アスベスト反対グローバル・キャンペーンが国連に照準
2015-05-05
国連が温石綿を危険物質リストに追加するかどうかに関する票決の準備をしている中で、この致命的な有毒鉱物の貿易を阻止するためにグローバルな労働組合キャンペーンが進展している。
インダストリオール・グローバルユニオンと加盟組織のオーストラリア製造労組(AMWU)は、5月11~14日にスイス・ジュネーブで開催される国連会議で、温石綿をロッテルダム条約の危険物質リストに追加するかどうか票決するために準備中の各国に対し、圧力を強めている。
この条約は他の種類のアスベストをリストに含めていながら、まったく同じくらい致命的で、今も商業目的に使われている唯一の種類のアスベストである温石綿を掲載していない。
ジュネーブ都心を走る路面電車やバスでの強力な広告キャンペーンは、住民や会議参加者にアスベストの驚くべき危険を再認識させようとしている。このキャンペーンは5月6日から2週間にわたって実施される。
来週、AMWUと別のインダストリオール加盟組織CFMEUを含むオーストラリアの組合代表団と、インドのアスベスト被害者がジュネーブを訪れ、キャンペーンを支援するために一連の行動を実施する。
アスベストは石綿肺症や中皮腫など、完治する方法がないがんや肺病を引き起こす。世界保健機関の推定によると、アスベスト曝露が原因で年間10万人が死亡している。
それにもかかわらず、今も毎年200万トンの温石綿が売買されており、国際規制はない。
インドやインドネシアなど50カ国で禁止されているが、消費量が増えている。
主要なアスベスト輸出国であるロシア、ブラジル、カザフスタン、インドは、条約に基づいて温石綿の輸出を制限する案に拒否権を発動しようとしている。
「条約で温石綿をリストに掲載するにはすべての国の同意が必要なので、この4カ国には、何千人もの命を奪うことになる拒否権に対して責任を負わせなければならない」とアンドリュー・デットマーAMWU全国会長は言う。
ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長はこう述べた。
「吐き気を催させるアスベスト貿易を終わらせなければならない。すべてのアスベストに致死性がある。これらの国々は責任を取り、アスベストの採掘と使用を中止する必要がある」
いくつかの加盟組織はインダストリオールの要請に応じて自国政府に書簡を送り、来週のジュネーブ会議で温石綿のリスト掲載を支持するよう要求している。
インダストリオールは、このキャンペーンと共同出版物『アスベストは殺人物質』で、国際建設林業労働組合連盟(BWI)グローバル・ユニオンとも協力している。
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