インドネシアの組合、インダストリオールの目標に向かって団結を強化
2015-04-01
2回のインダストリオール・ワークショップを通して、インドネシアで生活賃金と持続可能な産業政策を求める闘いが進展した。
インドネシアの産業では、熟練労働者がハイテク生産に従事している一方で、ローテクの原料抽出も行われている。輸入材料に依存して生産しながら、原料を輸出しているわけである。
このワークショップでインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織は、インドネシアが包括的な工業開発政策の一環として、加工や輸送などの接続産業を開発することの必要性を確認した。腐敗は依然インドネシアで取り組む必要がある非常に大きな問題で、インフラ改良用の資源をむしばんでいる。
インドネシア政府はMP3EIと呼ばれる2011~2025年の国家開発計画を立案しているが、組合は意見を聞かれず、その内容をほとんど知らない。この計画はジャワを産業中心地に指定し、他の地域は天然資源に重点を置いている。
加盟組織は、この計画は製造業をジャワに過度に集中させており、他の地域への投資を犠牲にしているのではないかと疑問を呈した。すべての地域で雇用増加と生活水準向上を推進するには、産業とインフラをもっと平等に配分する必要がある。この計画は、非再生可能エネルギーに基づいており、代替エネルギーや省エネ技術の奨励策を盛り込んでおらず、業界による環境責任の遵守も促進していない。
加盟組織は、他の組合や市民社会と連携して活動する必要があると結論づけ、組合員のみならず幅広いインドネシアの労働組合運動の間で、持続可能な産業政策とMP3EI計画に対する認識を高めることを約束した。持続可能な産業政策に関する決議を連合団体や総連合の大会にかける予定である。この会合で専門フェイスブック・グループが設置され、すでに多くの投稿が行われている。
この問題を先導するインダストリオール・インドネシア協議会の次の会合で、引き続き計画立案作業を行う。
生活賃金
「インドネシアの最低賃金は地域レベルで設定されている。組合は何とか最低賃金の大幅増額を勝ち取ったが、まだ労働者の基本的ニーズをカバーする水準ではない。不平等が拡大しており、賃金水準の地域格差が大きい。インドネシアのある地域は、東南アジアでラオスに続いて2番目に最低賃金が低い。政府は現在、最低賃金を5年に1回だけ引き上げ、その間に生活費を増額しないことを提案している」
加盟組織は、政府が最低賃金の設定にあたって、企業利潤が賃上げよりも大きく伸びている事実を考慮していないことを問題にした。グローバル・サプライチェーンで生み出された価値のうち、インドネシア国内に留保される割合を増やし、より公正に企業利益を分配できるようにするために、どのように部門別交渉を利用すればよいかをめぐって討議した。
インドネシアでは部門別交渉がいくつか行われているが、対象範囲が狭く、交渉相手の使用者は業界を代表しているわけではない。産業別アプローチを採用すれば、地域間の賃金格差をなくし、同じ企業の労働者が勤務地にかかわらず同じ賃金を受け取れるよう確保するうえで役立つだろう。
組合は、現在の最低賃金決定メカニズムは労使に発言権があるので価値はあるが、改善の必要があることに合意した。構成メンバーの質と量を改善する必要があり、最低賃金を下回る賃金しか支払わない企業に対する制裁に基づき、適正に実施すべきである。賃上げ後に物価を抑えるために政府の措置も必要である。5年に1回しか賃上げしないという政府案を拒絶しなければならない。
ワークショップは最後に、共同行動の促進と、賃金要求に関する組合間の連携改善について合意した。その中で、特に全国部門別賃金協約を目指して前進すべきであることを強調した。