2005年闘争評価と課題・中間まとめ
 
2005年5月31日
金属労協/IMF−JC
第7回中央闘争委員会
 
◆目次◆


T.2005年闘争の経過
1.要求の策定について
2.闘争の経過と労使の主張


U.取り組み結果
1.賃 金
2.一時金
3.労働時間およびその他諸制度の取り組み

V.2005年闘争の評価と課題
1.2005年闘争の全体評価
2.具体的な取り組みの評価と課題
3.2006年闘争に向けた課題


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T.2005年闘争の経過


1.要求の策定について

(1) 情勢認識について


2005年闘争の要求策定にあたっては、日本経済や金属産業の動向、勤労者をとりまく状況を分析し、
・日本経済は景気回復が続いているものの、先行き不透明感が増し、いまだデフレからの脱却は困難となっている。
・金属産業各企業の業績は増収増益傾向であり、一部に改善の遅れがみられるものの全体として回復している。
・完全失業率は依然として高水準であり、雇用形態の多様化がさらに進展している。
・日本全体の賃金水準は低下傾向が続き、規模間格差は拡大している。
・少子・超高齢化の進展など、社会の変化に対応した労働条件の整備が必要となっている。

等の情勢認識の下で、要求策定を行いました。



(2) 2005年闘争の位置づけ

2005年闘争を取り組むにあたっては、上記の情勢認識を踏まえるとともに、第2次賃金・労働政策で提起した「生活との調和と自己実現をめざす多様な働き方」の実現をめざす取り組みの第一歩と位置づけ、日本経済の成長や企業業績回復の成果を職場実態に応じた総合労働条件へ反映させ、さらにあるべき労働条件の指標を示すことによる未組織労働者を含めた社会全体への波及をめざし、社会的な共感を呼び起こす運動を推進することとしました。
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(3) 具体的な要求と取り組み

基幹産業である金属産業にふさわしい賃金水準の実現のため、大くくり職種別賃金水準の形成に向けた条件整備を進め、産業間・産業内の賃金格差是正に積極的に取り組むと同時に、労働時間をはじめとした諸制度の充実や適正な運用をはかり、さらに、企業内における労働条件決定を、未組織労働者を含めた社会全体へ波及させる運動を推進することとしました。具体的には、下記の取り組みを推進することとしました。

1.総合労働条件の改善
(1) 賃 金
@金属産業にふさわしい賃金水準をめざす取り組み

a.大くくり職種別賃金水準形成に向けた取り組みの具体化
●大くくり職種別賃金形成に向けて、仕事・役割重視、絶対水準重視の個別賃金決定に向けた取り組みを推進します。2005年は取り組み可能な産別、単組からスタートしていきます。

b.賃金水準の引き上げ
●産業間・産業内の賃金格差の実態や、業績回復に対する組合員の貢献を踏まえ、積極的に格差改善に取り組みます。
@.標準労働者の到達目標
*集計対象A組合(1,000人以上)の賃金水準に基づき、取り組み目標として設定
・高卒35歳・勤続17年・技能職を309,000円以上
・高卒30歳・勤続12年・技能職を266,000円以上
A.標準労働者の最低到達目標
*金属産業における賃金格差の圧縮を図るため、全単組の到達をめざす水準として設定
・上記、標準労働者の到達目標の8割程度

c.賃金構造維持分の確保と賃金制度確立
●金属労協傘下のすべての組合は、同一銘柄における賃金水準の維持・確保を図るため、賃金構造維持分確保の取り組みを強力に進めます。
●定期昇給(相当)分込みで取り組む組合については、産別指導のもとで、実態を踏まえて対応することとします。なお、定期昇給(相当)分は、金属労協全体として2%、6,000円程度とします。
●大くくり職種別賃金水準を示すことができる賃金制度確立に向けて取り組みを進めます。

AJCミニマム運動(JCミニマム(35歳)、最低賃金協定、法定産業別最低賃金)の推進
a.「JCミニマム(35歳)」の確立
●金属産業で働く勤労者(35歳)の賃金の最低到達基準を「JCミニマム(35歳)」として示します。
●「JCミニマム(35歳)」は、210,000円とします。

b.企業内最低賃金協定締結の強化
●金属産業の18歳最低賃金の金額水準は、149,500円以上とし、全単組の締結をめざします。

c.法定産業別最低賃金の取り組み強化
●金属産業に働く勤労者全体の賃金水準の底支えを図るため、法定産業別最低賃金の金額改正、新設に取り組みます。


(2) 一時金
●一時金の要求は、年間5カ月を基本とします。
●年間総賃金の安定確保に向けて、一時金に占める固定的支出を念頭に、最低でも年間4カ月を確保することとします。


(3) 労働時間およびその他の諸制度の取り組み
@労働時間

●生活との調和を図り、雇用の維持・確保を図る観点から、年休取得促進や超過労働の削減等によって、金属産業で働くすべての労働者について、年間総実労働時間1,800時間台の実現をめざします。
●2005年闘争では、不払い残業を撲滅すべく労働時間管理の徹底を図るとともに、36協定特別条項の見直しに伴い、要員確保を含めた取り組みを強化します。
●さらに今後、割増率引き上げの取り組みに向けて、労働時間法制や労働時間政策のあり方を早急に論議していきます。
A60歳以降の就労確保
●60歳以降の就労確保の3原則
・働くことを希望するものは、誰でも働けること。
・年金満額支給開始年齢と接続すること。
・60歳以降就労するものについては、引き続き組織化を図ること。
B仕事と家庭の両立支援
●「次世代育成支援対策推進法」に対応した行動計画の策定およびそのフォローには労働組合が参画し、組合員の意見反映に努めます。
●仕事と家庭の両立支援のために、育児・介護に関連する制度の充実を図ります。
●仕事と家庭の両立につながる実労働時間の削減を図ります。
C労災ならびに通災付加補償
●金属産業に働く者の死亡ならびに障害等級1〜3級(退職)の付加補償水準として到達すべき3,200万円に未到達の組合は、当面3,200万円への引き上げをめざした取り組みをすすめます。
●通勤途上災害についても、労災に準じて取り扱うことを基本に、取り組みます。
D退職給付制度の整備
●制度改定を行う場合には、給付水準が低下することのないよう、等価転換の原則を基本とした制度改定を行います。
●産業・企業の実態を踏まえて、退職給付水準の引き上げに取り組みます。
E派遣労働者等の非典型労働者の受け入れに関わる労使協議
●職場の秩序維持、職場の安全確保の観点から、派遣労働者等の非典型労働者受け入れに伴う法の遵守や公正な処遇のあり方について労使協議を行います。
●非典型労働者の受け入れ数や職場への影響・課題について労使協議を行います。


2.政策・制度、産業政策の取り組み
(1) デフレの早期解消と持続的景気回復の実現
(2) 産業別に形成される賃金の下支えと公正競争の確保を図る「産業別最低賃金」の継承・発展
(3) ライフスタイル改革の契機となるサマータイム制度の導入などに関し、金属労協としての発言をさらに強化していきます。
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2.闘争の経過と労使の主張

(1) 闘争の経過
@2005年闘争シンポジウム

2004年11月10〜11日に、「2005年闘争シンポジウム」を開催し、2005年闘争の要求策定に向けて、基本的考え方ととりまく情勢について理解を共有化しました。さらに、「第2次賃金・労働政策」の基本となる「賃金・労働条件の社会性と労働組合の役割」について、講演とパネルディスカッションを行い、課題認識を深めました。

A2005年闘争中央討論集会
2005年1月18〜19日に、「2005年闘争中央討論集会」を開催しました。2005年闘争では、これまで3月上旬に開催していた闘争推進集会を開催しなかったことから、中央討論集会を強化し、「2005年闘争に対する各産別の取り組みと春季生活闘争の変革」をテーマに、各産別の委員長・会長によるパネルディスカッションを行い、中期的な運動課題を踏まえた2005年闘争の取り組みについて論議を行いました。また、日本経団連・経営労働政策委員会報告への反論を中心に、「2005年闘争ミニ白書」における金属労協の主張点について論議を行いました。

B戦術委員会の開催
・ 第1回戦術委員会(2004年12月13日)では、日本経団連「経営労働政策委員会報告」  (12月14日発表)に対する見解を第1回中央闘争委員会において明らかにすることや、集中回答日を3月16日とすることなど、大綱日程を確認しました。
・第2回戦術委員会(2005年1月25日)では、日本経団連「経営労働政策委員会報告」  に対して、「人」を財産として活かし、現場力を高めていくことが必要であることや、産業間・産業内の賃金格差是正を積極的に図ることが重要であることなど、経労委報告に対する課題ごとの見解や、2005年闘争に対する金属労協の主張点を取りまとめ、「2005年闘争ミニ白書」を発表することを確認しました。
・ 第3回戦術委員会(2005年2月25日)では、集計対象A組合を中心とした要求提出の状況を把握し、今後の交渉に臨む基本姿勢を確認しました。
・ 第4回戦術委員会(2005月3月3日)では、これまでの交渉経過を把握し、経営側の慎重な姿勢に対して、着実な成果を引き出すべく、粘り強く取り組みを展開していくことを確認しました。
・ 第5回戦術委員会(2005年3月11日)では、交渉の最終局面に臨む各産別の最終方針を把握しながら、最終交渉に臨む基本姿勢を下記のとおり確認しました。
●大くくり職種別賃金への準備
・ 産別の実態を踏まえつつ、個別賃金銘柄による交渉および回答推進に取り組む。
●JCミニマム運動
・ 「JCミニマム(35歳)21万円」は、各産別の実態を踏まえ、これ以下をなくす運動を強力に追求する。
・ すべての組合で企業内最低賃金協定の締結をめざす。
・ 金属産業全体の賃金の底割れを防ぐべく、最低賃金協定を基軸として、法定産業別最低賃金の改正と新設の取り組みを展開する。
●賃 金
・ すべての組合は賃金構造維持分の確保を果たす。
・ ベアや賃金格差改善、賃金体系是正に取り組む組合をJC共闘全体で支え、賃金の引き上げを実現する。
●一時金
・ 生活安定の観点から、最低でも年間4カ月を確保し、要求実現へ向けて最大限の交渉を行う。
・ 第6回戦術委員会(2005年3月16日)では、集中回答日11時30分現在の回答状況に対して、JC共闘として一定の成果を引き出すことができたものと受け止め、さらに、JC共闘体制を堅持し、交渉を継続する企業連・単組を支えていくことを確認しました。
・ 第7回戦術委員会(2005年4月4日)では、3月末段階の交渉状況を把握し、取り組みの成果を、今後回答引き出しに取り組む中小労組に波及させ、積極的な格差改善を実現すべく、産別指導のもと4月月内の解決をめざして粘り強く団体交渉を展開していくことを確認しました。
・ 第8回戦術委員会(2005年4月27日)では、4月末段階での回答状況を踏まえ、産別指導の下で解決の促進を図ることを確認しました。また、要求や回答に対する評価、今後のJC共闘の課題等について論議を行い、第9回戦術委員会において、2005年闘争の中間まとめを行うことを確認しました。
・ 第9回戦術委員会(2005年5月31日)では、2005年闘争を集約し、同日開催の第6回中央闘争委員会をもってJC共闘の闘争諸機関を解散することを確認しました。

(2) 日本経団連の主張と金属労協の対応
@日本経団連「経営労働政策委員会報告」(2003年12月16日)

日本経団連は、2004年12月14日に、「労使はいまこそさらなる改革を進めよう」と題して、「経営労働政策委員会報告」を発表しました。この中では、「多様性」と「現場力」をキーワードとして提起し、「労使による人材力の育成こそが企業発展の源泉」としていますが、雇用、賃金に関する経営側の考え方は、労働法制の「一層の規制改革・緩和」を主張するなど、むしろ「現場力」低下を加速しかねないと言わざるを得ないものとなっています。また、賃金については、「市場横断的な横並び」「全従業員の賃金カーブの毎年の一律的底上げ」というベースアップを否定し、個別労使の責任で水準を引き上げることは自由と主張しました。

A「人が財産、人がつくる現場力−日本経団連「経営労働政策委員会報告」に対する見解−」

金属労協は、日本経団連「経営労働政策委員会報告」に対して、2004年12月22日、「人が財産、人がつくる現場力」と題する見解を発表しました。見解では、「人」を財産として活かし、現場力を高める観点から、「現場力」の復活・向上について、賃金決定のあり方、総合的な労働条件の整備・改善と労働法制への対応、3点について見解を取りまとめました。

「現場力」の復活・向上については、職場では人員削減等によって職場要員がギリギリの状況となっていることや雇用形態の多様化によって、技術・技能の継承・育成が不十分になっている。このことが、「現場力」の低下をもたらしていることから、ヒューマンな長期安定雇用を基本としながら、企業自ら雇用の安定と教育・訓練の充実を図り、働く者が能力を発揮することができる環境を構築していかなければならないことを指摘しました。

賃金決定のあり方については、「市場横断的な横並び」「全従業員の賃金カーブの毎年の一律的底上げ」というベースアップの否定や、定期昇給制度を「廃止を含めて制度の抜本的改革を急ぐべき」と主張していることに対して、創造的技術、知的熟練を維持・向上するためには、「努力すれば報われ」、個々人の賃金水準で実感できることが第一であり、将来にわたり安定した生活が見通せることが重要であることを指摘しました。

総合的な労働条件の整備・改善と労働法制への対応については、労働法制の「一層の規制改革・緩和」の主張に対して、労働分野の規制緩和は、雇用の安定を損ない、労働条件の悪化を招き、階層化を加速するのみであることや、むしろ、経済・社会や働き方の変化に対応したセーフティーネットを強化していく必要があることなどを指摘しました。


B 金属労協「2005年闘争ミニ白書」
 2005年2月2日に開催した書記長会議において、2005年闘争に対する金属労協の主張点を取りまとめ、「2005年闘争ミニ白書」として、確認・発表しました。ミニ白書では、@.勤労者に対する適正な成果配分を、A.ベースアップの意義、B.低下しつつある日本の人件費水準、C.長期安定雇用を基礎とした国際競争力の強化、D.JCミニマム運動による賃金の下支え、E.賃金制度整備といわゆる成果主義賃金に関して、F.長時間化する労働時間、G.仕事と家庭の両立支援のための次世代育成支援対策推進法、育児・介護休業法への対応、H.高齢者雇用安定法の改正と60歳以降の就労確保、I.格差の拡大と個人消費の動向、I@.CSR(企業の社会的責任)と賃金・労働条件決定、の11の視点から、日本経団連の主張に対して詳細な反論を行いました。



(3) 企業別交渉における労使の主張
@ 会社側の主張

 会社側は、原材料費の高騰や円高、グローバル競争の激化など、企業をとりまく環境が先行き不透明であることを強調し、厳しい姿勢を示しました。とりわけ、業績見通しを下方修正した企業などにおいては、組合員の協力・努力を認めつつも、業績を踏まえた厳しい対応をせざるを得ないとの主張を行いました。また、業績が好調な企業においても、企業体質の強化や今後の産業・企業の見通しを理由に、慎重な態度を示しました。
A 労働組合の主張
 金属労協傘下の企業連・単組は、生き残りをかけた事業構造改革に取り組んできた組合員の協力・努力が着実な成果を生み出してきたことや、今後も企業を発展させていくためには、組合員の努力に報い、生活の安定を図りつつ、「人」への投資をすべき時であることを強く主張しました。また、景気に対する不安感を払拭し、日本経済を本格回復させるためには、個人消費の拡大が不可欠な要素であり、日本経済や企業業績の回復の成果を適正に勤労者に配分していかなければならないことについても主張を展開しました。

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U.取り組み結果

1.賃 金

(1) ベア、賃金格差改善、賃金体系是正源資等の獲得
<全体集計>

2005年闘争 2004年闘争
(同時期)

構成組合

獲得組合

3,517組合

190組合

3,559組合

101組合

* 全体集計は7月末に把握。


(2) 賃金構造維持分の確保と賃金制度確立

@賃金構造維持分の確保
<集計対象組合>


 

 

2005年闘争

2004年闘争

(同時期)

A組合

(組合員1,000人以上)

 

 

構成組合

65組合

65組合

回答引き出し組合

65組合

65組合

賃金構造維持分・定期昇給を確保した組合

65組合

65組合

賃金構造維持分・定期昇給を確保できなかった組合

0組合

0組合

B組合

(同300〜999人)

 

構成組合

67組合

68組合

回答引き出し組合

62組合

65組合

賃金構造維持分・定期昇給を確保した組合

51組合

52組合

賃金構造維持分・定期昇給を確保できなかった組合

4組合

9組合

未確認組合

7組合

4組合

C組合

(同299人以下)

 

 

 

構成組合

55組合

59組合

回答引き出し組合

54組合

54組合

賃金構造維持分・定期昇給を確保した組合

40組合

37組合

賃金構造維持分・定期昇給を確保できなかった組合

6組合

8組合

未確認組合

8組合

9組合

<全体集計>

 

2005年闘争

2004年闘争

(同時期)

構成組合

3,517組合

3,559組合

要求提出組合

3,099組合

3,100組合

回答・集約組合

2,775組合

2,669組合

回答・集約組合のうち、賃金構造維持分確保の有無を判断できる組合

1,764組合

(63.6)

1,763組合

(66.1)

賃金構造維持分・定期昇給を確保した組合

(ベア等獲得組合含む)

1,460組合

(82.8)

1,428組合

(81.0)

賃金構造維持分・定期昇給を確保できなかった組合

304組合

(17.2)

335組合

(19.0)

 

A「賃金構造維持分・定昇制度」の労使確認

<全体集計>

 

2005年闘争

2004年闘争

(同時期)

構成組合

3,517組合

3,559組合

労使確認されている組合

673組合

680組合

労使確認されていないが組合にて把握・推計できる組合

1,168組合

1,218組合

 

(3) 平均賃金の引き上げ(定昇込み)

<全体集計>

 

 

2005年闘争

2004年闘争

(同時期)

組合員1,000人以上

組合数

組合員数

賃上げ額

比率

115組合

398,664人

5,403円

(100.0)

133組合

477,411人

5,143円

(100.0)

同300〜1,000人

組合数

組合員数

賃上げ額

比率

374組合

192,893人

4,498円

(83.3)

374組合

190,366人

4,435円

(86.2)

300人未満

組合数

組合員数

賃上げ額

比率

1,596組合

153,247人

3,883円

(71.9)

1,557組合

155,227人

3,645円

(70.9)

*注:()は、組合員1,000人以上の組合の賃上げ額を100としたときの比率。

(4) 最低賃金協定の締結

<集計対象A組合(組合員1,000人以上)>

 

2005年闘争

2004年闘争

(最終7/22)

構成組合

65組合

65組合

18歳最賃協定締結組合数

42組合

51組合

うち昨年水準に上積みした組合

1組合

1組合

全従業員対象最賃協定締結組合数

12組合

9組合

うち昨年水準に上積みした組合

2組合

2組合

<全体集計>

 

 

2005年闘争

2004年闘争

(最終7/22)

構成組合

 

組合

3,557組合

18歳最低賃金協定

協定締結組合数

組合

1,053組合

 

協定金額(月額)

149,377円

全従業員協定

協定締結組合数

組合

277組合

 

協定金額(時間額)

810円

*JC全体の最低賃金協定締結状況は、7月末集計で把握。<ページのトップへ>

2.一時金

<集計対象A組合(組合員1,000人以上)>

 

2005年闘争

2004年闘争

(同時期)

構成組合

65組合

65組合

月数または金額で昨年実績を上回った組合

31組合

(73.8)

31組合

(68.9)

横ばい

3組合

(7.1)

7組合

(15.6)

下回った組合

8組合

(19.0)

7組合

(15.6)

業績連動により決定する組合

23組合

19組合

<全体集計>

 

2005年闘争

2004年闘争

(同時期)

要求組合

2,451組合

2,450組合

回答・集約組合

2,057組合

1,955組合

業績連動により決定する組合

161組合

118組合

年間5カ月以上または半期2.5カ月以上

399組合

(21.1)

306組合

(16.9)

年間4.5カ月以上5カ月未満

または半期2.25カ月以上2.5カ月未満

305組合

(16.2)

288組合

(15.9)

年間4カ月以上4.5カ月未満

または半期2カ月以上2.25カ月未満

501組合

(26.6)

451組合

(24.8)

年間4カ月未満または半期2カ月未満

682組合

(36.1)

771組合

(42.5)

昨年実績を月数または金額で上回った組合

1,113組合

(60.7)

1,029組合

(56.5)

横ばいの組合

365組合

(20.0)

381組合

(20.9)

下回った組合

356組合

(19.4)

410組合

(22.5)

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3.3.労働時間およびその他諸制度の取り組み

(1) 年間総実労働時間の短縮

・ 所定労働時間短縮や年休付与日数増、年休取得促進、超過労働の削減等、年間総実労働時間短縮のための労使交渉・協議によって、いくつかの組合で具体的な前進が図られ、また、年間総実労働時間削減のための労使協議の場の設置等が行われました。
・ 同時に、健康管理、メンタルヘルス対策等についても協議が図られました。

(2) 60歳以降の就労確保

・ 60歳以降の就労確保のための制度導入が図られた組合は1,828組合となり、昨年7月時点の1,758組合から64組合増加しました。また、高齢者雇用安定法が改正され、2006年度以降、段階的に65歳までの雇用確保が義務化されることに対応して、すでに制度が導入されている企業連・単組においても、制度の見直し・充実に取り組み、前進することができました。

(3) 仕事と家庭の両立支援

・次世代育成支援対策推進法や改正育児・介護休業法への対応として、育児休業期間の延長や、子の看護休暇の付与、介護休業制度の弾力化等について、労使交渉・労使協議が行われ、いくつかの組合では法を上回る対応を確認することができました。

(4) 労災ならびに通災付加補償

・ 労災付加補償については、いくつかの組合で死亡時3,200万円への到達を目指した要求を行い、専門委員会での検討を行うこととなりました。

(5) 退職給付制度の整備

・ 退職金増額の要求を行った組合では、定年加算の回答を引き出しました。

(6) 派遣労働者等の非典型労働者の受け入れに関わる労使協議

・ 非典型労働者の増加による課題について労使協議が図られ、共通の認識を深めることができました。


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V.2005年闘争の評価と課題



1.2005年闘争の全体評価
2005年闘争は、景気回復が続いているものの、先行き不透明感が増しており、デフレからの脱却が未だ困難な中での取り組みとなりました。金属産業各企業の業績は、増収増益傾向となっており、一部に改善の遅れがみられるものの、全体として回復している状況となりました。日本経済や金属産業を取りまく環境が明るさを見せながらも、産業・企業ごとの置かれた状況の違いが顕在化し、産別、企業連・単組ごとの取り組みが多様化している中での取り組みとなりました。
金属労協は、2004年9月、新たな闘争への変革が求められているとの認識の下で、第2次賃金・労働政策を取りまとめ、「大くくり職種別賃金水準の形成」や「JCミニマム運動」「総合労働条件の改善」等の取り組みによって、「生活との調和と自己実現をめざす多様な働き方」の実現をめざすことを確認しました。2005年闘争では、その実現に向けた取り組みの第一歩と位置づけながら、日本経済の成長や企業業績回復の成果を職場実態に応じた総合労働条件へ反映し、あるべき労働条件の指標を示すことによる未組織労働者を含めた社会全体への波及を目指す闘争と位置づけ、総合労働条件の改善に向けて積極的な取り組みを展開しました。


今次闘争で、日本経団連は、「市場横断的な横並び」「全従業員の賃金カーブの毎年の一律的底上げ」という意味でのベアを否定したものの、個別企業労使の判断で賃金を引き上げることは自由であるとしました。一方、金属労協や傘下各産別では、統一的なベア要求基準を見送りましたが、傘下の企業連・単組においては、自らの賃金実態を分析した上で、主体的な取り組みによって、ベア等に取り組む組合が大幅に増加しました。


連合が中小・地場共闘を重視する中で、JC共闘の役割と責任を自覚して、主体的に取り組みを展開しました。要求決定以降、交渉段階になって、業績の下方修正がされた企業がでたことから、業績が好調な企業においても先行き不透明感が広がり厳しい交渉となりましたが、賃金・労働条件の下支えを図りつつ、JC全体として、総合労働条件の改善を果たすことができました。とりわけ、賃金実態に対する経営側の認識を促し、多くの組合が賃金格差是正や賃金体系是正のために、労働組合が自らの賃金実態を分析した上で、主体的な取り組みを推進したことは、大きな成果であると受け止めます。金属産業の賃金水準改善が課題となっており、個別賃金水準を重視しながら、産業間・企業間の賃金格差是正を図る取り組みを更に拡大し、金属産業全体の賃金水準改善につなげていくことが必要です。 <ページのトップへ>

2.具体的な取り組みの評価と課題
(1) 賃 金
@大くくり職種別賃金水準形成

金属労協では、これまでも個別賃金による賃金決定を推進してきました。2005年闘争では、個別賃金決定の取り組みをさらに推し進め、取り組むことが可能な企業連・単組から、仕事・役割重視、絶対水準重視の個別賃金決定の取り組みをスタートすることとしました。その結果、従来以上に個別賃金水準を掲げて要求・交渉を行い、個別賃金水準での回答を引き出す組合が増加し、第2次賃金・労働政策で掲げた大くくり職種別賃金水準の形成に向けて、具体的な前進を図ることができました。
今後さらにこの取り組みを拡大するためには、大くくり職種別賃金の「基幹労働者」の銘柄づくりに向けて、共通認識づくりを進めていくことが必要です。また、公的データとともに、組合員の賃金実態把握と分析を強化することによって、他産業・他企業との比較によって賃金の位置づけを明確化し、賃金格差是正等に取り組むことができる体制を整備していきます。
さらに、大くくり職種別賃金水準形成の取り組みによって、金属産業にふさわしい賃金水準の実現をめざすとともに、社会的に影響を持ち得る金属産業の賃金水準の相場形成づくりを強めていくこととします。

A賃金水準の引き上げ
2005年闘争では、産業間・産業内の賃金格差の実態や、業績回復に対する組合員の貢献を踏まえて、積極的に格差改善に取り組むこととしました。ベア、賃金格差是正、賃金体系是正などに取り組む組合が増加し、獲得組合数も昨年を大幅に上回ることができました。また、平均賃上げ方式で取り組む組合においても、昨年を上回る引き上げ額を獲得することができました。大手組合のほとんどがベア要求を見送る中にあっても、産別指導の下で、企業連・単組が積極的にベア等によって賃金格差是正に取り組み、獲得することができる流れが広がりつつあると考えられます。
日本の基幹産業である金属産業にふさわしい賃金・労働条件の実現は引き続き課題となっています。また、賃金水準は全体的に低下傾向となっており、格差拡大傾向も続いています。2005年闘争の取り組みの流れを確実なものとし、月例賃金の重要性を再認識しながら、賃金水準の引き上げに取り組むことができる体制づくりを推進していくことが重要です。

B賃金構造維持分の確保と賃金制度確立
集計対象A組合では、すべての組合が賃金構造維持分・定昇を確保することができました。また、金属労協全体では、賃金構造維持分・定昇確保の有無が判断できる組合のうち、約83%の組合で賃金構造維持分を確保することができました。組合員の生活安定を図る取り組みとして、一定の役割を果たすことができたと受け止められます。   
しかしながら、金属労協全体では、賃金構造維持分確保の有無を判断できる組合が6割に留まり、また、賃金構造維持分・定期昇給制度を労使確認している組合は半数程度にとどまっています。
賃金構造維持分の確保は、現行の賃金水準を維持するために不可欠です。産別指導の下、通年的な取り組みによって賃金制度を確立するとともに、賃金構造維持分の労使確認や、個別賃金水準の把握を行い、さらに配分交渉を重視した取り組みによって、最低でも現行賃金水準を下回らない取り組みを推進していきます。

CJCミニマム運動
賃金格差の拡大や雇用形態の多様化が進展するもとで、JCミニマム運動(JCミニマム(35歳)、最低賃金協定の締結、法定産業別最低賃金)によって、組合員の賃金水準を下支えするとともに、組織労働者の賃金決定を未組織労働者へ波及させ、金属産業で働く労働者全体の賃金の下支えを図る取り組みが重要性を増しています。
JCミニマム運動の考え方については定着しつつありますが、取り組みの実効性を高めるためには、解決すべき多くの課題を抱えています。賃金実態把握とJCミニマム運動の理論構築によって、取り組みの再構築を図っていくこととします。


<JCミニマム(35歳)>
JCミニマム(35歳)は、闘争時の実態把握が困難となっており、社会的な波及を求めることが困難になっています。賃金実態調査等によって、雇用形態、職種、企業規模、地域など、JCミニマム(35歳)を下回る労働者の実態を把握し、実効性ある取り組みに向けて検討を深めていく必要があります。
<最低賃金協定>
最低賃金協定は、締結組合数が増加しつつあるものの、金属労協全体では、3割程度にとどまっています。全単組の締結をめざして、タイムリーな実態把握・情報提供など、取り組み体制を整備し、具体的な運動展開を図っていくこととします。
<法定産業別最低賃金>
産業別最低賃金については、各都道府県における着実な取り組みによって、2004年度の金額改正では、ほとんどの産業別最低賃金で積極的な金額水準の引き上げを果たすことができました。しかしながら、6月には労働政策審議会の下に最低賃金部会が設置され、最低賃金制度の見直しの検討がスタートすることとなっています。
金属労協では、今後とも、産業別最低賃金を最低賃金協定の締結と連動させ、実効性ある賃金の下支えを図る取り組みを強化していきます。さらに、産業別最低賃金制度の継承・発展に向け、全力で取り組んでいきます。<ページのトップへ>

(2) 一時金
2005年闘争では、金属産業の業績改善が図られていることから、当然の成果還元として一時金の引き上げを図る取り組みを行うこととしました。同時に、一時金への業績反映傾向が強まっていることから、業績の厳しい組合においても、生活の安定確保や一時金水準の格差是正の観点から、最低獲得水準(年間4カ月)を重視した取り組みを行うこととしました。
この結果、業績の回復を反映して、6割の組合で一時金水準引き上げを図ることとなり、金属労協全体として着実な成果を引き出すことができました。また、年間4カ月未満の組合についても、昨年から大幅に減少させることができました。
一時金の取り組みは、業績連動方式を導入する組合が増加するなど、取り組みが多様化しています。JC共闘では、生活の安定確保の観点から、最低獲得水準4カ月を重視した共闘を推進していきます。<ページのトップへ>

(3) 労働時間およびその他の諸制度の取り組み
@労働時間

年間総実労働時間が拡大傾向にあることや36協定の特別条項の見直しが行われることなどを背景に、年休完全取得、時間外労働削減など、総実労働時間の削減に向けた労使交渉・労使協議に積極的に取り組み、いくつかの組合では具体的な改善が図られました。
労使委員会等による通年的な協議等を含め、総実労働時間短縮に向けた労使協議が行われており、具体的な前進が図られつつあるものの、年間総実労働時間1,800時間台の実現に向けた取り組みには手詰まり感があり、具体的な取り組みを再構築する必要があります。今後、「第2次賃金・労働政策」に基づき、下記の課題を中心に論議を深め、具体的な取り組み展開を図っていくこととします。
・ 年間総実労働時間1,800時間台実現のための、所定労働時間の短縮。
・ ワーク・ライフ・バランスの観点から、働く人のニーズにあった制度・運用の充実。
・ 年次有給休暇の完全取得、超過労働削減に向けた取り組みの具体化。
・ 超過労働割増率引き上げの取り組みに向けて、労働時間法制や労働時間政策のあり方。

Aその他諸制度
2005年闘争では、第2次賃金・労働政策で掲げた「生活との調和や自己実現をめざす多様な働き方」の実現に向けて、時代の変化に対応した諸制度の充実に取り組むこととしました。多くの組合で、60歳以降の就労確保や、次世代育成支援対策推進法、改正育児・介護休業法への対応に取り組み、いくつかの組合では法を上回る制度の導入や運用の改善が図ることができました。
また、雇用形態の多様化が急速に拡大していることから、JC共闘としてはじめて、派遣労働者等の非典型労働者の受け入れに関わる労使協議を提起しました。今次闘争では、職場における問題点など、非典型労働者の受け入れに関わる具体的な論議を行う組合が増加することができました。非典型労働者の賃金・労働条件や受入数など、更に実態把握に取り組んでいくことが必要です。
これらの取り組みは、金属産業が競争力の要である技術・技能の継承・高度化を図り、仕事と生活の調和のとれた働き方を実現する仕組みづくりを前進させたものと評価できます。
なお、金属労協として、これまでの賃金中心から総合労働条件全体の情報把握・提供の強化や、課題ごとの共闘のあり方などについて論議を深め、具体的な闘争支援を強化していくことが必要です。<ページのトップへ>

(4) 政策・制度の取り組み
「生活との調和と自己実現をめざす多様な働き方」を支える環境づくりの観点から、総合労働条件改善の取り組みと連動しながら、組織内外への理解促進等の取り組みを推進しました。

@デフレの早期解消と持続的景気回復の実現
景気は小康状態を保っているものの、原燃料インフレにもかかわらず、マネタリーベース増加率の極度の抑制によって、国内の消費者物価はデフレ傾向がむしろ強まっており、雇用の改善も足踏みが続いています。輸入物価、企業物価の高騰と消費者物価デフレとの並存は、企業収益を圧迫し、雇用と人件費へのしわ寄せが懸念される状況となっています。金属労協は2005年の政策・制度要求を通じて、量的金融緩和政策を再び推進することにより、デフレの早期解消と持続的景気回復の実現を求めていくこととします。

A産業別最低賃金の継承・発展
「規制改革・民間開放推進3か年計画」(2004年3月19日)において、「産業別最低賃金の見直し」が盛り込まれました。これを受けて2004年9月に設置された厚生労働省「最低賃金のあり方に関する研究会」は、2005年3月31日に「報告」を発表し、産業別最低賃金については「廃止を含め抜本的な見直しを行う必要がある」との提起がされました。今後、労働政策審議会労働条件分科会の下に、最低賃金部会を設置し、産業別最低賃金の見直し等について審議が開始されることになります。
金属労協では、2005年1月の全国会議において、「産業別最低賃金に対する金属労協の考え方」を発表するなど、組織内外に産業別最低賃金の持つ「産業別に形成される賃金の下支え」と「公正競争の確保」という役割・機能の重要性を訴える取り組みを展開してきました。さらに、連合、審議会委員等と連携しながら、産業別最低賃金制度の継承・発展の基本姿勢を堅持した取り組みを推進していくことします。

Bライフスタイル改革の契機となるサマータイム制度の導入
2005年3月、超党派のサマータイム制度推進議員連盟は、約400名参加のもと、「実現緊急大会」を開催し、サマータイム導入の決意を強く示しました。4月には議員連盟総会において「サマータイム法案」を固め、各党でそれぞれ党内調整を進めており、通常国会に提出する予定となっています。金属労協としても、対総理要請を含め、引き続き強力なサポートを行っていきます。<ページのトップへ>

 

3.2006年闘争に向けた課題
(1) 賃金水準引き上げの考え方
ベア要求の見送りが数年続いたことから、賃金水準の引き上げができないような風潮が広がっています。しかしながら、2005年闘争では、自らの賃金の実態を分析し、賃金格差改善や体系是正等のためのベアに取り組む組合が増加し、一定の成果を引き出すことができました。今後、この流れを更に拡大していく必要があります。


ベアは、経済成長、物価動向、雇用情勢、付加価値生産性、産業動向、企業業績、賃金の社会性(社会的な賃金相場、賃金水準比較)など、さまざまな要素を反映して、賃金表を書き換える作業です。ベアのなかでも、経済成長、物価動向など国民経済の動きを反映する部分については、社会全体を横断するものとなります。一方で、産業動向や中期的に見た企業体質の強化、企業業績の改善、賃金水準比較等を反映する部分については、産別や企業連・単組自らの判断で、適正な成果配分、賃金格差是正を求めるものです。
金属産業の賃金水準は依然として低位にあることや賃金格差の縮小が課題となっていることから、ベア等の取り組み、獲得できる体制づくりが必要です。この取り組みを推進するにあたっては、産業間、産業内の取り組み環境の違いが拡大していることから、JC共闘や産別内における共闘体制(統一闘争)のあり方が課題となっています。個別賃金水準重視の考え方によって、金属産業全体の賃金を改善する取り組みが求められています。

(2) 年間総実労働時間1,800時間台の実現に向けて
年間総実労働時間1,800時間を実現するためには、年次有給休暇の完全取得や増加傾向にある超過労働の削減が不可欠です。近年、過重労働が問題となっていることから、健康確保の観点から36協定の特別条項の見直しや安全衛生法の改正などが行われています。
労働時間法制や労働時間政策のあり方を整理しつつ、年次有給休暇の完全取得や超過労働削減のためのチェック体制を強化するとともに、超過労働削減のための超過労働割増率引き上げなど具体的な取り組みに向けて、早急に検討を深めていくこととします。

(3) 雇用形態の多様化への対応
金属産業においても、請負・派遣等の非典型労働が急激に拡大し、偽装請負や労働災害の増加など、さまざまな問題が起こっています。こうした現状を受けて、派遣労働法が改正され、一般業務の派遣労働者を1年以上受け入れる場合には、過半数労働組合に、業務、期間、開始予定時期を書面で通知し、意見聴取を行うことになり、安全衛生に対する派遣元、派遣先の責任が明確化されました。また、パート指針では、短時間労働者の意見聴取の機会をつくることが努力義務とされるなど、非典型労働者の均等待遇に向けた指針が示されています。
非典型労働者の権利確保や職場の安全確保などに対応するためには、1年以上の派遣労働者に限ることなく、非典型労働者の賃金、労働時間、安全衛生など幅広い労働条件や受け入れ人数などについても労使協議の対象としていく必要があります。金属産業の競争力の源泉である技術・技能を継承・育成する観点や、非典型労働者の均等待遇の確立の観点から、非典型労働者の受け入れに関与していく取り組みを推進していくこととします。



以 上

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