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第34号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2015年3月)

フィリピンの金属労働者が多国籍サプライヤーに照準

2015-03-09

 

労働者の権利を侵害する多国籍企業に対して抗議行動を展開するフィリピン金属労組

フィリピンの金属労組は、国内で労働者の権利を侵害している多国籍企業のサプライヤーに照準を合わせている。

  インダストリオー ル・グローバルユニオン加盟組織のフィリピン金属労働者同盟(PMA)は3月3日、無節操なサプライヤーでストを実施するキャンペーンを開始した。PMA は、学生主導の運動である労働者・若年者同盟(ALAY)と協力して、カトーレックフィリピン、森六、創美工芸、ヤング・シン・トロニクスで労働者の権利 を求めて闘う。

  上記サプライヤーのうち3社、カトーレックフィリピンと森六、創美工芸は、悪しき反組合的方針で知られる経済特区にある。

  キャンペーンの目的は、企業による嫌がらせや労働法違反が横行している現状を強調することである。

  組合幹部の証言は、労働者の権利の侵害が続く中で、企業側が処罰されない文化があることを浮き彫りにしている。「これらの企業は特別な毛布で保護されているかのようで、労働裁判所の決定さえ無視されている」とPMA代表は言う。

   「2回目の認証選挙で組合側が圧倒的な勝利を収めたにもかかわらず、カトーレックフィリピンは、当組合の承認も労働条件の改善に向けた交渉も拒否してい る。それどころか同社は、組合の指導者であるという理由で私を解雇した」とカトーレックフィリピン労組(KAPLU)のフェルミン・ガリシア会長は述べ た。

  KAPLUの女性役員は目に涙をためて、労働者が求めているのは賃金と労働条件の改善に尽きると力説し、「この会社で12年働いてきたが、その間わずかな賃金しか受け取ったことがなく、まともな生活を送るにはほど遠い水準だ」と嘆いた。

   フィリピンの森六では、組合が結成されるとすぐに労働者に対する嫌がらせや威嚇が始まり、特に組合役員が狙われた。「私たちが知る限り、組合側は違反や不 法行為は一切犯しておらず、ただ組合結成権を行使したいだけだ」と森六フィリピン労組のジョゼフ・アプリカドール会長は語る。しかし、この主張は経営側に 無視され、組合の会長と副会長がともに解雇された。

  「サムスンのサプライヤーであるヤング・シン・トロニクスは、話のポイントを理解し ていない。労働者が求めているのは、自分たちの利益を代表してくれる組合を持つことだけだ」とアプリカドール会長は述べ、「同社の労働者は、個別の闘いで は権利や給付改善を獲得するのが難しいことを理解し始めており、それが理由で共同行動を決定した」と付け加えた。

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