンMWAP傘下のインダストリオール・グローバルユニオン加盟金属労組は、2014年55日にラグナ州カブヤオのNXPセミコンダクターズで組合役員24人が大量解雇されたことに抵抗している。経営側と政府が共謀して、フィリピンの自由貿易地区で労働者の組織化に成功した数少ない組合の1つである同労組をつぶそうとしている。

 インダストリオールは、解雇された活動家24人全員の復職を求めて抵抗する加盟組織を断固として支持している。

 MWAPからの詳細な最新情報は以下のとおり。

 フィリピン金属労働者同盟(MWAP)は、201455日の組合役員24人の不当解雇に対して、ラグナ州カブヤオのNXPセミコンダクターズ経営陣を強く非難する。

 執行委員会と職場委員協議会のメンバー全員を含む解雇された役員は、直ちにブラックリストに載せられ、同社構内への立ち入りを禁じられた。515日支給予定の教育補助金を含めて、すべての給付を断たれた。

 この措置は明らかに、新団体交渉協約パッケージをまとめるために闘争中の労働者に対する悪意ある攻撃である。役員解雇の狙いは組合の交渉力を弱めることにある。

 NXP経営陣は201455日付の覚書で、組合役員たちは「非合法と分かっていながらストに参加」し、「法律に従って、雇用を喪失したものとみなされる」と述べ、「役員たちは正当な理由――49日およびそれ以降の休日の非合法スト――で解雇された」と付け加えた。

 組合が明らかにしたところによると、経営側は49日、17日、19日と51日(すべて公休日)に労働者が残業を拒否したことに触れていた。49日は勇者の日、417日、19日は洗足木曜日、聖金曜日で、このカトリック国で広く祝われている。国際労働者の日である51日については、すべての組合員が仕事を休んで労働者の日の活動に参加することで、労使が慣習的に合意している。

 レデン・アルカンタラNXPセミコンダクターズ労組(NXPSCIWU)会長・MWAP共同全国会長によると、NXP経営陣は、上記各休日における労働者の欠勤を労働協約闘争と関連した組合の協調行動とみなした。

「組合役員全員の解雇は、NXP経営陣によるさらなる嫌がらせであり、労働者の条件改善を求める正当な労働協約要求を放棄させようとするものだ」とアルカンタラ会長は述べ、「経営側は組合つぶしに躍起になっており、役員解雇の狙いは労働者に恐怖心を植え付け、組合を支持しないように威嚇することにある」と付け加えた。

 アルカンタラ会長によると、経営側は解雇前、工業地域入口前での抗議の行進など、労働者の平和的な協調行動に対しても嫌がらせをした。シャトルバスに警備員を配備して労働者がバスから降りられないようにし、組合活動への参加を阻止しようとした。労働者は脱出して抗議の行進に参加するために、やむを得ずバスの窓から飛び降りた。別の事件では、労働者の平和的な協調行動に対し、緊急時対応要員と消防車1台が大規模展開された。

 NXP労使の労働協約交渉は今年1月に始まり、すでに23回の交渉セッションが行われた。組合は8%の賃上げを要求しているが、会社側は3.5%までしか提示しなかった。これは前回の労働協約で獲得した賃上げ率の半分にすぎない。経営側は2度にわたって行き詰まりを宣言し、第三者による仲裁を求める決定を下した。

 アルカンタラ会長は、政府が経営側と共謀していることも非難。軽工業・科学研究団地(LISP)当局は、労働者に圧力をかけて権利闘争をやめさせることを明らかな目的に、ロザリンダ・バルドス労働長官に問題を付託した、と同会長は述べた。労働雇用省(DOLE)は416日に、49日の協調行動に関する申し立てをめぐり議論するために、NXP労使の緊急会議を求めた。組合はこの会議を利用して、NXP契約労働者1,700人の賃金遅配問題も提起した。契約労働者はすでに2カ月前から賃金を受け取っておらず、経営側は労働協約交渉を遅配の理由に挙げている。しかし組合によると、会議に同席したDOLE次官らは問題を解決するどころか、組合役員に解雇を警告した。

 「当組合は輸出加工区と工業地域で活動する数少ない組合の1つなので、経営側は政府と共謀して当組合をつぶそうと躍起になっている。経営側が当組合を激しく攻撃しているのは、EPZと工業地域の『組合禁止・スト禁止』方針にもかかわらず、私たちが組合の設立・強化に成功したからだ」とアルカンタラ会長は語った。

NXP労働者が苦労して得たこの勝利を無にさせはしない」とアルカンタラ会長は断言し、さらに組合員を教育・統合することによって経営側の嫌がらせに対抗すると述べた。組合は今日すでに随時会合を開き、工業地域の入口まで抗議の行進を実施、労働者仲間に闘いへの支援を求めた。

 その間、MWAPは解雇された組合役員24人の即時復職を要求、経営側に対し、労働者への嫌がらせの中止と平和的行動を実施する権利の尊重を求めるとともに、直ちに労働者と話し合って労働協約交渉を再開するよう促した。MWAPは、同労組への全面的な支援を表明し、国内・国際両レベルでNXP闘争に関するキャンペーンを開始する用意があると述べた。

 NXPセミコンダクターズは、半導体・電子産業の世界的マーケット・リーダーの一角とみなされている。以前はフィリップス・セミコンダクターズの一部門だったが、2006年にプライベート・エクイティ投資家のコンソーシアムに売却された。NXP25カ国以上で事業を展開、オランダのアイントホーフェンに本社があり、全世界で約24,000人を雇用している。

  カブヤオのNXPセミコンダクターズは、ラグナ州カブヤオの第1軽工業・科学研究団地にあり、世界6カ所にあるNXPセミコンダクターズの試験・組立施設の1つである。NXPカブヤオの従業員総数は5,000人を超え、正規一般労働者は約1,500人で、正規労働者の組合は全国労働組合連盟-51日運動(NAFLU-KMU)に加盟している。

 NXPセミコンダクターズ労組(NXPSCIWU)は、フィリピン金属労働者同盟(MWAP)に加盟している。MWAPは、電子、自動車、造船、冶金鉱業、鉄鋼および関連産業の組合・労働者の全国同盟であり、鉱業、エネルギーおよび製造業部門で世界140カ国・5,000万人の労働者を代表するインダストリオール・グローバルユニオンの加盟組織である

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