広報ニュース

第24号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2014年4月~5月)

インダストリオールICT・電機・電子運営委員会

2014-04-09

ICT・電機・電子労組、組織化および不安定労働との闘いに集中

ンダストリオールICT・電機・電子運営委員会をベトナムで開催

 

インダストリオールICT・電機・電子運営委員会で座長を務める有野部会長

2014年49日にホーチミン市でインダストリオール・グローバルユニオンICT・電機・電子運営委員会が開催され、参加組合は組織化および不安定労働との闘いに集中する基本戦略を策定した。

 49日にベトナムのホーチミン市で、第2回インダストリオール・グローバルユニオンICT・電機・電子運営委員会が開催され、オーストラリア、フランス、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの16組合から42人(来賓2人を含む)が出席した。議題は以下のとおり。

●部門におけるグローバル・トレンドとインダストリオールの活動状況

●組織化および不安定労働との闘い

●持続可能な産業政策の促進

20142015年の優先事項と戦略

 ICT・電機・電子部門では、多国籍企業の労働集約的生産がASEAN諸国とインドに急速に移転している。インドは現在、製造業労働者の基準賃金が、世界最大のICT・電機・電子製品生産国である中国より低い。同時に、この部門では世界中で未組織労働者が増え続けており、労働者の基本的権利が保護されないまま自由貿易協定によって生み出された複雑なサプライチェーン・システムで、不安定雇用が増大している。

 運営委員会は今回、部門における不安定雇用の状況に関する調査を行い、7カ国の9組合から11件の事例を受け取った(背景文書のスライド1021を参照)。その結果、大多数の事例で常用労働者が不安定雇用に追い込まれており、組合は雇用条件に関して団体交渉を行う機会がまったくと言っていいほどない派遣労働者や外部委託労働者に接触するのに苦労していることが明らかになった。参加組合は、不安定労働者を組織化して同じ団体交渉協約の対象に含めるためにもっと努力すべき、という共通の優先課題を確認した。

 中華全国総工会(ACFTU)も来賓組織として会合に参加し、多国籍企業の労働者や移民・派遣労働者の組織化に関する見解を語った。中国の組合組織化活動も、工会加入に対する労働者(特に農民工)の意識が低い、かなり多くの労働者が失業や使用者からの圧力を恐れて、あえて組合組織化を要求しない、といった課題に直面している。ACFTUは、組合の魅力と一体性を強化するために、草の根組合の能力強化も重視している。

 有野正治部会長は次のように主張した。「ICT・電機・電子部門は、製造業部門の中で最も急速にグローバル化が進んでいる。そのため、この部門の組合は自らの役割と責任を認識し、組織化および不安定雇用との闘いを主導すべきだ」

 運営委員会は議論のまとめとして、前回の会合で決定された20132016年の10項目の優先課題の結論を全組合が引き続きフォローアップすること、2016年の目標を達成するために2014年の基本戦略に焦点を合わせることに合意した。

1. 組合の力の構築:執行委員会が支持するプロジェクトを開始。東南アジア5カ国で労働者の権利に対する認識を高め、ICT・電機・電子組合が労働者の組織化に関する初期の措置を実施。

2. グローバル資本への対抗:サムスンやフォックスコンなどの企業を標的として確認するために、関連組合とインダストリオールの間に組織機構を設置。多国籍企業に関して中国の労働者との相互理解・協力を深化。

3. 労働者の権利の擁護:企業プロファイリング/キャンペーンに関して他のGUFNGOUNIGoodElectronicsネットワークなど)と連携

4. 不安定雇用との闘い:組合が具体的な行動を起こし、キャンペーンへの参加を得ていることを明示。生活賃金との連携活動を展開。

5. 持続可能な産業関連雇用の確保:持続可能な産業政策活動に関する優良事例を共有し、今後の措置について討議。

  運営委員会の参加者は48日の会合の前日、ビンロク工業団地の電気器具会社ベトロニクス・タンビンの工場を視察した。参加者は労使関係について学び、主に国内市場とキューバ向けに冷蔵庫を生産する同工場の事業に関する情報も得た。

  参加者は、2015年にマレーシアで第8回アジア金属労組連絡会議と併せて、この部門の世界会議を開催することも確認した。

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