IGメタル、グローバル協定の強化に専心
2015-06-15
ドイツのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織IGメタルで、約50人の組合幹部と従業員代表委員会代表が、同労組が交渉と実施を主導した既存のグローバル枠組み協定(GFA)を評価するために突っ込んだ議論を行った。
この会合は2015年6月2~3日にフランクフルトのIGメタル本部で開かれ、この問題に取り組むワークショップの参加者が、GFA分野における経験と包括的な進展について討議した。対象となったのは、インダストリオール・グローバルユニオンが多国籍企業と締結した46本のGFAで、ドイツ系企業はこれらのGFAにおいて重要な役割を担っている。これらの協定は、航空宇宙から機械エンジニアリングまで多岐にわたる部門をカバーし、ILO中核的条約、ディーセント・ワーク、労働安全衛生、児童労働・強制労働の禁止など、いくつかの問題に言及している。
参加者は、2014年12月にチュニスの執行委員会で採択されたインダストリオール・グローバルユニオンの新しいGFAガイドラインについても議論した。この新しいガイドラインは、新規GFAの交渉・締結手続きに関するいくつかの原則も、透明かつオープンに定めている。参加者は、90年代終わりにさかのぼるGFAや最近締結されたばかりのGFAをめぐる進展を分析した。
参加者は、先ごろ研究者とともに実施された第1世代・第2世代の既存GFAに関する調査の結果にも検討を加えた。この研究は、これらの協定が多国籍企業の方針に予想以上に大きな影響を与えていることを証明している一方で、まだまだ先は長いことも示している。ワークショップでは、「労働組合と従業員代表委員会の存在と圧力が、GFAの成功に不可欠であることに疑問の余地はない。フォローアップしなければ、いくつかの第1世代協定の悪例が示すように、協定が休眠状態になってしまう」と指摘された。このワークショップでは、多国籍企業が事業を展開している世界中の国々で、協定の実施と全国・地方組合の能力強化が重要であることも強調された。
ウォルフガング・レムIGメタル執行委員が、機能するGFAの価値を過小評価してはならず、同時に、GFAは複雑な手段の1つであるため、一連の活動や労働組合の存在に埋め込むことが重要だと明言した。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は、プレゼンテーションで次のように述べた。
「インダストリオールにとって、GFAは私たちがGFAガイドラインにおいて共同で定義した基準を満たさなければならない。少なくとも、結社の自由、団体交渉権、児童労働・強制労働の禁止、非差別ルールのようなILO中核的労働基準を盛り込まなければならない。しかし、私たちはそれ以上のことを求めている。その名に値するGFAによって、締約企業の従業員のために変化をもたらしたいと考えており、サプライチェーンや、労働組合の参加によるGFA監視ルールを組み入れなければならない」
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