UAWとVW、承認に向けて一歩前進
2014-11-13
テネシー州チャタヌーガのフォルクスワーゲン工場を組織化しようと数年前から運動してきたUAW(全米自動車労組)は、労働者の過半数の支持を得た。同社は今、組合との公式対話を開始する。
フォルクスワーゲンは11月12日、「支持率が45%を超えれば、組合は2週間に1回、VWチャタヌーガの経営委員会と会談できる」という規定を含む新しい方針を発表した。
全米自動車労組(UAW)とドイツIGメタルは、この前進を歓迎しながらも、より多くのことを望んでいる。ゲーリー・キャスティールUAW書記長・財政部長は次のように述べた。
「これから行われる最初の対話で、私たちは会社側に、去年の春にドイツでフォルクスワーゲンとUAWが相互に合意した約束を思い出させる。約束の1つは、フォルクスワーゲンがUAWを組合員の代表として承認することだ。私たちは、フォルクスワーゲンは誠実にこの約束をしたと信じており、この約束を尊重すると信じている。さらに、チャタヌーガ工場経営陣に9月の同意書を提出する。この同意書の中で、影響力の大きいフォルクスワーゲン・グローバル・グループ従業員代表委員会は、チャタヌーガ工場を『UAWによって代表される施設』にしたいという願望を述べた」
デトレフ・ウェッツェルIGメタル会長はこう述べた。「VWに対し、UAWが労働者の過半数を代表していることを証明したら、旗幟を鮮明にし、団体交渉パートナーとしてUAWを受け入れるよう求める」
水曜日にVWが発表した方針は完璧なものではない。というのも、複数の組合が労働者を代表し、同社の交渉パートナーを務める可能性を残しているからだ。この工場には小規模な黄色労働組合が存在する。
UAW第42支部は、チャタヌーガのVW工場で労働者を組織化して代表するために7月に設立され、キャンペーンの間中、IGメタルとVWグローバル従業員代表委員会、インダストリオール・グローバルユニオンによって支援された。
チャタヌーガ工場はVW施設として世界で唯一、労働者代表を実現していない。マイク・キャントレル会長とスティーブ・コクラン副会長による新たに選出された指導部のもとで、第42支部はVWグローバル従業員代表委員会に加わる。これまで同工場は、労使が会社の方針を設定するために定期的に会合を開く、この世界規模の機関に代表を送っていない唯一の工場だった。
十分な資金のある反組合的な圧力団体が外部から影響を及ぼせば、チャタヌーガのVWで自由かつ公正な職場選挙を実施することはできない。そういうわけでUAWは、職場における発言権と労使関係機構によって労働者に力を与えるために、異なる組織化戦略に従っている。
フォルクスワーゲンは、UAWと協力して国際労働基準を尊重するために、アメリカ南部で反組合的な政治家などの圧力に対抗するうえで、自動車産業の模範を示している。UAWは、アラバマ州のメルセデス・ベンツとミシシッピ州の日産でも、厳しい環境の中で労働者を組織化するために運動している。