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2002年闘争をとりまく情勢

2.金属産業における賃金・労働時間の状況

1.金属産業の賃金水準
2.労働時間の状況

1.金属産業の賃金水準

(1) 賃金構造基本統計調査にみる産業別賃金比較

1.厚生労働省「賃金構造基本統計調査」から連合が算出したデータによれば、性・学歴・年齢・勤続を同一とした場合の所定内賃金水準(2000年)は、産業計を100として、製造業は95.1となり、99年の95.0とほぼ同水準になっています。金属産業では、鉄鋼業94.7、非鉄金属製造業96.2、金属製品製造業94.8、一般機械器具製造業95.9、電気機械器具製造業96.8、輸送用機械器具製造業97.5、精密機械器具製造業95.8となっており、いずれも産業計を下回っています。以上の金属7産業の数値を単純平均すると96.0となり全産業平均を下回っていますが、99年の95.4からはわずかに改善しています。(図表28)

2.2000年の「男子高卒」の所定内賃金について、年齢・勤続構成を同一条件として比較してみると、産業計100に対して、製造業は95.9(99年96.0)、金属産業は95.7(同95.4)と99年とほぼ同水準となっています。一時金は、製造業98.3(同100.6)、金属産業96.5(同100.4)と大幅に低下しており、この結果、年間賃金では、製造業96.4(同97.0)、金属産業95.9(同96.6)と、99年に比べて全産業に対する比率が低下しています。一方、「男子大卒」の年間賃金は、製造業96.0(同96.2)、金属産業96.3(同96.1)と、99年とほぼ同程度の比率になっています。(図表29)

3.2000年の高卒標準者の年齢ポイント別賃金(35歳)をみると、全産業を100として、製造業95.2(99年95.0)、鉄鋼業94.2(同93.7)、非鉄金属製造業92.7(同92.3)、金属製品製造業93.5(同94.4)、一般機械器具製造業93.7(同93.4)、電気機械器具製造業96.4(同95.5)、輸送用機械器具製造業97.2(同96.8)、精密機械器具製造業96.7(同94.6)となっており、格差はやや縮小しています。金額でみると、産業計318,600円に対して、製造業303,300円、鉄鋼業300,200円、非鉄金属製造業295,300円、金属製品製造業298,000円、一般機械器具製造業298,500円、電気機械器具製造業307,100円、輸送用機械器具製造業309,900円、精密機械器具製造業308,000円となっており、全産業との格差は8,700円〜23,300円におよんでいます。(図表30)

(2) 標準生計費

2001年度における全国平均の標準生計費(月あたり・非消費支出込み)は、35歳290,700円、30歳225,500円となっています。なお、34歳から35歳への1歳あたりの増加額は、9,500円となっています。これに対して、東京の標準生計費は、35歳311,000円、30歳255,300円となっており、全国平均よりも35歳で20,300円、30歳で29,800円高くなっています。
金属労協の集計対象A組合(組合員1,000人以上)では309,816円、B組合(300〜999人)では278,132円、C組合(300人未満)では265,290円となっており、B組合、C組合平均では全国平均の標準生計費に達していない状況にあります。(図表31)

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2.労働時間の状況

(1) 金属労協集計対象A組合における総実労働時間の状況

 金属労協集計対象A組合における労働時間の制度と実態の状況をみると、2001年度の所定労働時間は1,901時間になっており、2000年度の1,905時間からわずかながら減少しています。一方、2000年度の総実労働時間は1,980時間となり、89年度の時短5カ年計画がはじまって以来最も短い水準となった98年度1,957時間から2年連続で拡大してきています。
 2000年度の労働時間の内訳をみると、年間所定内実労働時間は1,778時間となり、99年度の1,787時間から減少しています。一方で、時間外実労働時間は202時間となり、99年度の176時間から26時間増加しています。(図表32)

(2) 毎月勤労統計から推計した労働時間の状況

 厚生労働省・毎月勤労統計から推計した製造業の・生産労働者の2001年度の年間総実労働時間は1,973時間となっており、2000年の2,000時間からは減少していますが、戦後最短であった98年の1,956時間からは17時間増加しています。また、所定外労働時間は183時間となり、2000年の195時間からは減少しているものの、同様に98年の149時間を34時間上回っています。金属産業全体では、総実労働時間1,999時間となり、2000年2,037時間を下回っていますが、98年の1,985に比べて14時間上回っています。所定外労働時間をみると216時間となり、98年の190時間を26時間上回る高水準になっています。
産業別にみると、鉄鋼業1,999時間、非鉄金属製造業2,023時間、電線・ケーブル製造業1,981時間、金属製品製造業2,033時間、一般機械器具製造業2,063時間、電気機械器具製造業1,923時間、輸送用機械器具製造業2,054時間、自動車・同付属部品製造業2,052時間、造船製造・修理業2,086時間、精密機械器具製造業1,957時間となりました。(図表33)

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