アスベストに反対する世界的規模の組合行動
2015-05-14
インダストリオール・グローバルユニオンとはるばるオーストラリアから参加した加盟組合は今週、スイスのジュネーブでキャンペーンを実施し、世界中でアスベストを禁止するために闘っている。
***最新情報:2015年5月14日、ロシア、キルギスタン、カザフスタンの3カ国が、ロッテルダム条約附属書Ⅲに掲げる化学物質に温石綿を加えることに反対を表明した。***
イギリスのユナイトだけでなく、オーストラリアのインダストリオール加盟組織AMWUとCFMEUも、5月12日に国連ビルの外で被害者団体および国際建設林産労連とともに抗議した。
ロッテルダム条約の危険物質リストに温石綿を掲載するかどうか決定するために、160カ国以上の政府代表が国連会議に参加している中で、このデモは行われた。
「アスベスト産業の嘘にだまされてはならない――あらゆる種類のアスベストに致死性がある」とブライアン・コーラー・インダストリオール安全衛生担当部長は、会合に参加した代議員に力強く訴えた。
条約に掲載されれば、温石綿の輸入国は、この物質に致死性があることを認識するだろう。
しかし、ロシアやブラジル、中国といったアスベスト生産国は、主要輸入国のインドと同様に、リスト掲載に拒否権を発動すると予想される。
アンドリュー・デットマーAMWU全国会長は5月13日の会議で次のように述べた。
「温石綿がロッテルダム条約に掲載されていないのは重大な背徳的行為だ」
危険性を示す確かな科学的証拠があり、世界保健機関(WHO)が支持しているにもかかわらず、ロシアから資金を供給されている有力な温石綿推進キャンペーン団体は、温石綿の安全性を主張しようとしている。
WHOによると、アスベストがまだ使用されている国々で、およそ3億人がこの危険物質にさらされている。
オーストラリアの加盟組織がジュネーブに招いたインドの石綿肺症患者シャラド・サワントが、この会議で人の心をつかむ話をし、温石綿の身に迫る危険を実体験に基づいて証言した。
インドには600以上のアスベスト工場があり、治療法がないアスベスト関連疾患で数千人が苦しんでいる。
インダストリオールは、ジュネーブの交通機関で2週間の広報キャンペーンを実施中で、会議参加者と一般大衆に、アスベストがまだ生産されており、そのために年間10万人以上が死亡していることを思い出させている。
「グローバルな労働運動は、科学的側面を調べ、同志たちが亡くなっている現状を認識しており、あらゆる種類のアスベストの全面禁止を要求している」とコーラーは言う。