インダストリオール青年フォーラム、人工知能と仕事の未来を探求
2024-12-19
12月13日、世界中の約120人の若手組合リーダーと活動家が、人工知能(AI)に関するインダストリオール青年フォーラムに出席した。このフォーラムは、職場におけるAIがもたらす複雑な課題と機会に対処するための知識とツールを若手労働者に与えるという点で、重要な一歩となった。
インダストリオールの松﨑寛書記次長は、青年の参加の重要性を強調し、次のように述べた。
「青年の積極的な参加は、インダストリオールのAI政策を策定し、AIの課題と機会に対応する機敏かつ先見性のある集団戦略を構築する上で不可欠である」と述べた。
フォーラムは、AIが仕事の世界に与える影響について考察することから始まった。参加者は、AIがどのように職場の形を変えつつあるのかを探り、労働者にとっての潜在的なリスクとメリットの両方を検討した。ディスカッションでは、データ分析を通じて、AIシステムが労働組合の力を増幅し、職場の安全性を高め、交渉能力を向上させる可能性があることが強調された。しかし、登壇者は2つの重要な点を強調した: それは、AIシステムにはコストがかかること、そしてその導入は目的主導型でなければならないことである。
「AIを導入する前に、」ある講演者はこう指摘した。
「AIを導入する前に、目的は何かを自問する必要がある。明確な目的がなければ、時間と資源が無駄になる危険性が高い。」
AIが雇用に与える影響を予測するのは難しく、国の経済、労働人口統計、導入戦略などの要因によって異なる。AIは非定型的な認知作業を得意とし、特に熟練ホワイトカラーの仕事を脆弱化させる一方で、女性労働者はさらなるリスクに直面している。国際労働機関(ILO)の予測によると、女性は自動化の影響を受けやすい事務職や管理職に偏って集中している。さらに、女性がSTEM分野に少なすぎるために、AI主導の経済における男女間の不平等が深刻化する。
フォーラムでは、AIの機会への公平なアクセスを確保するために、デジタル・デバイドを解消する緊急の必要性が強調された。参加者は、グローバル・サウスにおけるデジタル・インフラを拡大し、農村部や社会から疎外されたコミュニティにまで拡大することを提唱した。端末へのアクセスを確保し、デジタル・リテラシー・ プログラムを実施することは、若い労働者がデジタル環境 で活躍できるようにするための極めて重要なステップである と指摘された。
労働組合活動家には、プログラミング技術の習得に重点を置くのではなく、使用者が導入するAIシステムの目的を理解することに重点を置くよう助言があった。この戦略的分析によって、労働組合は公正で倫理的なAIの利用を効果的に交渉・擁護することができる。
参加者は、欧州連合とカナダのオンタリオ州の事例をもとに、既存のAI規制について検討した。新しいAI規則を既存の枠組みに統合し、重複したシステムを新たに作るのではなく、確立された保護を強化するという点で意見が一致した。この方法により、実施が合理化されると同時に、労働者の権利が保護できる。
講演者はまた、AI倫理に関するより広範な社会的議論に参加するよう若手組合員を奨励し、他の社会運動と協力することで、AI関連の課題や倫理に対するより包括的な対応が可能になると指摘した。
AIのエコロジカル・フットプリントも重要な焦点だった。データセンターやAIのインフラはエネルギーを大量に消費するため、環境面で大きな懸念がある。参加者は、より広範な気候変動アジェンダの中で、組合がこれらの問題への 取り組みをより重視するよう求めた。AIのバリューチェーンの中核をなす産業の中心に位置するインダストリオール独自の観点から、AIの持続可能な実践に影響を与える機会が得られる。
インダストリオールのインダストリー4.0専門家グループのメンバーであるドルカス・ノルピリは、包摂的なデジタル経済を構築するための周到な行動を促した。
「地理的な場所に関係なく、すべての青年がインフラ、ツール、リソースに平等にアクセスできるよう、慎重な措置を取る必要がある。」
フォーラムは、AIの方向性を形作るために必要なスキルと知識を若いリーダーたちに身につけさせるという強い決意で締めくくられた。インダストリオールがAI政策を継続的に発展させていく中で、革新を受け入れながら労働者の権利を保護する集団戦略を練り上げるには、青年の積極的な参加が引き続き極めて重要である。
画像1:この記事には、フォーラムのテーマを反映してデザインされたAI生成画像が添付されている。