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第172号インダストリオール・ウェブサイトニュース

労働者の権利を求めて闘うインドの組合

2024-04-09

2024年4月9日:インドの総選挙を前に、インド労働組合が与党の反労働者政策に反対するキャンペーンを展開している中、インダストリオール・グローバル・ユニオンのアトレ・ホイエ書記長がこのほどデリーを訪問した。


4月3日に開催された労働安全衛生に関する戦略的討議で、インドの加盟組合は、同国の産業安全は惨憺たる状況だと述べた。工場諮問労働総局によると、2021年以降、毎年少なくとも1,029件の事故が発生し、1,000人以上の労働者が死亡し、3,000人以上が重傷を負っている。労働関連の傷病は、特に被害者が不安定雇用労働者であることから、ほとんど文書化されていない。

インドの組合は、より大きな安全衛生リスクを伴う契約労働や不安定労働の 増加に反対する声を上げている。不安定雇用労働者の組織化が急務である。

インダストリオール執行委員でユニオンズ・ユナイテッドの役員を務めるゴータム・モディは、次のように述べた:

「インドの製造業では労働者の85%が不安定雇用に就いている。不安定雇用労働者を組合に加入させることは、力をつけるための中心的課題であり、私たちの最大の課題だ。労働者の権利を守るためには、戦略と目的の統合が重要である。」

加盟組合はまた、職業病や危険性が常に無視されていることを強調し、 労働法の改正が職場の安全をさらに危険にさらしている」と述べた。

インダストリオール執行委員でインド全国鉱山労連(INMF-INTUC)書記長のS・Q・ザマ氏は次のように述べた:

「インダストリオールとインドの加盟組合は、新型コロナのパンデミック以来、安全衛生に関する懸念を一貫して表明してきた。インド政府は安全性に関して妥協してはならず、155号、183号、176号を含む安全衛生に関するILO条約を直ちに批准し、労働査察に関するILO 第81号条約の遵守を確保すべきである。」

しかし、職場での事件増加の惨状の中で、組合が大きな勝利を収めた例もある。インダストリオールと加盟組織の絶え間ない闘いの結果、香港条約は 2025 年に発効する予定だ。

4月4日に開催されたインダストリオールのインド加盟組織協議会では、加盟組合が組合の力をつけるために奮闘していることを強調した。共有された行動には、シーメンス工場でのホワイトカラー労働者組織化の試み、タタ・モーターズで 2700 人の労働者が正規化されたこと、公共部門の炭鉱で不安定雇用労働者や研修生を使用することに反対する闘い、気候変動が船舶解撤の川下産業で女性労働者にどのような影響を与えるかをマッピングしたこと、製鉄業で不安定雇用労働者のために大きな勝利を収めたことなどがある。

組合幹部は、今後、公正な移行、デュー・ディリジェンス、 ジェンダーに基づく暴力やハラスメントを含む労働安全衛生、 不安定雇用、中核的労働基準に関連する問題を優先的に取り 組まなければならないと強調した。

インダストリオール書記長のアトレ・ホイエは次のように述べた:

「2025年のインダストリオール大会を前に、私たちは行動計画を見直し、優先順位を明確にする必要がある。議論から明らかなように、私たちはより多くの女性や若者とともに、不安定雇用労働者を組合に取り込むための闘いを前進させる必要がある。私たちは組合を真に包摂的にしなければならない。また、労働災害を絶対的にゼロ・トレランス(容認度ゼロ)で対処する必要がある。労働者の命が無価値なものとして扱われるのは恥ずべきことだ。」

職場におけるジェンダーに基づく暴力とハラスメン ト(GBVH)に関するワークショップでは、女性リーダーたちがGBVHのリスク要因や、職場と組合スペースの両方でGBVHを防止するための対策について議論した。意識向上、工場内苦情処理委員会の有効性評価、GBVHに焦点を当てた保健キャンプの開催、組合内でのジェンダー方針の策定、各種委員会での女性代表の増加などの行動計画が策定された。また、インド女性委員会を復活させ、その付託事項を策定することも決定した。

 

【原文記事URL】

https://www.industriall-union.org/indian-unions-fight-for-workers-rights

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