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第183号インダストリオール・ウェブサイトニュース

MENA自動車労組ウィーク

2024-11-05


2024年10月、インダストリオールはモロッコでMENA自動車産業労組ウィークを企画し、エジプト、チュニジア、モロッコの組合指導者が参加した。10月6-7日にMENA自動車労組ネットワークが会合を開き、公正な移行と組織化、労働者の課題を取り上げた。


ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長が、労働者は移行の影響をもろに受けるため、移行において最も重要な問題だと強調した。企業は労働者の代わりに、オートメーション化が進んだ製造プロセスを導入したり、効率向上のために事業全体をデジタル化したりしている。ここで組合が介入し、公正な移行を確保しなければならない。

自動車産業は2つの部分から成り立っている――現地組合やインダストリオールと安定した労働協約を結んでいる古くからの自動車メーカーと、特に電気自動車・自律走行車の分野の新興企業(主に中国企業と米国企業)である。

「これら各社は莫大な投資能力を持つ企業だが、労働組合を自動的に承認または理解しているわけではなく、それが大きな課題だ。インダストリオールは現在、当事者を交渉のテーブルに着かせて新協定を立案しようとしている」とゲオルク・ロイテルトは述べた。

参加組合は、前回の会合以降の現状、進展および2025-2030年のアクション・プランに関する最新情報を発表した。組合は2つの問題に焦点を当てることに合意した。

  • 労働市場と産業の転換についての交渉に組合を参加させること。
  • 移行の悪影響、何よりもレイオフと失業を相殺するための解決策を求めて企業と交渉すること。

ネットワークは公正な移行に関する声明を発表し、既存の雇用の持続可能性と、労働者の権利とディーセント・ワークの原則を尊重する新規雇用の創出を要求した。この声明は、移行期間中に失業にさらされる労働者の社会的保護、選択肢および十分な補償も求めている。

ネットワークのメンバーは、産業部門の移行政策をめぐる全国・部門レベルの社会的対話を行い、労働組合を積極的に関与させることも要求した。

アーメド・カメル・インダストリオールMENA地域事務所所長が次のように述べた。

「MENA地域は、地域における多国籍企業(特に中国企業)の拡大、気候変動による技術面・環境面の変化、組合承認の課題がある中で、この産業が世界レベルでどのように進化しているかを示す実例だ。作業計画を立て、それを実施するための機構を設けることによって、さらに組合を強化することができる」

チュニジアFédération Générale de la Métallurgie et de l’Electronique – FGME-UGTTのHossam Eddine Dhayaf書記次長がこう述べた。

「移行はすでに進んでおり、南側諸国と労働者が犠牲になっている。この移行を公正なものにするために労働組合が一致団結し、目標を統一しなければならない。これは共同アクション・プランの策定によってのみ実行できる」

モロッコSyndicat Nationale des Industries de la Métallurgie et Electromécanique – SNIME-CDTのMohamed Moufid書記長が述べた。

「新技術への依存は労働者の未来に対するリスクを示しており、組合は移行が労働者を犠牲にしない公正なものとなるようにする立場を取らなければならない。特に、克服が必要な窮状に置かれた女性のために」

モロッコFédération Nationale de la Métallurgie et des Industries Synthétiques Métallurgiques et Electroniques – FNMISME – UMT指導者のNora Elmoustahyが述べた。

「ルノーが生産サイクルにロボティックスを導入したとき、組合はレイオフされた労働者を、それらの労働者に取って代わったロボットの保守を扱う新設部門に再統合するために交渉した。組合は交渉を通して、レイオフされた労働者を新しいプロジェクトで雇用する、つまりレイオフされた労働者を新規プロジェクトで優先させるよう会社側を説得することにも成功した」

チュニジアFédération Générale de la Métallurgie et de l’Electronique – FGME-UGTT指導者のNouzha Elmarzoukiが次のように述べた。

「クロムブルグ・ウント・シューベルトでは、気候変動を受けて、高温に取り組むために職場に冷却装置を導入し、職場の改善をうまく取り決めた」

労働組合の自由に対する攻撃、組合との対話の打ち切り、組合員の排除により、組合に対する環境が非常に厳しくなっている。使用者は組合を職場から締め出し、組合が労働者と連絡を取れないようにしている。労働組合活動に対する制約と政府による使用者の不当な優遇は、組織化を妨げる大きな障害である。だが、逆境にさらされながらも、組合はキャンペーンを通して何とか組合員数を増やしており、数社にターゲットを絞って2030年までに組合員数15%増を目標に、引き続き組合員数の増加に取り組んでいく。

インダストリオールが多国籍企業と結んでいるグローバル枠組み協定は、組織化に役立つ手段となっており、いくつかの企業で組合員数が増えている。加盟組織は組織化によって、一方では要求を勝ち取る能力を高め、他方では労働組合の尊重と自由を確保した。参加者は、将来計画を立案するために訓練を支援し、労働組合の技能を開発することが重要だと強調した。

モロッコFédération Nationale de la Métallurgie et des Industries Synthétiques Métallurgiques et Electroniques – FNMISME – UMTのKhaled Taher書記長が述べた。

「この部門における組合の取り組みと訓練への継続的支援についてインダストリオールに感謝している。このウィークは経験を交換できるようにし、モロッコで質的飛躍を遂げているこの部門で連帯を強化してくれる。一致した意思に基づく共通の闘いによって、障害を取り除き、不可能を可能にすることができる」

エジプト自動車部門産業労組の指導者Abdelrahman Solimanが次のように述べた。

「交流と学習の重要な場であるこのウィークに参加できて嬉しい。私たちは労働組合活動で困難を経験しているが、新世代の労働組合員は労働者の権利を支持して労働組合活動を強化しようと懸命に取り組んでいる」

チュニジアFédération Générale de la Métallurgie et de l’Electronique – FGME-UGTTのAbdelaziz Arfaoui書記長が述べた。

「特にネットワーク・レベルで、労働組合活動の開発に多大な努力が注がれており、サプライチェーンで組合活動をさらに改善する重要な要因になっている。私たちにとっては結果が重要であり、これは現場で実現している成果だ。自動車部門で労働組合の目標をいくつか設定しており、それを達成するために取り組んでいる」

チュニジアFédération Générale de la Métallurgie et de l’Electronique – FGME-UGTTのYamina Mbarki書記長がこう述べた。

「COVIDパンデミック、ロシアとウクライナの戦争、そして今度はガザ戦争が起こり、そのすべてが自動車部門に影響を及ぼしている危機だが、これに負けず私たちは職場のキャンペーンを通して組織化で重要な進展を達成している。一部の経営陣がキャンペーンを妨害し、労働組合員が労働者と連絡を取れないようにしようとしているにもかかわらず、成果が上がっている。2030年までに組合員数15%増を目指している」

ステランティスMENA労組協議会

北部アフリカの加盟組織とサプライヤーで構成されるステランティスMENA労組協議会は、2024年10月7-8日に会合を開いた。参加者は、主な目標と労働組合員の活動を妨げている問題を確認し、来期の作業計画を策定した。この計画は、社会的対話と安全衛生改善に重点を置き、地域のステランティス生産ネットワーク全体で効果的な社会的対話にサプライヤーを統合するために、調整・協調努力を強化することの重要性を強調する。

インダストリオール、ルノーMENA労組協議会/ルノー・グローバル従業員代表委員会および経営側の会合

 2024年10月8日の会合は、組合と経営側が会談して重要な問題を提起する重要な機会だった。ルノーMENA労組協議会の代表団は、ルノーにおける重要な展開に焦点を当てて、地域とモロッコの自動車産業で見られる最も重要な展開についての見解を示した。

代表団は、経営側との建設的な社会的対話の結果、労働協約が締結されたことに感謝の意を表明し、特にロボティックスへの依存の高まりと、各種の新しい技能を必要とする新しい種類の車の開発を踏まえて、対話を発展させて公正な移行も取り上げることの重要性を指摘した。代表団は、来期の優先的活動を発表し、さまざまな経験について学習することが重要だと述べた。代表団は世界各地のルノーの組合・労働者の経験について概要説明を受けた。ルノー・グローバル従業員代表委員会代表団と経営側は、会合に謝意を表明し、ルノーMENA労組協議会と連絡を取り続けて共同作業を開発することの重要性に言及した。

この会合に先立ってルノーMENA労組協議会が開かれ、さまざまな事態の展開を調べるとともに、経営側と協議すべき最も差し迫った課題の優先順位を決めた。

モロッコの金属労組を対象とする戦略計画更新ワークショップ

モロッコの金属労組SNIME-CDTとFNMISME-UMT向けに、2つの戦略計画ワークショップがそれぞれ2024年10月9-10日、11-12日に開かれた。このワークショップでは実態を評価し、最も重要な課題を確認したのち、目標を定め、アクション・プランを立案し、計画を実施する労働組合チームが選出された。組合員数の増加、安全衛生の改善、モロッコにおける産業レベルの社会的対話の開発に特に重点を置いた。

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/mena-automotive-unions-week

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