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第183号インダストリオール・ウェブサイトニュース

イスタンブールのインダストリオール執行委員会で世界的な連帯に焦点

2024-11-26


インダストリオール執行委員会は、トルコからインドネシア、ウクライナ、パレスチナまで、全世界で労働者が直面している発展中の課題に取り組む共通の決意を示した。危機が激化し、反組合的な運動が強まっている中で、集団行動と世界的な連帯の重要性がこれまで以上に明らかになっている。


11月21-22日にイスタンブールで開かれたインダストリオール執行委員会では、連帯が中心的な話題となった。インダストリオール加盟組織の指導者たちは、全世界で労働者が直面している課題について議論し、国境を越えて労働者の権利を支援するという共同の決意を示した。

トルコの組合ペトロール・イスおよびトルコ・メタルの会長が、代議員をイスタンブールとペトロール・イス本部ビルに歓迎し、労働運動の強化における組織化と連帯の重要性と利益を強調した。

両会長の発言は後続の議論の基調を打ち出し、討議では労働者に影響を及ぼしている地域・世界両レベルの危機に取り組んだ。インダストリオールとスウェーデンの組合IFメタルの会長を務めるマリー・ニルソンが、アンカラのチャイルハン地区の鉱山労働者900人への緊急支援を呼びかけた。労働者たちは、鉱山と関連火力発電所の民営化に反対して地下で抗議している。鉱山労働者たちは失業する恐れがあり、政府が決定を覆すまで抗議を続けると誓っている。

アトレ・ホイエ書記長が、特に政治・企業分野で反組合感情が勢いを増している中で、労働組合が全世界で課題の高まりに直面していることを強調した。書記長は、先ごろの米大統領選と、イーロン・マスクのような物議を醸す重要人物を引き合いに出して、団結の必要性を強調した

「私たちの答えは団結でなければならない。私たちは、紛争や世界機関への対処の仕方は異なるかもしれないが、団体交渉や組織化、基本的労働組合権の擁護に関しては団結している。団結しなければ、全世界で反組合的な計略に力を与えてしまう危険がある」

そして、団結すれば勝てる。アトレ・ホイエは報告の中で、インドネシアで組合が大きな意味のある勝利を収め、闘争の結果、論争の的となっているオムニバス法の主要な条項が廃止されたことに言及した。

「これは大勝利であり、インドネシアの加盟組織の業績を祝福する。この業績は、逆行的な政府との闘いにおいて私たち全員にインスピレーションを与えてくれる」

ウクライナのレシア・セメニアカが、戦争で荒廃した同国の厳しい状況を説明、農業とエネルギーインフラに対する壊滅的な被害を詳述した。145カ所の炭鉱のうち、まだ稼働しているのは24カ所にすぎない。山積する課題の中で、ウクライナの労働者・組合の回復力が、永続的な連帯の精神の証拠として強調された。

パレスチナのサハル・アブドがグローバルな労働運動に対し、ガザとヨルダン川西岸で進行中の危機について意見を主張し続けるよう促した。彼女はアトレ・ホイエによる最近の連帯訪問に感謝を表明し、この訪問を悲惨な時期における国際支援の重要性を協調する重大な瞬間と表現した。

フォルクスワーゲン従業員が大量失業の見通しに対応しているため、執行委員会は、ドイツの労働者が直面している課題についても報告を受けた。クリスティアンネ・ベンナーIGメタル会長が、重大局面を迎えたこれらの労働者を支持するために国際連帯を訴えた。

イワナ・スマイロビッチが、今月初めにオンラインで開催された女性委員会からの最新情報を提供した。タンザニア、マラウイ、ガーナ、ペルー、コロンビアで最近、LOノルウェーの支援による若い女性向けの指導プログラムが開始された。このイニシアティブの目的は、次世代の女性の労働組合指導者に権利を与えることである。

さらにインダストリオールは、ジェンダーに基づく暴力に対する16日間の活動キャンペーンに備えて、#NoExcuseイニシアティブを拡大し、ジェンダーに基づく暴力に対する集団行動を呼びかける。

AIに関する戦略的な議論では、執行委員会にインダストリオールのAI方針の第1草案が発表された。この草案は、職場でAIが目立つようになっている中での課題と機会に取り組んでいる。方針と要求には、とりわけ、すべての職場で透明性と説明責任が確保され、労働者が技術変化に適応して雇用保障を高められるようにすること、団体交渉の法的保護を強化して、アルゴリズム管理とデータプライバシー、技能と再研修、労働安全衛生、富の再分配と生産性、組織化を強化することが含まれている。

この議論で指摘されたように、AIシステムは利用前に、差別に関する基準を考慮に入れて慎重に評価・検証しなければならない。社会的セーフティーネットを導入し、AIによるオートメーション化が進む経済で労働者に財政的安定性を提供することも、さらなる検討の対象として強調された。

AI方針の第2草案は来年3月末までに作成される予定で、それまでに情報収集を続けるとともに、AIに関する青年ワークショップとインダストリー4.0専門家グループの会合を開く。

来年11月の第4回インダストリオール大会の準備が進行中である。「組織化で公正な未来を」の旗の下に、世界中の加盟組織がオーストラリアのシドニーに集まる。

アトレ・ホイエは、2日間の会合を締めくくって次のように述べた。

「世界の1つの地域での勝利は、私たち全員を奮起させる。力を合わせて、すべての場所で労働者の権利を求める共同戦線を構築し続けなければならない」

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/global-solidarity-takes-centre-stage-at-industrialls-executive-committee-meeting-in-istanbul

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