ギリシャの船舶解撤労働者が勝利!
2014-05-07
ギリシャにおいて、2年に及ぶ労働組合連帯キャンペーンの結果、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織POEMでの組織化活動を理由に投獄されていたギリシャの造船労働者が法的勝利を獲得した。
2014年5月5日にギリシャのスカラマンガ造船所裁判で最終的に判決が言い渡され、ギリシャの金属労組POEMは自力で勝利を勝ち取った。投獄されていた労働組合員12人のうち11人が即時釈放され、1人は6カ月の執行猶予を受けた。この判決は、ヨーロッパ全域に及ぶ連帯キャンペーンによって支持された2年間の組合闘争を経て下された。姉妹団体インダストリオール・ヨーロッパとインダストリオール・グローバルユニオンの代表団が5月5日(月)にアテネの裁判所を訪れ、継続的支援を表明した。
ギリシャのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織パンヘレニック金属労連(POEM)に加入する造船労働者は、政府に激しく攻撃されている。スカラマンガ造船所の労働者は、1年以上にわたって劣悪で不安定な労働条件にさらされたのち、2012年10月4日にストに入った。労働者の雇用は、造船所経営者と、同工場が独占的に潜水艦と軍艦を建造しているギリシャ国防省との紛争の人質にされていた。造船所労働者の賃金は丸一年支払われていなかったが、国防省は労働者の苦況に対して無関心でいる。その後、国防省での抗議行動の際に警官隊との衝突が発生し、労働者が逮捕されるに至った。
警察と国防省による攻撃の結果、POEM会長を含む12人の労働組合員が告発され、法廷闘争にもつれ込んだ。2013年10月1日に法廷審問が行われたが、判決は2014年5月5日まで先送りされた。
造船・船舶解撤に関するインダストリオール・グローバルユニオン・アクション・グループは2013年11月、ギリシャの造船労働者に対する攻撃の中止ならびにPOEMとの連帯を求める決議を採択した。インダストリオール・ヨーロッパの主導により、インダストリオール・グローバルユニオンはギリシャ政府に対し、労働組合活動家の告訴を断念するとともに、スカラマンガ労働者のために公正かつ公平な解決策を見つけるよう要求する行動に加わっている。
代表団に参加した松崎寛インダストリオール・グローバルユニオン造船・船舶解撤部門担当部長は「これは政府の緊縮政策に苦しんでいるギリシャの労働者全員にとって象徴的な勝利だ。ギリシャ政府は、この事件から、人を最優先する新しい経済・社会モデルを採用することを学ばなければならない」と述べた。
下記のインダストリオール・ヨーロッパのウェブサイトも参照。
http://www.industriall-europe.eu/news/list2.asp?stid=199